自然災害はすべて人災

2005年1月第2週

暮れに降った雪が、ところによってはまだ残っているところへ、また雪の予報。今のところ、小雨がぱらつく程度ですが、これからどうなりますか。

この程度の雪で騒いでいたら、新潟の人たちに怒られそうですが、都会ほどではないとはいえ、このあたりもさほど雪には慣れていません。暮れに10センチほど積雪しただけで、田圃に落ちたり、電柱などに衝突した車が続出。あちこちでレッカー車の姿を見かけたものです。

ノロノロ運転の栃木ナンバーを、さっそうと追い抜いてゆく北国ナンバーの車を見ると、尊敬とあこがれの入り混じった気分になったりしてね。立ち往生する高級車を、軽トラがスイスイと追い抜いてゆくのもいい気分。便利だとか、格好いいとかいうのって、非常時に対応できる度合いによって決まるのかもしれません。

そういう視点に立つと、わたしたちの身のまわりって不便なものだらけ。いざというとき、さっぱり役に立たないような便利さに満ちていると思いませんか?一見、時代に逆行するようなアナクロこそ、じつは最先端だったのかもしれない、と最近のニュースを見るたび思います。これだけ世界中で災害が起こっているのですから、ここらでひとつ、生活を見直したほうがいいのかもしれませんね。

とはいっても、口でいうほど簡単なことではありません。

都会暮らしが不安だからといって、田舎に来ればいいかというとそうでもないからです。田舎といっても、今ではみんな電気やガスに頼りきっているわけですし、それじゃ人里離れた山の中がいいかというと、これも危険。林業の衰退で手入れが行き届かなくなったため、日本中、いつ森林火災が起こってもおかしくない状況にあるからです。

しかもいったん火がつくと、猛スピードで広がってゆくスーパーファイアーになるといいますから、わが家などもよく考えたら風前の灯火。海辺に行けば津波の心配。川は氾濫しますから、やっぱり平野部がいちばんかと思ったら、そういうところはどこもかしこもビルが林立してるわけでして・・・。

要するに、ここなら安全といえるような場所はどこにもないわけです。すくなくとも、外的な要因としての安全地帯は地球上に存在しない。そんなものはこれまでも存在しなかったのかもしれません。なぜなら平安は、人の意識によってしか生み出せないものだからです。キリキリと右巻きに締めつける人の意識・私利私欲や独善的な振る舞いが、災害という反動的な暴力を生み出しているとしたら、平安もまたわたしたちしか生み出せないわけでしょう?

ものすごくわかりやすい例が北アメリカ大陸にあります。アメリカもカナダも、わたしは行ったことはありませんが、この大陸を二分する両国は国境というたった一本の線を境に、対照的な世界を作り出しているそうです。かたや国民の大部分が銃で自衛する犯罪国家。それに対してもう一方は、自衛はおろか、家には鍵もかかっていない。でも泥棒は少ないし、殺人事件も隣国にくらべたら皆無にちかいのです。災害のニュースも聞こえてきません。

両国とも成り立ちは似たり寄ったり。いずれも先住民を追いやって住み着いたヨーロッパ系が過半数を占め、気候もそれほどちがわない。それが200年かそこらでこうまでちがってしまったのです。これこそ人の意識のなせるワザ以外のなにものでもないでしょう。

他者に与えた恐怖はそのまま自らの心に巣くって大きくなってゆきますし、他者から奪った富や食糧は体を腐らせ、次から次と難病を生み出します。そして度重なる自然災害は横取りしようとしているエネルギーのせい?それはどうかわかりませんが、災害というものの起爆装置をこちらが握っているとわかっていたら、わたしたちもむやみに恐怖や混乱に陥ることはないのでは・・・。

環境はわたしたち、ひとりひとりが心の中に作るもの。そう思ったら、わたしたちがどこにいようと、そこがもっとも安全なところになります。わたしが寝ているところなど、ときどき雨漏りすることはあっても、床下に山羊がいて、隣室に犬がいて、布団の上には猫もいて、こわいものなどなにもないんですから・・・。

今週の野菜とレシピ

週末に大雪という予報が出ていたので、今週は念のため、畑の中でもビニールトンネルを被っているものだけを用意しました。結果的には雨で終わってくれましたが、小松菜・ほうれん草は申しわけありませんが、来週までお待ちください。

チンゲン菜はさっと湯通ししてから炒めると、やわらかく、食べやすくなります。湯がいてから水気を切って、まだ熱いうちにバターをからめ、塩・胡椒で調味した温サラダもおいしいですよ。

京菜は一夜漬けにしてみましょうか。1センチ弱にきざんで塩をふり、しんなりしたら塩分をさっと洗い流してしぼります。きざみ昆布と鷹の爪、それに

同量の醤油と味醂を加え、重しをのせてひと晩おくと即席のおみ漬けのできあがり。あったかいご飯によく合います。

じゃが芋が男爵からメイクイーンになりました。メイクイーンは煮くずれしにくく、味もしみやすいので煮物に最適。横畠さんのメイクイーンはとても甘みが強いので,砂糖も要らないくらいです。湯がいて塩をつけただけでもおいしいので、たまにはこんなおやつも・・・。意外に受けるかもしれませんよ。

寒い毎日が続きます。青ものをたくさん食べて、身体をあたためてくださいね。