2004年10月第3週

はっきりしないお天気が続きます。が、季節は確実に進行しているようで、気温がぐっと下がりました。朝夕はストーブがほしいぐらい。

気のせいか、犬も猫も山羊もひとまわり大きくなったようで、こちらもそろそろ衣替えをしたいのですが、なかなか天気に恵まれない。どうせなら、からっと晴れた日に衣類を入れ替えたいですね。今週は気持ちのいい秋晴れに恵まれるでしょうか。

秋晴れどころか、また台風23号が接近中。おかげで秋雨前線がもどってくるみたいです。今年は台風の当たり年といわれますが、それって偶然のなりゆきにすぎないんでしょうか。他人事みたいに「当たり年」なんていってていいのかな。

政情が不安定になったり、強権的な政治が行われているところで災害が起こりやすいのは前々からいわれていることですが、その端的な例が北朝鮮を繰り返し襲った冷夏と長雨。深刻な食糧不足は今も続いています。そして、今年、アメリカ南部に襲いかかったハリケーンと、日本の台風・・・。

人の意識というのは右巻きの渦を作るものなんだそうです。わかりやすい例をあげると、時計の針。これは右巻きに動いてますね。人類の最大の足枷は時計と貨幣で、わたしたちはそれに支配され、古来、権力を握った者たちは時と金を支配することに専念してきたのでした。

個人意識、なかでも「我」と一般に呼ばれているものは、強くなるにつれキリキリと右方向に渦巻きます。自分が正しい、自分がいちばんという意識です。ネジも右巻き。それがどんどん締まってきたらどうなるか。わたしたちも身動きできなくなりますが、だれより苦しいのはたぶん地球。そこで左巻きの回転を作って、それをゆるめなければならなくなるのです。天気図を見てみればわかるように、台風は左巻きの渦。台風による浄化は、なにも自然界にかぎったことではなかったのですね。

台風で緩和されなければ地震。それでもダメなら火山の噴火という順序で、地球はみずからの均衡を保っているそうです。そういえば台風の被害はないけれど、ここ栃木県では最近地震が頻発しています。浅間山も火を噴きはじめたことですし、この先どうなる

のか。気象や災害がどうなるか、ではなく個人意識、とくに人の無意識部分がどう変化するか、それにかかっているようです。

人の意識が気象を左右しているといったら、まさかと思う人もいるかもしれません。でも歴史をひもといてみれば、十字軍がエルサレムに侵攻した直後、ヨーロッパを襲ったペスト禍や、第一次大戦直後に一千万ちかい死者を出したスペイン風邪、第二次大戦後のホンコン風邪の大流行などなど・・・。気圧どころか細菌まで動かしていることがわかります。

昨年の鳥インフルエンザは中国政府がゴリ押ししている三峡ダムが原因、とわたしなどはにらんでいるのですが、他国を責めたところでどうにもならない。中国政府は先進国に倣っているだけのことなんですから・・・。それに、自分のことはそのままにして、他者だけ非難するのでは、右巻きの渦を加速させるだけ。あいつがわるい、こいつもわるい、というのは簡単ですが、それでは気象も現状も変わらないんですね。

今年もまた鳥インフルエンザの影におびえる季節になりました。卵も鶏肉もしばらくやめよう、ではなく、消費者みんなが自分自身に原因を求めはじめはじめたら、意外にあっさり消滅してしまう問題なのかもしれません。すくなくとも、これを養鶏家だけの課題にはしたくありませんよね。

今週の野菜とレシピ

この秋は度重なる台風の影響で、野菜が高騰しているようです。益子GEFは市場の動きとは無関係ですが、端境期ということもあって、わたしたちも野菜不足には四苦八苦しています。

今週は椎茸の生育が遅れているため、急遽予定を変更。高橋さんの梅干が入ります。自家製の梅を塩漬け、土用干し、紫蘇を加えて再度漬けこむという手間をかけていますから、やわらかくておいしい梅干。塩加減もマイルドです。梅干は500グラム:900円にて別注も承っていますので、ご希望の方は電話、またはFAXで・・・。

福田さんのサニーレタスは、まだ株が小さめですが、無理をいって出してもらいました。サラダもいいですが、寒いときにはスープに入れてもおいしいもの。ザー菜をそぐように薄く切って、さらにそれを細く切ります。鍋に水とザー菜を入れ、ことこと煮るとザー菜から出しが取れます。うまみといっしょに塩分も辛みも出ますから、あとはちょっと味をととのえるだけ。最後にサニーレタスをちぎって入れ、胡麻油を香りづけにたらしたら本格的な中華風スープのできあがり。

ザー菜は食材としても調味料としても使え、保存も効きますので、常備しておくと便利です。なにもないとき、きざんだザー菜を上記よりの少なめの水で煮て、味をととえてから卵とじにしてご飯にのせてもおいしいですよ。

好子さんの葉ものは順調。確実に秋の味を届けてくれます。小松菜は煮びたし、炒めもの、おつゆの実とオールマイティー。京菜はサラダがおすすめです。サラダは体を冷やすものですが、京菜やほうれん草、春菊といった青ものは別。真冬に食べてもおいしいものです。ちりめんじゃこを胡麻油でカリカリになるまで炒め、京菜にのせて醤油をかけるだけ。それに温泉卵をのせるとさらにおいしく、トロトロとカリカリと京菜のしゃりしゃりのハーモニーが絶品。

春菊は寒さにあたって生育が遅れ気味なので、おかのりと抱き合わせになりました。来週は待望の大根が入ります。椎茸も出てきてくれるといいですね。