最近の事件と太陽活動

2005年2月第2週

寒い日々が続いています。空気が乾燥しているため、風邪も流行りはじめたようです。

霜柱が立って、歩くたびに地面がバリバリ音を立てます。朝、この音を聞きながら犬と散歩していると、すがすがしい気分になります。やっぱり冬はこうでなくっちゃ・・・。歩きまわっているうちに日も高くなり、汗ばんできますから、これぐらい寒いほうが好都合。暖冬では汗が流れるほどになりますから、逆に風邪をひいてしまうのです。

昼ちかくなると霜柱が溶け、それがぬかるみ状態になります。猫が出入りするたびに家の中が足跡だらけ。これは困りもので、悩みの種なんですが、畑ではそのぬかるみが乾燥してパウダー状になっています。霜は天然の耕耘機でもあったんですね。

さらさらになった土の上に、無数の足跡をつけているのが、乏しい青ものをついばみに来た野鳥たち。それを狙って出没するものもいて、朝、畑のそばを通りかかるとツーンとキツネのおしっこが鼻をつきます。羽根が散らばっていると犠牲者が出た証拠。

先日、山の中でカラスの羽根が散らばっていたのにはびっくりしました。羽の根元が噛み切られたようにギザギザになっていましたから、まちがいありません。カラスのような鳥でも殺られることがあるんだ、と記念にその羽根を持ち帰ったのですが・・・。

山鳩の羽根が落ちているのは見慣れた光景で、出くわすたびに、これが去年アラレちゃんとふたりで育てたピイちゃんではありませんように、と思うのですが、だからといって山鳩もカラスもかわいそうだとは不思議と思えないのです。残酷ではないからです。残酷というのは、生命活動とは無縁なところでおこなわれる殺生のことでしょうからね。

一方、毎朝のように庭先に姿を見せる山鳩のつがいがいて、声をかけると飛び去ってしまうのですが、わたしはあれがピイちゃんだと確信しています。といいますか、わたしが出会う山鳩のすべてがピイちゃん。もちろん、生きているものにかぎってですが・・・。無数のピイちゃんが、無数のカンちゃん(カラスの名前)に襲われないよう、そして無数のカンちゃんたちを捕獲しては殺しているどこかの知事が、早くいなくなってくれますよう、ひそかに願ってるんですけどね。

東京都では、カラスが減ってきたかわり、今度は鳩が異常繁殖しているそうです。天敵がいなくなったわけですから、増えても当然なんでしょうけど、今度はそれも捕獲するのかな。アホな人間が生態系に手出しをはじめると、それは無限地獄となって、アガサ・クリステイーじゃないけど、そしてだれもいなくなった、ということになるんじゃないかしら。

オオスズメバチに刺されたら一大事、というわけで駆除したら、アブが大発生。天敵がいなくなったのでキイロスズメバチも増え、養蜂家の生活をおびやかすようになりました。そんじゃキイロスズメバチもやっちまえ、と駆除すると、今度はハエが激増するという悪夢。悪循環の見本みたいな話です。

レイチェル・カーソンが「沈黙の春」の中で報告していた火蟻の駆除。これは南米から入ってきた蟻の一種で、刺されると火がついたように痛く、スズメバチ同様,抗体ができてしまうと二度目には死に至ることもあるそうです。事実、年間に数人が亡くなっているというので、大規模な薬剤散布をしたところ、絶滅の危機に瀕した火蟻はそれに対抗。ひとつの巣に一匹しかいなかった女王を複数にしたうえ、農薬に対する耐性までつけてしまった。年間、数人だった犠牲者は数十人に膨れあがり、立ち入ることもできなくなった農地は今も増え続けているといいます。

日本にも数年前、米軍基地の物資について上陸したとかで、話題になったことがあります。その後、なにも話を聞かないところをみると、火蟻たちは静かに暮らしているのかな。それとも繁殖する前にやられてしまったんでしょうか。先日、新聞を見ていたら、好ましくない外来生物リストの中に、タイワンザルやオオグチブラックバスなどいっしょに火蟻の名前もありましたから、元気にしてるみたいです。

それにしても、これが大の大人のやることか、と思いたくなるような話ばかりで、あっちでもこっちでも製薬会社がひとり、ボロもうけしてやがる。で、上記の愚挙をかんがみれば、おのずとテロ対策などというものの浅はかさも浮かびあがってくるわけで、最小限の被害を無限に拡大することが政治というものだとしたら、税金などだれが払うか、という気になっても不思議はないのでは・・・。今月も延滞料のついた年金やら地方税、なかなか払えそうにないんだけど、しかたがありませんよねえ。

今週の野菜とレシピ

京菜もほうれん草も、今週が最後になりそうです。通信にもあるように、霜で枯れたところがあったり、野鳥のお得意さんがついたりで、予定より早くなくなってしまいました。

リーフレタスはハウスなので、丸々肥えていますが、生食にこだわらず、スープの浮き身などにもご利用ください。しめじを油炒めして、塩、胡椒、醤油少々で調味したところで火から降ろし、レタスをちぎって加えます。半生のレタスというのもおいしいもので、レモン汁をかけてお召しあがりください。

さつま芋もこれが最後。畑ではイノシシの食害に合い、堀りだしてからはネズミの食害と、生産者は気の休まるときがなかったようです。最後の納品をしながら、これで枕を高くして眠れる、と冗談まじりにいってましたが、いつもなら3月いっぱいまで出荷しているものが、今ごろなくなってしまうわけです。経済的には大変なんだろうな、と思いました。

さつま芋は、箸よりふたまわりぐらい太いステイック状にして素揚げ。粗熱が取れたところでもう一回揚げて、熱いうちに塩をふります。これはおやつに最高。さつま芋はどうも、という男の人もこれには自然と手が出るみたい。ぜひやってみてください。

Bセットには大根が入りますが、地表に近いところが連日の霜で凍結。内部が変色しているので、半分にしてもらいました。好子さんは、これでは商品にならないから、と辞退したのですが、せっかく甘みが出ているのにもったいないので・・・。下ろしても、煮物にしてもおいしいと思います。