紅葉シーズン

2007年11月第3週

今週の野菜セット

左上から時計回り

霜月も半ばになりました。が、未だ霜の降りる気配はなく、太陽が顔を出せばポカポカ陽気。低気圧が接近すれば、今度はカエルの鳴き声が聞こえてきます。この時期にカエルの声なんて、ちょっと考えられないことですが、これもそのうちあたり前になるんでしょうか。

さすがに朝夕は冷えこむようになりましたが、日中がこれじゃあね。庭の隅では動きの鈍くなったヘビがエンストしていたりして・・・。これもほんとうなら、とっくに冬眠に入っているはずです。猫やカラスに見つかると事ですから、落ち葉でカムフラージュしてやりますが、その落ち葉がまたぱっとしない色合いで、紅葉を迎える前に暑さで灼けてしまったのです。

鮮やかな赤や黄に変色できるのは、体力・地力ともに好条件に恵まれたものにかぎられ、そうでなければただ枯れてしまうだけ。紅葉の名所といわれるところでも、日光のような寒冷地はともかく、京都あたりは依然として青葉が残っているそうで、そのうち紅葉狩りが師走の風物詩にもなりかねません。

頑強な木々にとっては休眠期が短くなるだけの話かもしれませんが、生存を脅かされている動植物も多数あるはずで、かれらが死に絶えるにつれ、紅葉も年々色あせてゆくのかもしれません。ヘビやカエルも冬眠期間が短くなれば、睡眠不足になるんじゃないか。そうなると生命力が落ちはしないか。そんなことが気にかかる紅葉シーズンです。

ウサギもモモが姿を消して三ヶ月が経ちました。あんな小さなものがいないだけで、こうも庭先が殺風景になるものかと不思議なくらいでしたが、卵明舎の寺内さんの奥さんが気をきかして、知り合いで飼えなくなったウサギを手配してくれました。今度は二羽です。

子ウサギではありせんが、二羽ともオトナになったばかりという年格好。どちらもモモとおなじくミニウサギです。ベージュ色のほうがモカ。白地に黒い斑点があるのを豆大福と名づけましたが、モカは横顔がカンガルー、正面から見るとロバにそっくりという変な顔。豆は美形で、モモによく似ています。どうやらモカはオスらしく、しきりに豆大福にマウンテイングを試みるのですが、ウサギは増えるからねえ、今のうちに避妊しておいたほうがいいんじゃない、といわれてしまいました。今は室内に放していますが、春になればモモ同様、外に出してやるつもりなので、うちのまわりにはキツネもいればタヌキもいる。上空にはトンビも旋回していますから、増えたところで自然淘汰されるはず。それでも増え続けるようなら食べちゃう、といったら、ええーっと仰天されてしまいました。

野生の肉食動物の餌食になるだけでも十分残酷なのに、そのうえ食べるのか、といわんばかりの反応でしたが、ほんとうに食べるかどうかはともかくとして、これってそんなにえげつないことなのでしょうか。鶏や豚や牛は平気で食べるのに、日本ではあまり食べる習慣がないウサギを食べるといったら、信じられないといった顔をされる。そっちほうが変じゃない?

それはウサギがかわいい顔をしているからでしょうが、鶏だって飼っていればかわいいし、牛も豚も目を見てしまったら食べられなくなる。ウサギ以上に知能も高く、感情も豊かなかれらを食用とすることになんの躊躇もなく、かれらが置かれている刑務所以下の劣悪な環境にも配慮せず、やっぱり黒毛和牛はうまい、なんて能天気なことをいっている連中に、えっウサギを食べるの?なんて顔をされると、ほんとうは食べるつもりなどなくても、意地でも食べたくなってしまうんですね。

ただ、名前をつけてしまったものは食べられませんから、モカと豆は寿命をまっとうするでしょうけど・・・。

気の毒なのはうちの猫で、モモと仲良しだったメス猫はウサギの登場に大喜びだったのですが、モモは孤独でしたから猫と仲良くしてくれたけど、今度はつがい。猫が来ても知らん顔どころか、そそくさと逃げてしまうのです。ふてくされて、わざわざウサギの餌のわきに寝ころんだりしていますけど、そうすると今度は家人に怒られるので、ますます欲求不満になっているみたい。

かわいそうだけど、こればっかりはねえ。それに見た目も、肥満猫よりウサギのほうがはるかにかわいいし・・・。せいぜいダイエットでもして、ウサギ並みに軽快になってくれるといいんですけどね。

今週の野菜とレシピ

好子さんの白菜が出てきました。鍋物シーズンというには冷えこみ不足かもしれませんが、夕刻には風も冷たくなってきます。家族であたたかい鍋をかこみながら談笑すれば、イヤなことなど忘れてしまいますし、風邪の菌もどこへやら。土鍋は最高の魔よけグッズではないか、と思うのですがどうでしょう。

大根もすこしずつ大きくなって、おでんにしても恥ずかしくないサイズになってきました。もちろん、おでんも立派に魔よけになりますから、一週間のうちに白菜鍋とおでんを食べれば、もう怖いものなどなさそうです。

野口さんのレモンが入りました。わが家ではこれを待って、毎年牡蠣フライを作っています。牡蠣だけでなく、椎茸も衣をつけて揚げ、レモンと塩をふると絶品。主役の牡蠣より人気があるぐらいですよ。

ひさびさのじゃが芋はコロッケ、サラダ、煮ものと出番が多いのですが、横畠さんのじゃが芋はまず、丸ごと湯がいて塩だけで試食するのですが、これがおいしいのです。あつあつをはふはふいいながら食べてもよし、ほどよく冷めたところを食べてもよし。残ったものは皮をつけたままひと口大に切り、油をからめてオーブンに入れ、かりっと焼きあげるとフライドポテトよりおいしくなります。たまにはこんなシンプルな食べかたもいいですよ。