大きな地震でもあるのかしら

2005年11月第4週

紅葉シーズンたけなわ。といいたいところですが、ここ数年、晩秋になってもなかなか気温が下がらないため、色づきがよろしくありません。冷夏の年も色が冴えませんが、暑い夏とその後の冷えこみが、紅葉があざやかになる条件なのだそうです。

いつまでも葉が青い。それどころか猛暑で樹木が疲れ果て、色づく前に葉が枯れてしまうところもあるようです。山を背に暮らしていると、樹木たちの負担など、それほど気にもなりませんが、みんな苦労していたんですね。とくに道路わきの街路樹などは、もう息も絶え絶えなのかもしれません。

植物の恩恵は、毎朝の犬の散歩でもよくわかります。真夏、道路わきでは犬が顎を出しそうな時間帯でも、裏山に入るとひんやりします。真冬もそう。風が冷たくて、耳が痛くなるような早朝でも、山の木が風をさえぎり、陽光だけを通してくれるのです。いってみれば天然の冷暖房装置。

そういう装置をどんどん壊して、石油で代用するようになれば、だれもが息苦しくなってきます。その石油だって、太古の植物たちが残してくれたものなんですけどね。衣食住、すべての面で植物のお世話になっているのに、ついついそれを忘れがち。地球に一番乗りした植物が、せっせと酸素を作り出してくれたからこそ、今のわたしたちがあるということも、忘れてはならないと思います。

事務局での会話。

最近、どういうわけか、よくヘビが脱走したというニュースを耳にします。それも大型のヘビばかり。まあ、大型だから話題になるんでしょうけど、ペットブームでニシキヘビを飼う人が多くなったとはいえ、数年に一度、あるかないかの事件がこうも頻発するのはなぜ?それも夏の暑いときならともかく、この寒空に、寒さには弱いはずのヘビがなぜ逃げ出してしまうのか。

きっとなにか、人間には感じられない電磁波を感じ取っているんだろうね。だからじっとしていられない。でも、逃げ場なんてどこにもない。かわいそうにねえ。結局、寒さで動けなくなってしまうんだから・・・。というような会話を経て、野生動物をペットにすることの罪深さに、最後には行き着くのですが、いったいヘビはなにから逃れようとしているのか、という疑問のほうは手つかずのまま。

口に出したら、それが現実になってしまう不安みたいなものがあるのかもしれません。このあたりでも最近、地震が多くなっていていることですし・・・。逃げ場がないのは、ヘビだけではなかったのです。でもね、物欲があるから物が壊される。地震や嵐はそのために財産ばかりか、生命まで奪ってゆくのですが、教訓として残されるのは場当たり的な防災対策だけ。災害という名づけようひとつ見ても、そこにあるのは被害者意識で、こちらが作り出したものという認識はかけらもないのです。

大きな揺れで真夜中に起きだしても、やたらとあちこちで防災グッズを見かけるようになっても、そういうもので自衛しようという気持ちにはなかなかなれないのは、上記のような理由から。せいぜい、日ごろのおこないよくするぐらいでしょうか。ささやかではあるけれども、それが最大の防災対策ではないか、と思うからです。

もしもわが家のペットが異常行動を起こしはじめたら、慌てず騒がず、静かな気持ちでその瞬間を待つ、ぐらいの気持ちでいたいもの。グラッときたら、すかさず「ありがとう」というのも手かもしれません。これはすべての厄を福に転じる、魔法の言葉ですからね。でも、とっさのときにそれが出るのは、やはりふだんのこころがけなんでしょう。

今週の野菜とレシピ

好子さんのキャベツがひさびさに登場しました。小ぶりですが、やわらかいキャベツなので、生でも煮ても炒めても、お好きなようにしてください。

しめじはバターかオリーブ油で炒めて、塩、胡椒。香りづけに醤油少々とレモンの絞り汁をかけると、風味がよく、パスタにもご飯にもよく合います。また、いい出しが出ますから、ほうれん草や小松菜と炒めてもおいしいですよ。

ネギの青葉は薬味に使えますが、ごわごわしているものや枯れかかっているところは、そのまま乾燥させておいて、鶏ガラやスネ肉のスープを取るときに使えます。牛のスネ肉と大根のスープ、絶品です。

また、胡麻油でじっくり揚げるとネギ油になり、これは中華風スープや麺類の香りづけに・・・。白いところを2~3ミリの角切りにして、茶色くなるまで揚げたものも、時間のあるとき作っておくと便利です。これを少し入れるだけで、ラーメンやワンタンスープがプロの味になる。ホントです。

今週はしめじが入りましたが、馬田さんの椎茸もようやく品質が安定してきました。これから量産に入りますが、みなさんにお届けできるには2週間ぐらいかかりそうです。その間、いろんな椎茸を使ってみましたが、原木栽培のものであっても、馬田さんの椎茸にはかなわない。あの香りがしないんですね。そんなわけで、わたしも椎茸の復活を心待ちにしています。