2004年6月第3週

今週は梅雨の晴れ間が広がるのかな。

先日、なにげなくテレビを見ていたら、ある気象予報士がこんなことをいってました。天気予報が当たらない、とよく文句をいわれます。それがレジャーやスポーツのときに外れると、もうバカだチョンだと人格まで否定されかねない勢い。でもね、と彼はいいます。午前中いっぱい雨が残ってしまったんなら、午後から野球でもゴルフでもやりゃいいじゃないか。それができなきゃ濡れながらやればいい、と半ばヤケクソ。

だいたい人間ごときが天候をどうこういうのがおこがましいのであって、おとなしくその時々の天気にしたがって行動すればいい、という彼の意見はごもっとも。先週の通信と同じことをいっている、と思いました。しかし、そうなれば気象予報士などという職業も必要なくなるのかもしれませんが・・・。石原という男ですが、あんたのごり押しオヤジにもそういうことをわからせてやれよ、と思いましたね。

たしかに人は台風みたいな勢力にはひれ伏して耐えるくせに、小雨には難癖をつけるところがありますよね。嵐は自然の脅威ですが、しとしと降る雨はただの迷惑。それが転じて国家間の戦争は避けがたいものだけど、やくざの抗争は顰蹙もの。ましてや個人の犯罪など・・・。交通事故は不運でかたづけられるけど、不注意で蜂に刺されると蜂は巣まで駆除される。カラスの巣もスズメの巣もアリの巣も駆除されて、きれいになったところでミサイルの雨が降るのか、火山灰でも降り積もるのか・・・。

個人の意識レベルからそういうものがなくならないかぎり、世界なんて変わるわけがないのかもしれない、と思ったしだいです。

金正日という独裁者についても同様。たしかに困った人だなあ、とは思いますが、それはブッシュや小泉、それからブレアやシャロンなどいった人物と同じレベルで困るわけで、なぜ彼だけがこうまで叩かれるのか。とくに私生活など、毛沢東が赤いカーテンの裏側でやっていたこととさほど変わりがないわけで、権力の頂点に立った男のやることが女漁りだとしたら、人は苦労してまで権力など手に入れる必要はないんですね。どうしても頂点に立たなくては得られないような、特別な愉悦でもあるならともかく、金とセックスならそこらじゅうにごろごろしてるわけで・・・。ま、程度の差はあるんでしょうけど。

金正日が許せないというのはわかるけど、マスコミがこぞって声を大にするのは相手が小国だから?そんな勘ぐりをしたくなるのは、それだけの正義感が中国や欧米には向けられないから。つまりは小雨というわけで、世界中を混乱に陥れるような台風国家ではないのでしょう。ただ梅雨前線が近くにあって、それが目障り。だから叩かれる。彼に対して怒りをあらわにする人を見ていると、この人は自分が同じ立場になれば金正日そのものになるんだろうな、という顔をしています。怒りや憎しみといったものは、同じ資質をもたないことには抱くことができないからです。喧嘩をするのは同じ穴のムジナ。穴がちがえば喧嘩にはなりませんからね。

南北朝鮮の問題は、北に独裁者がいるからこじれるというものではなさそうです。そもそも朝鮮半島がああなったのは第二次大戦直後、日本の植民地だったところをロシアとアメリカが勝手に分断。支配下に置いたからです。三つの大国に蹂躙された結果、反動として生まれてきたのが独裁者。南もかつての朴政権下では言論の自由もなく、飢餓線上をさすらう国民も少なくなかったのです。

王を倒すものは王よりこわい。これはフランス革命当時、ロベスピエールの恐怖政治に震えあがった人々の言葉です。独裁者を力づくで倒すものが独裁者よりタチがわるいのは、イラクの現状を見てもわかります。北の問題は北の国民が解決するしかないんですね。かつての加害者としては、過渡期の隣国をとやかくいわず、長い目で見守るぐらいの姿勢がほしいもの。

拉致は許される行為ではありませんが、この国は戦前・戦中を通じて何百万という男女を拉致。強制労働や兵役につかせていました。従軍慰安婦などもそうですね。そのほとんどがろくに食事も与えられず、ぼろきれのように使い捨てられたことを考えると、日本からの拉致被害者がそれなりに優遇されてきたことに、こちらとしては感謝したいぐらいです。それを感謝も謝罪もせず、国民にも過去を隠蔽したまま、相手を非難するのはフェアではありません。こっちも謝る、教科書にもちゃんと載せる。だからみんな返してください、といえばあっさりかたづきそうな問題なのに・・・。

国民ひとりひとりはふつうでも、それが国家になるとそこには魑魅魍魎が巣くうのかもしれません。なにもフセインや金正日だけが怪物なのではない。台風には屈するけれど小雨には文句をいう、そんな人の意識やら差別やらが少しずつ蓄積されて、やがてそれがうねりとなって醜悪な怪物を作りあげるのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

福田さんのキャベツが入ります。キャベツには事件がつきもので、アオムシはともかく、中にヨトウムシがひそんでいてキャーッということが、今回もないとはいえません。もしもの場合はご容赦ください。

ピーマンが出てきましたが、まだ収量が安定しないので、きゅうりと抱き合わせ。

山東菜はさっと湯がいて、芥子醤油で和えてみてください。油揚げか、豚バラ肉の薄切りを湯がいたものといっしょに和えるとおいしく、芥子がツーンと鼻にくることもありません。

オカヒジキも芥子醤油和えが美味ですが、油炒めもおいしいですよ。オカヒジキ1袋に対して、豚バラ肉100グラム、春雨50グラムを用意します。春雨はお湯でもどしてから水にさらし、食べやすいように包丁を入れておきます。フライパンに油を熱して豚肉を炒め、火が通ったところで火を弱め、塩と一味とうがらし、オイスターソースで濃いめに調味。オカヒジキを加えたら火を強くして、最後に春雨を入れ、塩加減を調整します。胡麻油を少量たらして香りをつけたらできあがり。

好子さんの玉葱は生食用。スライスしたらそのまま、水にさらさなくても食べられます。サラダではありませんが、先日、ハンバーグを作ったとき、玉葱をすりおろしてドミグラソースもどきにしてみたら、簡単でおいしかったので紹介しておきます。ハンバーグを焼いたフライパンに火から降ろし、すりおろした玉葱とパセリのみじん切りを余熱で炒め、ケチャップと醤油を入れるだけ。もちろん本格的なドミグラソースには劣りますが、手がかからないわりにはおいしかったので・・・。

オカノリのおひたしは芥子醤油よりわさび醤油が合いますが、たまには炒めものに加えてみたら・・・。茎の部分だけ残しておいて、湯がいてから細かく切って納豆に入れても美味でした。

今週は蒸し暑くなりそうです。野菜をたくさん食べていると、ふしぎと食欲不振に陥ることがありません。夏の序盤戦、今のうちに青ものをたくさん食べておいてくださいね。