2004年10月第2週

台風一過でみごとな秋晴れが出現したと思ったら、今週は雨模様。恵みの雨も続くといやがられます。

農家にとっては出荷の作業が煩雑になってきます。野菜が濡れていたり、泥がついていたりすると,それが傷みの原因になるからです。とくに葉ものの収穫がたいへんで、荷造りするわたしたちも神経を使います。それでも使いものにならないことがあるようで、そういう場合は面倒でもご一報くださいね。翌週、代品をお送りします。

雨が降ると気温が下がって、ついこの間まで暑い、暑いといっていたのがウソのよう。とたんに炬燵が恋しくなります。落日も早くなりましたしね。あっという間に暗くなってしまいますから、夕刻のいそがしいことといったら・・・。山栗を拾って、山羊の草を刈って犬の散歩に出たら、帰り道はもう真っ暗。こげ茶色の雑種犬など、闇にまぎれてどこにいるかもわからない。

それとは対照的に山羊の白い体がぼんやりと、陽だまりならぬ闇だまりから浮かびあがります。このところ山栗を食べることが多いので、丸くせり出した腹部がまるで満月のよう。オスなのに、この時期になると「赤ちゃんがいるんですか」と聞かれる始末で、真剣にダイエットを考えるのですが、栗は大好物。カロリーの高い食べものは山羊の体にはよくないんだけど、年に一度のぜいたくぐらい許されてもいいんじゃないか。そういえば先代も、秋口には丸々と太っていたものです。天高く、馬ならぬ山羊肥える秋、なのでした。

今週の野菜とレシピ

わたしたちにとっても食欲の秋。でも、夏の疲れが抜けきれないところで低温に遭遇すると、風邪をひきやすいのでご用心。

体をあたためながら夏の疲れを癒すものといったら、冬瓜がいちばんかもしれません。鰹節と昆布で濃いめの出しをとり、冬瓜スープでいただきます。仕上げに片栗粉でとろみをつけると冷めにくく、体もあたたまります。椀に盛ってからおろし生姜を添えてください。

冬瓜は大きいようでも、厚めに皮をむき、種とワタを除いてしまうとそれほどの量ではありません。また、干し椎茸や干し貝柱、干しエビなどといっしょに中華風の煮物にしても美味。みじん切りにした生姜を胡麻油で炒め、冬瓜にも油をよくなじませてから干し椎茸、干し貝柱などを加え、戻し汁で煮込みます。塩と胡椒、オイスターソース少々で調味.スープと同じように片栗粉でとろみをつけ、仕上げに胡麻油少々で香りをつけて・・・。

好子さんの葉ものが3種。間引き白菜と、胡麻の香りがさわやかなルッコラ、それにフキに似た丸い葉っぱのおかのりです。おかのりはほのかな海苔の香りが名前の由来だそうですが、揚げてみるとなるほどそうかと納得できます。おひたしもおいしいけど、今回はかき揚げにしてみてください。

じゃが芋と茄子をサイコロに切って、彩りに葱の青いところを小口切りにして加え、これもかき揚げにするとおいしいですよ。