災害ってなに?

2005年7月第3週

先週はちょっと気温が上がると、夕刻にはすさまじい雷鳴と豪雨になりました。それが夜中になっても止まないことが・・・。河川の水量もかなり増えているようなので、そんなときはひやひやさせられますが、長かった梅雨も今週あたり、明けそうな気配です。

わが家は山の上にありますが、事務局は低地にあって、20年近く前の洪水では水没した地帯。もともと田圃があったところですが、今は新興住宅街になっています。古くからある家は、基礎を高くして水害に備えていますが、新しく建てられた家並みは規格通り。他人事ながら気になりますが、作業場が土間になっている事務局はもっと深刻かもしれません。

夕立があるたびに、先週ご紹介した本に倣って「今回も浸水を免れることができました。ありがとうございました」と、先回りして感謝することにしています。以前は夕立のたびに、裏口から雨水が入っていましたからね。それがなくなったのは、コンクリートで固められた裏口を砂利に変えてもらったせいか、土嚢作りをしたせいか、はたまた言葉の魔力なのか・・・。

夕立程度なら砂利や土嚢も有効ですが、大水になったらほんとうに言霊の力だけが頼り。でも、不思議と不安はないのです。もしかしたら災害などというのは、わたしたちの不安や猜疑、恐怖といったマイナスのエネルギーが生み出しているのかもしれませんね。

台風が来たら、ありがとう。グラッときても、ありがとう。お金をかけてあれこれやっても、自衛というのは貯金とおなじで、やればやるほどいざというとき、これでほんとうに大丈夫だろうか・・・。持てば持つほど恐怖感や不足感に悩まされんじゃ、そんなもの持たないほうがいいどころか、かえってマイナスじゃない?

それぐらいなら、身体ひとつで「ありがとう」といってたほうが、よほど自由だし安全です。実際、山の中でヤブ蚊に取り巻かれたときなど、ありがとう、ご苦労さんというだけで、ほとんど被害がないのですから・・・。防虫スプレーをシューシューやって、腰から蚊取り線香を下げたところで、蚊もブユもかならずスキをついてくるし、逆にこちらが薬品アレルギーになりかねません。

無防備こそ最大の防備、とは常々いっていることですが、いちばんだいじなことが抜けていたようです。言葉を発することによって作られる、こちらの心理状態。心内環境とでもいいましょうか、それがクリーンでなくては意味がなかったんですね。CO2をはじめ、環境問題がよく話題になりますが、地球環境を思い悩むヒマがあったら、まずわたしたちの心内環境。こちらの浄化のほうが先決ではないでしょうか。そしてこちらがクリーンになれば、なにもしなくても地球は自然と浄化されてゆく・・・。

そんな気がするのですが、台風も地震も火山の噴火もみんな、思えば地球の自浄作用。たまにはアクビもしたいだろうし、クシャミが出ることだってあるのです。それを地表で好き勝手なことをしている寄生虫みたいな連中が、災害などと敵視すること自体、本末転倒。そのあたりの発想が、そもそもの躓きだったのかもしれません。

自然を畏れ、敬う気持ち。それがあれば、無理な造成地もできないし、山の樹木も大規模には伐採されないでしょうから、被害も最小限。台風や地震はあっても、災害などという言葉は生まれてなかったかもしれません。

そういう気持ちがなくては、農業も成り立ちません。自然をねじ伏せるように薬剤や化学物質に頼った農業が、逆に人体をむしばむような作物しか作れなくなったのは、みなさんもご存じの通りです。雨も日照りも、同様にありがたい。わたしたちもつい忘れがちな、このあたりまえのことに感謝さえしていたら、植物にもそれが伝わります。のびのび生育すると同時に、過酷な条件を乗り越えるパワーをも身につけることができるんですね。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんの枝豆が入ります。これはもう、なにも申しあげることはありませんね。塩茹でして、大豆の甘みを堪能してください。

今、わが家で流行っているのが揚げ茄子のサラダ。茄子を輪切り、またはオトナの親指ぐらいの大きさに切って素揚げ。揚げたてを生姜醤油で食べるのが最高ですが、それが余ったのでやってみたら好評だったのです。玉葱ピーマンはみじん切り、トマトも1センチ角ぐらいに切って梅醤油で和え、それを茄子にかけるだけ。あれば青トウガラシもきざんで加えると美味。ただし、もともとが残りものを利用したものなので、茄子はあらかじめ揚げてから生姜醤油をからめ、冷蔵庫で冷たくしておいてくださいね。

インゲンは揚げても、炒めても、さっと湯がいて胡麻よごしにしても、なんでもOK。両面をこんがり焼いた鶏の手羽肉といっしょに煮ても、コクがあってボリューム満点。醤油とオイスターソースで味をつけ、唐辛子で全体をひきしめてください。

空芯菜は東南アジア原産の夏野菜。そのせいか、暑いときにあつあつを食べても食感がよく、不思議と身体が熱くなりません。ニンニクといっしょに油炒めするのが一般的で、台湾料理では豚のバラ肉もいっしょに炒めたのが出てきます。味つけは塩と胡椒でさっぱりと・・・。仕上げに醤油を少したらしてもおいしいですよ。

来週はモロヘイアオクラといったネバネバパワーの野菜たちが登場します。気温が30度を超えると、ゴーヤが恋しくなってきます。順調に育っているといいですね。