2004年6月第4週

台風6号が接近中。この通信が届くころにはもう通過後かもしれませんが、ひさびさの大型台風です。被害のないことをお祈りしています。

とくに心配なのが四国の野口さん。フルーツをお届けしていない方には無縁かもしれませんが、出荷間近のメロンだけでなく、秋・冬の柑橘類が気がかりです。ちょうどレモンもみかんも花盛り。白い花をいっぱいつけた木の下を歩くと、葛根湯にも似た甘ったるい、それでいてさわやかな芳香に包まれます。それから蜜を集めるおびただしい蜂たちの羽音。それが激しい雨風にさらされるのです。どうかみんな、無事でありますように・・・。

こちらは内陸なので、台風といってもみんなけっこう呑気です。農家も稲刈りが近くなると神経をとがらせますが、この時期はさほど気にもならないみたい。とはいってもナスやきゅうりが風にもまれると、被害は甚大なんですけどね。

これまで大きな災害に見舞われたことがないせいかもしれませんが、それも近年変化しつつあるようです。いたるところで河川の護岸工事が行われるようになって、今まで水害などとは無縁だったところにどっと水が押し寄せるようになったんですね。蛇行していた川を直線にしてみたり、意味もなく川床をコンクリートで固めてみたり、行政というのはどこでもよけいなことばかりやってくれるようでして・・・。そうして自然災害を封じこめ、ひたすら人災を大きくしてゆくのです。

わたしも無駄遣いは多いほうなので大きなことはいえませんが、いたずらに山を削ってたいして交通量もないところに大きな道路を作ったり、農地をかきまわしてやたらと広い不毛の地を作ったり、湯水のようにお金を使っておきながら、その分福祉が削減されるのは中央も地方も同じ構造。使用済み核燃料の再処理などという物騒で、なおかつ不経済すぎてどこの国も断念したような政策が強行されるんなら、もう税金も電気代も払わない。お金をドブに捨てるようなもんじゃないか、と思うのですが・・・。

話題を変えて、気分を一新しなくっちゃ。

事務局にやって来るカラスのつがいが最近、よそ者の侵入に四苦八苦しています。子育ての時期なので、カラスもスズメも貪欲ですが、そこはやっぱりなじみの顔を立ててやるのが人情です。ご飯を出すのも、古顔だけが近寄れる場所にしてました。

ところが新顔の一羽が思わぬ作戦に出たのです。そのカラス、ここからよく見えるあたりでしきりにキョンキョン、キョンキョン、キジの鳴き真似をするのです。このあたりにはキジもけっこういますから、真似をするのもそれほどむずかしくはないのでしょうが、ほかのカラスはだれもやらない。器用なのか、それとも人の気をひく術を心得ているんでしょうか。

子供のころ、カラスを飼っていたことがある知り合いの話では、毎朝コケコッコー、ワンワン、ニャーニャーとにぎやかで、いないはずの動物の鳴き声までしていたそうです。それが全部カラスのしわざ。人の言葉も真似したそうです。そういや、カラスは九官鳥の親戚だったんですね。

そんなこんなで、キョンキョンはよそ者でも特別ということになりました。ご飯が提供されるされるようになったのですが、ほかのカラスがやって来ると、彼もいっしょにカアカアとカラス語を話します。けっこう人気者で、今日はキョンキョンの声がしないねえ。あ、鳴いてる、鳴いてる、キョンキョンが来た、といった具合。

わが家の軒下のツバメの巣でも、かわいらしい頭がちらほらするようになりました。ヒナは4羽。ところがどういうわけか、途中から親鳥が3羽に・・・。三角関係?おそらく巣作りに失敗したか、配偶者を失ったツバメが加わったんでしょうが、こんなケースもあるんですね。とにかく親鳥が帰ってくるたびに、顔中口だらけにしたヒナたちが鳴きたて、それが室内まで聞こえてきます。親鳥はピイピイですが、ヒナはジイジイと濁った鳴き声。

週末、親鳥がいつになく騒々しく鳴きたてるので出てみると、青大将が軒下の柱をよじ登っていくところでした。すぐには青大将とわからないような淡い色合い。脱皮したばかりなんでしょう。大きさから判断して、いつも裏庭にいるミイ君だとわかりました。ミイ君、ダメでしょう、こんなところに来ちゃあ。早く帰んなさい、ツバメはおいしくないんだからからね。──ズルズルと青大将が方向転換。猫に見つかるとまずいので、いったん犬の柵に避難して、そこから山羊のテリトリーにすべりこんで行きました。これでひと安心。

その間、ツバメたちは遠巻きにこちらを見ているだけ。猫が庭先を通ると低空飛行で牽制するくせに、ヘビには手も足も出ないのです。だらしがないったらありゃしない。ヘビが柵の中に入ってくると、ヒャンヒャン鳴きながら室内に逃げこむ犬はもっとだらしがない。そして猫はヘビにはちょっかいを出すくせに、ツバメに牽制されると植えこみに逃げこむのです。不思議な力関係だなあ、と思いました。

今週の野菜とレシピ

先週にひきつづきキャベツが入ります。今のところクレームはありませんが、春キャベツには虫がつきもの。モンシロチョウとキャベツは共生していますから、アオムシは外葉を食べるだけ。キャベツの内部にまで侵入することはありませんが、ヨトウムシは輸入野菜について入ってきた新参者ですから、そういうルールを知らないようです。もしもそんな不届きなヤツに出くわした場合には、箸でつまみ出してくださいね。

先週の晴天続きできゅうりは安定してきましたが、ナスは今週の気温しだい。そんなわけでズッキーニと抱き合わせです。ナスもズッキーニも1センチ前後の輪切りにして素揚げ。それを麺つゆに浸した揚げびたしが美味。とくにズッキーニは揚げると独特の食感になります。ほんとうは両方いっしょに食べたいところなんですが・・・。

小ネギは薬味用。冷蔵庫の野菜ボックスに入れておくとけっこう日もちしますから、少しずつ麺類や冷や奴にご利用ください。

ニンニクが入る予定でしたが、青山さんの畑が全滅。わが家のニンニクだけではとてもセットは賄えないので、Bセットのみとなりました。申しわけありません。