餅つき

2006年12月第3週

今週の野菜セット

左上から時計回り

とうとう今年最後の野菜セットになりました。

くどいようですが、早いものです。一年間の時間の流れも、正月から春まではゆっくり、それから夏にかけて加速され、夏が終わるころには駆け足になるようです。そして年末がラストスパート。もう、なにがなんだかわからない。がむしゃらに走り抜いて、正月というゴールにどっと倒れこむという感じです。

だから正月にはすべてが緩んで、飲み放題、食べ放題。寝正月というのもうなづけます。一年のはじまりに襟を正すというのも大事でしょうが、これを機に、ぎゅうぎゅうに締まりきったゼンマイをだらりと緩めておくというのも、それ以上に大事なことかもしれません。ま、おたがい、正月ぐらいのんべんだらりと過ごしましょうね。

が、今はラストスパートの真っ最中。身体をこわすわけにはゆきませんから、週末、とくに念入りなマッサージを受けてきました。三時間かけて足ツボから全身、顔と頭まで・・・。それから整体となりますが、拷問のような痛みがあるにもかかわらず、身体はすっきり。これで残り二週間を乗り切ります。

みなさんも適度にメンテナンスをしながら、風邪などひかぬよう、年を越してくださいね。このところ、関東地方は雨が多いおかげで、インフルエンザの流行は耳にしません。お湿りに感謝しながらも、どうか餅つきの三日間は晴れてくれますように、と祈っているしだい。準備も着々と進んでいて、今や秒読み体制です。

一年間でもっともハードで、もっとも楽しく、もっとも気が抜けない行事を前にして、農家もスタッフも緊張気味ですが、この二十年、餅つきの日に雪がぱらついたことはあっても、雨に祟られたということはありません。もし雨が降ったら、それは天罰。わたしたちの活動が軌道から外れていることを意味しますから、そうなったら益子GEFは解散、という暗黙の了解があります。

それがあるので、いやでもこの時期になると緊張が高まるのですが、年の終わりに餅つきという祭りをしながら、存続の可否を問う。一年間の通信簿をもらう気分で、一見非科学的かもしれませんが、農家とスタッフが私利私欲に走らず、初心を忘れないという点で非常に有効で、わたしたちをひとつにまとめ、制御する役割を果たしています。

今年はどんな通信簿が届くでしょう。ぽかぽかと、餅のつき手が汗ばむぐらいの陽気になれば二重丸。適度に風が吹けば○ですが、強風なら×。餅つきを終えたとたん、雨が降り出したこともありますが、あの年はぎりぎりセーフだったんでしょうね。雪は雨とおなじようなものかもしれませんが、水分が結晶化されているので、意味合いががらりと変わります。吹雪は困りますが、餅をついているところへ青空から風花のような雪が舞えば、奨学金でももらった気分で、餅をつく風景も絵になります。

そんなわけですから、今週末は益子GEF上空のお天気がよくなるよう、みなさんもいっしょに祈ってくださいね。

今週の野菜とレシピ

なにかと忙しい年末は鍋もので、というわけで白菜が入りました。それも今回は丸ごとです。前回のように半分にすることも考えましたが、今週を最後にしばらく野菜セットがなくなるので、保存のきく白菜で間に合わせていただこう、というわけでそうなりました。

白菜は半分に割ってしまうと日持ちがしませんが、外側からすこしずつめくるように取ってゆくと、来年になっても使えます。乾燥しないよう、新聞紙に包んで、暖房のとどかないところで保管してください。

ネギ春菊椎茸と鍋ものには欠かせない野菜もいっしょですが、白菜だけの鍋もあります。前にもご紹介した中華風の白菜鍋です。鶏もも肉と豚バラ肉、それに干し椎茸と春雨を用意。干し椎茸はぬるま湯でもどし、もどし汁は食べやすい大きさにした肉類といっしょに煮ます。十分に出しが出たところで、ざく切りの白菜を加え、細かく切った干し椎茸もいっしょに煮ます。この鍋は白菜がくたくたになったぐらいのほうがおいしいので、白菜がやわらかくなったところで春雨をハサミで切りながら加えます。春雨はやわらかくしてから加えてもいいのですが、乾燥したままのほうが出しを吸っておいしくなります。そのかわり出しはたっぷり用意しておいてくださいね。

味つけはしません。テーブルに塩と一味唐辛子を用意しておいて、味つけは各自、自分流に・・・。取り鉢にスープをすこし取って、そこに塩と唐辛子を入れ、白菜をつけながら食べていただきます。肉類はダメという方は、昆布と椎茸で濃いめの出しを取ってください。そのほうが白菜の甘みがよく感じられるかもしれません。

年明けは八日から発送を開始します。

この一年もありがとうございました。来年もどうかよろしくお願いします。