太陽と新世紀

2005年12月第4週

今年最後の通信です。あっという間の一年でしたね。

年々、時間の経過が早くなっていくように感じられるのは、加齢のせいだとは思うんですが、若者までがそんなことをいっているのを耳にすると、ほんとに一日・一時間が短くなってきているのでは、と疑いたくもなってくるでしょう?わたしの記憶では、学生時代なんて、いやになるほど一年が長く感じられたのに、今や小学生までがそんなことを口にする。それだけかれらの生活も、習い事などで忙しくなっているのかもしれません。

いろんなところで子供が犠牲になっていますしね。子供が殺されるということは、未来が否定されることにほかなりません。ただでさえ少子化で、未来像が描きにくくなっているのに、その貴重な絵の具が一本、また一本と泥を塗られて消えてゆく・・・。今世紀はどこまで行ったら、世紀末の呪縛から解き放たれることができるのか。今年もついに新世紀にはなれなかったんだなあ、とため息まじりに幕を閉じることになるんでしょうか。

新しい世紀になって、劇的に変わったことといえば、太陽がまぶしくなったこと。もともと太陽はまぶしいものでしたが、年々それが強くなるので、この夏、ついにサングラスを購入しました。それでもまぶしい。朝夕、太陽が低い位置にあるときなど、車の運転がこわくなるぐらいです。逆光では、サングラスをしていても信号の色がわからなくなるのですから・・・。

太陽のフレア活動が盛んになると、光が強くなる反面、影も深くなる。その影の部分ばかりがニュースになるので、上記のような厭世的な気分になるのかもしれません。でも、地球自体は活力を得ているとみえ、マグマの動きも活発になってきています。それじゃちっともいいことはないじゃないか、といわれそうですが、この星に元気になってもらわないことには、わたしたちも健全にはなれませんものね。土台が軟弱になっていたのでは、いくら国が栄え、国民が裕福になったところで、砂上の楼閣にすぎないのです。

太陽から送られてくる電磁波も増大していますから、計器の故障による事故が多発。コンピューターの誤作動も多発しているようです。これも人類にとっては危険きわまりないことですが、自然界にはプラス要因になっているのかもしれません。このアンバランス。自然界にとっての朗報が、人類の不幸になるような状況がくつがえされて、地球の喜びがそのまま人類の幸福となるような、バランスの回復した世界。それこそが新世紀であり、それを推進するために太陽系宇宙の支配者たる太陽がその力を強めている。そんな気がするようになってきました。

ともあれ、来年はどんな年になりますか。どれだけわたしたちの意識が変わり、大きな目で世界の変化を見届けられるか。世界中で起こることから顔をそむけず、いいこともわるいこともひっくるめて甘受できるか。今年に引き続き、そんなことが試されそうな気がするのですが・・・。子供だけでなく、じつは大人も育ち盛り。身長は去年と変わらなくても、目線の位置は変えられます。たとえ数センチでも、来年はもっと大きくなっていたいものですね。

今週の野菜とレシピ

今年最後の野菜セットは、にんじん大根ごぼうと根菜類を充実させてみました。

ごぼうといったらきんぴらですが、クリスマスシーズンでもありますし、今回はちょっと趣向を変えてみましょうか。ごぼうのポタージュ。ごぼうは太めのもの1本を1センチぐらいに切っておきます。玉葱1個は薄くスライス。じゃが芋は大きめのサイコロにして、ベーコン50グラムは1センチぐらいに切っておきます。オリーブ油で玉葱をしんなりするまで炒め、ベーコン、ごぼう、じゃが芋を加え、ひたひたより多めの水でやわらかくなるまで煮たら、すこし冷ましてミキサーにかけ、ふたたび鍋にもどして塩、胡椒。器に分けてから、生クリーム少々をたらします。ごぼうの香りが食欲をそそりますよ。

ごぼうを洗うときはタワシなどを使わず、やさしく手か布で泥を落としてくださいね。ごぼうは皮を落としてしまうと、栄養価がほとんどなくなってしまうからです。アク抜きもとくに必要はなく、それで料理の味が左右されることはありません。

残ったごぼうはピーラーを使って、パスタのように薄くして、ひたひたの水でやわらかくなるまで煮たら、鍋にオリーブ油とアンチョビを少々。アンチョビがどろどろになったらごぼうを入れて、塩、胡椒で調味します。これも仕上げに生クリームをからめてホワイトクリスマス。ごぼうと生クリームって、ほんとに相性がいいんです。

ほうれん草と牡蠣のグラタン・手抜き版。ほうれん草はさっと湯がいてバター炒め、というよりフライパンでバターをからめる感覚で、濃いめに塩、胡椒。牡蠣は塩水でよく洗い、汚れを取っておきます。耐熱プレートにほうれん草を敷き、その上に牡蠣を並べたら、生クリームをたっぷりかけ、チーズもふってオーブンに・・・。ベシャメルソースを使うより簡単で、牡蠣がふっくら仕上がりますし、口あたりも意外にあっさりしています。

今年もささやかなクリスマスプレゼント、ロリエの小枝が入ります。わが家には5本の月桂樹がありますが、その中に1本、とくに香りの強い木があって、そばを通っただけでプーンと甘い匂いが立つぐらい。その枝を毎年、坊主になるぐらい落としているのですが、この時期になると元通りどころか、ほかのどの木より大きく枝葉を茂らせてくれるのです。ほんとにありがたいと思います。小枝はキッチンでそのまま乾燥させ、次の暮れまで、シチューやスープ作りにお役立てください。

この一年もほんとうにありがとうございました。新年は9日~14日の週にお目にかかります。来年もどうかよろしくお願いします。