お酢の効用

2006年6月第3週

今週の野菜セット

低温続きのせいではないと思いますが、時ならぬ風邪をひいて、先週はダウンしてしまいました。6月も半ばになって、インフルエンザの生き残りにひっかかることがあるんですね。世相同様、油断も隙もなくなってきたのかもしれません。

ま、気を引き締めて行きましょう。インフルエンザの魔の手はさすがに心配ないでしょうが、一年中でもっとも食べ物が変質しやすい季節。食中毒にはくれぐれもご用心くださいね。

お弁当を作る人にはとくに頭の痛い季節です。おかずの味を濃いめにつける。梅干しを入れる。笹や葉蘭、南天の葉など、防腐効果のあるものを利用するのもいいかもしれません。

スーパーなどでお刺身を買うと、笹の葉といっしょに菊の花が入っています。あれもじつは生魚の劣化を防ぐためだったんですね。そして菊の花といっしょに食べると、食中毒を起こさない。それも今はプラステイックが多くなって、形骸化していますが、冷蔵庫が普及する前はとても大事なことだったんです。

食用酢をアトマイザーに入れておき、弁当箱を洗ったらよく乾かしてお酢を噴霧。そうしてひと晩置くと、翌日には匂いもなくなって、無菌の弁当箱が使えます。もちろんまな板も・・・。とくに木のまな板は、お酢の漂白効果で見た目もきれいになりますよ。

冷蔵庫の中なども、じつは好冷菌が繁殖していたりするので、お酢で庫内を拭いておくといいかもしれません。消臭効果もありますから、肉や魚の臭いが牛乳につく、なんてこともなくなります。

梅雨時は排水口の臭いも気になりますが、これは重曹とお酢を使えば一掃されます。ジュワーッと泡が立ちますから、数分後に洗い流せば汚れが一掃され、いやな臭いもなくなります。浴室のタイルのカビなども重曹をかけ、タワシでこすればきれいに取れるので、除菌・消臭・防カビなどをうたい文句にした薬品など、使う必要はありませんからね。

今年はちょっとしたアクシデントのおかげで、本醸造の米酢がとても安価で入手できました。福島の太田酢店という古いお酢屋さんの土蔵の壁が、今年はじめの地震で一部損壊。寝かしてあった米酢の樽に、その壁土が混入してしまったそうです。そんなわけで食用として販売できなくなってしまった分を、今回とくべつに農業用として分けてもらったんですね。

実際に使ってみると、とてもきれいなお酢で、食用としても差し障りがないぐらいなのですが、これは農業用だけではもったいない。家庭用にも使えるぞ、ということでやってみました。月に一度、洗濯機の洗浄にカップ1杯。トイレ掃除や拭き掃除にも、この価格ならためらうことなく使えそうです。

2リットル:800円、4リットル:1500円でお分けしていますので、電話、またはFAXでお申しこみください。尚、容器はちかくのスーパーの飲料水用のボトルを利用していますが、極力よけいな出費をなくし、安価で安心できるものをお届けしたいという趣旨をご理解ください。

室内のカビ取りには、アトマイザーで壁面に米酢を噴霧して、さらに米酢を含ませた雑巾で拭き取ると完璧です。米酢特有の臭いも窓を開けておくと、天気のいい日なら数時間で消え、家の中がすっきりさわやか。衣替えを利用して、箪笥のひきだしやクローゼットの内側なども、この際ですから念入りに掃除してはどうでしょう。どんなに注意深く収納しても、箪笥に入れっぱなしにしておくと、衣類に雑菌が繁殖し、特有の臭いがつくものですが、それもこれで予防できます。

今週の通信は実用本位。なぜかというと、日曜日も雨で庭仕事ができず、しかたがないのでカビ臭くなった家の中を大掃除、なんてことが続いているせいですが、そのときこの米酢が大活躍してたんですね。

雨が続くと、山羊もウサギも退屈そうで、よく家の中に遊びに来ます。そんなとき、こちらが掃除などしているもんですから、ヘエ、珍しいこともあるもんだ、という顔をされるのですが、気がつくとウサギのモモがお酢の入ったアトマイザーの口をなめていたりする。山羊のユーリも酢は大好物で、夏になると酢と海草エキスを混合したものを与えるのですが、これは虫除けのため。犬猫もかれらみたいにお酢をなめてくれたら、得体の知れないノミ取り薬やら、フイラリアの予防薬など必要ないのに、といつも思うんですけどね。

そんなわけで、今年から犬猫の飲み水にも酢を混ぜてみることにしました。あまり入れすぎると敬遠されるので、ほんの少量ですけどね。どれぐらい効果があるのか、暑くなるのを楽しみにしているのですが、案外、今年は冷夏だったりして・・・。気象庁もそんなことをいいはじめているようですが、梅雨が明ければうんざりするほど暑くなる。かならずや、この曇天の日々をなつかしく思い出すほど、暑い暑い夏が来る、とわたしたちは確信しています。

今週の野菜とレシピ

先週に引き続き、キャベツが入ります。今度はけっこう大型です。

大根も先週に比べたら大きくなりました。この時期、事務局でよく作るのが大根餅。中華風スナックです。まず、鰹節か煮干しで濃いめの出しを用意。それから大根をマッチ棒ぐらいに切って、塩をしてしんなりさせてから、ぎゅっとしぼって水気を切ります。ボウルに同量の小麦粉と片栗粉を用意。それを出しでのばして、てんぷら用の衣よりちょっとかためにしたところへ大根を入れ、胡麻油を敷いたフライパンで両面こんがり焼きます。表面はカリカリですが、中はモチモチ。あつあつを芥子醤油でいただきます。小腹がすいたとき、夜食などにもいいですよ。

かぶはぬか漬け、即席漬け、またはスープに。きゅうりも同様。きゅうりのスープというと変な顔をされますが、ザー菜ときゅうりをきざみ、さっと煮て卵でとじるとさっぱりして美味。ザー菜からいい出しがとれ、そのうえ塩分や辛みまでザー菜任せ。仕上げに足りないところを醤油で補い、胡麻油を少量たらすと、とてもそんな手抜き料理とは思えないぐらいです。

春菊は胡麻和え、おかのりはかき揚げかおひたしで・・・。

モロッコいんげん。ふつうのインゲンより大きく、平べったいのが特徴です。スジがないので、そのまま使いやすい大きさに切って煮るなり、炒めるなり、湯がくなり・・・。細かく切って、ひじきといっしょに炒めてもおいしいですよ。