雑草の利用法

2007年10月第2週

今週の野菜セット

左上から時計回り

名実ともに秋。これまで暑さが残っていたところでも、秋風が立っているのではないでしょうか。

これまでの暑さで、汗腺が開ききっているところへ冷たい風があたると、風邪をひきやすくなります。体力に自信があっても、知らず知らず夏の疲れは蓄積されていますから要注意。秋の夜長で、夜更かししやすくなるのも要注意です。

でも、ついつい夜更かししてしまうんですね。日が暮れるのが早くなると、夕飯も早くなります。とくに農家は夏の間、おざなりになっていた家事に専念。換気扇や風呂場の掃除、天井の蜘蛛の巣払いと、夜が更けるまで動きまわっているようです。それに加えて、保存食作りも忙しくなってきますから、夜長といっても、あっという間に時間は過ぎてしまいます。

慌てて布団に入りますが、夜明けもずいぶん遅くなりました。真夏とちがって眠りが深いのか、睡眠時間が少なめでも目覚めがいいのも救いだそうです。それでもやっぱり、風邪には要注意。みなさんも、ゆっくり身体を休めてくださいね。

畑のあちこちに、早くもハコベが顔を出しはじめました。冬の雑草の代表みたいな草で、霜が降りるころには畑一面に広がります。これを湯がくと、ほうれん草にそっくりなので、胡麻和えにして食べることがあります。季節の変わり目には、こういうものでミネラルを補給。すると風邪もひきにくくなるようです。

今年こそ作ってみようと思っているのがハコベ塩。蛤の殻に塩とハコベを潰して絞った汁を入れ、それを金網にのせて加熱します。塩が乾いてきたらハコベ汁を加え、それを何度も繰り返し、塩がきれいな薄緑色になったら完成。貝殻もいっしょにすり鉢で擦りますが、さんざん加熱されているので、かたい殻ももろくなって、塩ときれいに混ざるそうです。

てんぷらにぱらぱらと振ると最高、と聞きました。また、ハコベには浄血作用以外に、炎症を抑える働きがあるので、歯槽膿漏の人はこれで歯磨きするといいそうです。おできや湿疹にも、ちょっとしみるかもしれませんが、貼り付けるといいでしょうね。

また、オオバコが種をいっぱいつけていますから、これを集めて紙の上に広げておきます。すると茎から種が自然に落ちてきますから、同量の塩、それに倍量の胡麻も加えて煎っておきます。わたしは喉が弱く、空気が乾燥してくると空咳が出たりするのですが、これをときどきご飯にふりかけて食べるだけで、咳に悩まされにくくなりました。腎臓にもよく、腎臓と繋がっている目にもいいそうです。

柿の実も色づいてきましたが、これも実を食べるだけではないんです。柿の葉はビタミンCが豊富で、葉っぱ二枚でレモン一個分以上といいますから、熱湯にくぐらせてから乾燥してお茶に・・・。柿の種はもっとすごくて、黒焼きにしてすり鉢に入れ、擦ったものを飲ませておくと、老人が惚けません。すでに認知症が出ている人でも、小さじに軽く一杯ぐらい、毎日飲ませると一週間ぐらいで明晰になってくるそうです。うちの母にも、今のうちから飲ませておこうと思っています。

ヘタも集めて干しておくと、しゃっくりが出たとき、煎じて飲むといいそうです。しゃっくりって、滅多と出ることはありませんが、出たときは往生します。コップの水をさかさに飲むとか、びっくりさせるとか、いろいろやってもなかなか効果がないもの。これも今年は用意しておきましょう。

とまあ、それやこれや夕食後、台所でごそごそやっていると、あっという間に夜は更けて、ベッドに急行することになるんですね。秋はこういう作業のために、夜が長いのかもしれませんが、それも短く感じられる今日このごろです。

今週の野菜とレシピ

先週までの小松菜は穴だらけになっていましたが、今回のはそれより10日ほど遅れて蒔いたもの。たった10日のちがいですが、虫食いはずいぶん少なくなっていると思います。畑にはまだまだ、虫がたくさん飛び跳ねているんですけどね。気温によって、動植物の兼ね合いがここまで顕著になるなんて、不思議といえば不思議です。

ルッコラは先週より背丈を伸ばしています。生食向けというだけあって、葉茎がやわらかいのが特徴ですが、傷みやすいのが欠点。冷蔵庫に入れるよりも、少量の水を入れたマグカップなどに挿しておくと日持ちがよく、香りも楽しめます。そのまま食卓に出しておくと、食事のたびに葉っぱが消えて、茎だけになってしまうので、わが家ではそれをサラダに使っています。

さつま芋を大きめのサイコロに切って茹で、それにみじん切りの玉葱とルッコラの茎を加えてドレッシングで和えます。お好みでレーズンをぬるま湯でもどしたものを加えても・・・。ほんのり甘くておいしいですよ。

唐辛子が真っ赤に色づきました。ザルに広げて自然乾燥させ、冬の漬け物用にご利用ください。

日曜日、ローズマリーの剪定をしていたら、とてもわが家だけでは使いきれない量になりました。そんなわけで、小枝がすこしずつ入っています。肉料理の臭い消しに使うのが一般的ですが、パスタやサラダ用の野菜を茹でるとき、熱湯の中に少量入れると香りがぱっと広がります。そのわりに野菜やパスタには強い影響はなく、なんとなく料理がひと味ちがう。水っぽさがなくなるようです。

シャンプーやリンスの香りづけに使ってもよし。面倒だと思ったら、お風呂に直接浮かべてください。