水の使い方、これでいいの?

2007年7月第1週

今週の野菜セット

左上から時計回り

梅雨前線から取り残されたような関東地方。集中豪雨で床上まで浸水しているところがあるかと思えば、このように空梅雨のところもあり、なかなか思うようにはゆきません。

人間が好き勝手なことをしているうちは、こっちも気まぐれにやってやる。そんな声がどこかから聞こえてきそう・・・。これまでさんざん堪え忍んできたんでしょうからね、今度はこちらが耐える番なのかもしれません。

渇水といっても、このあたりはまだ水道の栓をひねれば、いくらでも水が出てきます。取水制限をしている地方にくらべたら幸運で、気がかりなのは愛媛にいる野口さん。柑橘類が花をつける時期ですから、渇水は来年の収穫に大きく響きそうです。

蛇口をひねれば、あたりまえのように水が出る。そんな贅沢な暮らしができるようになったのは、ここ百年ぐらいのことだと思いますが、たった百年でもそれまでの数千年の苦労など、あっという間に忘れてしまい、ちょっと水の出がわるくなると、インフラの不整備に腹を立てたりするものです。

わたしにも覚えがあります。十年以上前のことですが、近所の小学校が水道局に連絡しないで、プールに水を入れてしまったんですね。新任の教師がうっかりやってしまったそうですが、それからが大変。わが家の一帯が数日にわたって断水し、給水車のお世話になったのです。

わたしが住んでいるところは山の中なので、町営水道が直接ではなく、いったん山の中腹にある浄水所を経由するため、そういう事故になったのですが、小学校が詫びのひとつも入れず、だんまりを決めこんだので住民の怒りが爆発。わたしも腹を立てていましたが、水道から水が出るようになったときの喜びといったら・・・。ありがたさが身にしみたものです。

同時に、トイレや洗車に使う水が罰当たりに思われるようになって、トイレを流すたびに、ああ、もったいない。だってこれ、飲み水なんですものね。車を洗うのは雨水を溜めたものにできても、トイレばかりはそうは行かない。節水型のトイレが普及しはじめたとはいえ、きれいな飲み水でウンコを流すという贅沢きわまりない状況に変わりはなく、お金はかかるかもしれないけれど、ここは大改革が必要なのではないでしょうか。

台所用のきれいな水道と、トイレや洗濯用、工業用水の二本立て。お金がないないといいながら、道路はどんどん整備されていくのですから、ちょっと意識を変えれば不可能ではないはずですし、遠くのダムから水を引っ張ってくることを思えば、はるかに経済的。先進国という呼称に甘んじている以上、それぐらいやってくれてもいいと思うし、世界中には飲み水も満足に確保できない人がたくさんいるのですから、これはやらなかったらほんとに罰が当たりそう・・・。

わが家には雨水を溜める桶がいくつもありますが、もっぱら洗車とプランター用。いつかもっと大きなタンクを用意して、そこに雨水を集中させ、風呂やトイレに使うという夢があるのですが、なかなか実現できないところを見ると、国や自治体とおなじレベルで、行政がお金のかかること、かかるわりには地味なことにはなかなか乗り出せないのも、わからないでもないのですね。

でも、いずれは着手しなければならないことに変わりはないのですから、うちの家計などよりはるかに裕福なところから、そういうことをはじめてもらいたいと思うのです。たとえばデパートなどの大型店舗。それが宣伝効果にもなりそうなところからやってくれれば、そのうち行政も動き出すと思うんですけど、どうでしょう。

四国の小学生たちが、米のとぎ水をペットボトルに入れて持参。花壇に水やりしている光景をテレビでみましたが、あれも一時的なものでなく、ニュースになどならない、ごくあたりまえの風景として定着すればいいんですけどね。

大量に食料を輸入しているこの国は、水の輸入国でもあるのですから、それぐらいの配慮があって当然でしょう。ご存じのように、農業には大量の水を使います。その水を工業用水に変え、その分、農産物は他国からの輸入に頼っているのですから、これは水の搾取ともいえるわけで、その国民が湯水のごとく水を使っていたのでは、おてんとうさまに顔向けできません。

この夏、各地で予想される渇水は、わたしたちに水という資源について再考をうながす、いい機会になるのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

今週はモロヘイアがニューフェイス。さっと湯がいておひたしがお手軽ですが、あのぬめりが苦手という向きはてんぷらで・・・。揚げるとぬめりが消えるだけでなく、独特の香りが出てきます。モロヘイアがきらいという家人も、かき揚げにするとそれとはわからないらしく、よく食べています。

麺つゆにきざんだ青唐辛子、または一味唐辛子を少量加え、そこに素揚げにした夏野菜を入れた揚げびたし。ズッキーニ茄子は輪切り、ピーマンは半割り、ニンジンが入ると彩りがよくなるので、これは小指大に切ってそのまま揚げ、熱いうちに麺つゆの中に入れてゆきます。できたてがおいしいのはもちろん、冷めて味がよくしみたものもおいしいので、わが家では大量に作りますが、なかなか翌日までは残らないおかずです。ひとり暮らしの人には最適。残った麺つゆはもったいないので、素麺などにお使いください。

ニンニクは夏場の料理に欠かせませんが、これを丸ごと低めの温度でじっくり揚げると、びっくりするぐらい甘くなります。枝豆のようにつるりと中身を押し出して、塩をつけて食べますが、特有のにおいもなくなるのでニンニクとはわかないぐらい。子供が小さいうちは、これをニンニ栗と称して食べさせていましたが、もうそれぐらいにしておいたら・・・というぐらい、よく売れました。ビールのつまみにもなりそうです。

来週はかぼちゃが入ります。好子さんの枝豆、とうもろこしも順調に育っているようなので、お楽しみに・・・。