なぜかペットは夏に死ぬ

2007年8月第1週

今週の野菜セット

左上から時計回り

ようやく梅雨が明けそうです。梅雨といっても、このあたりは曇天続きで、どちらかといえば低温多湿。雨量はそれほどでもなかったので、肩すかしを食らったようです。

先週末から気温がはね上がって、いきなり真夏日。今後、気象庁のいうように猛暑になるか、タケノコの冷夏予想が的中するか、体験してみなければわかりませんが、猛暑であろうとなかろうと、夏というのは一年中でもっとも体力を消耗しやすい季節です。身体の冷やしすぎに注意しながら、上手に暑さをしのいでください。

犬・猫にとっても夏はつらい季節とみえ、食欲が落ちるだけでなく、犬は下痢気味。猫はしょっちゅう食べたものを吐いています。ご老体となると命にもかかわるようで、腎臓に疾患のあったオス猫が衰弱死。そういえば今までいた猫も、みんな夏に死んでいました。

まだ若いはずなのに、ウサギのモモも先月、原因不明の死を遂げました。丸一日姿を見かけなかったので、キツネかタヌキにやられたか。あるいはトンビなどと思いをめぐらせていたら、植え込みの中に倒れていました。外傷はなかったかわり、死後硬直が解けて腐敗がはじまっていたせいか、身体が膨れあがり、生前の数倍の大きさになって、すぐにはそれがモモだとはわからなかったぐらいです。

わが家へ来てからちょうど二年の短い命で、室内やケージの中で飼っていたらもっと長生きできたのでしょうが、ウサギというのはもともと野外の生きものです。さまざまなリスクはあっても、庭や畑を駆け回っているほうが、ウサギの生活としては充実していたとは思うのですが、心残りがあることは否めません。猫の半分ほどの大きさだったにかかわらず、モモの存在感はけっこう大きかったとみえ、夏だというのに家のまわりが寒々しています。

オス猫のほうはこの数ヶ月、一日おきの点滴に加え、週に一度の獣医師通い。本人もつらそうにしていたので、ほっとした部分のほうが大きかったのですが、こちらはまったく予期せぬ出来事で、山羊のいなくなった大きな空白を、小さな体でせっせと埋めてくれていただけに、寂しさもひとしお・・・。仲良しだった山羊のユーリの隣に埋めてやりました。

前にもいったように、人間がかれらより優れているところがあるとすれば、それは寿命がすこし長いという点で、かれらを看取り、喪失感に耐えることができるという一点にかかっていると思います。だから、すこしぐらいなら大きな顔をしてもいいし、好き勝手も許される。

動物は病気になったり、死んだりするから関わり合いたくない、という人もいますが、それでは人間としての尊厳を示す唯一のチャンスを、みずから棄権しているようなもの。人であれ、動物であれ、訪れたものはさまざまな痕跡を残しながら、やがて去ってゆきます。動物たちのほうが、それを自然の摂理として受け入れているのに、人だけが一度手にしたものを離したがらない。離さないから責任が生じ、その重みとともに離別という重みも背負うことになるのですが、そこでそれに耐えるという強さが要求されるわけですね。

それをひとつ、またひとつと乗り越えてゆくことで人は成長できる、とまあ、お説教じみてきましたが、これは半ば自分にいい聞かせていると思ってください。そしてこの夏、不運にもペットを失うことになった方は、これを思い出して、ペットロス症候群などに陥らないでくださいね。

今週の野菜とレシピ

ようやく夏らしくなってきたので、茄子トマトも本来の力を取り戻してきたようです。とくにトマトは先週、成りがわるく、一部の方には入れることができませんでしたが、今週は大丈夫。800グラムに増量してお送りします。

ピーマンモロヘイアも復活。オクラやゴーヤも来週にはメニュー入りしそうです。

小ぶりのぼっちゃんカボチャは、煮るしても揚げるにしても少人数の家庭にぴったりサイズ。皮がやわらかいので、扱いも楽です。薄切りにしたものをフライパンに並べて焼き、ドレッシングで食べるのもさっぱりしていて夏向きです。そこに茄子が加わってもおいしいですよ。

きゅうりは小口切り、乱切り、料理によっていろいろですが、包丁の柄で叩いてから食べやすい大きさにちぎるのが、いちばん歯触りがよく、味もしみやすくなります。包丁のかわりに、すりこぎを立てて使ったほうがうまく行くかもしれません。ちょっと乱暴ですが、お試しください。

*追記

こちらはふたたび肌寒くなってきました。冷気に包まれた月曜日の朝、ふだんは見ないテレビのニュースに釘づけ。参院選の自民大敗に、やったあ、の声を上げそうになりましたが、よく考えたらこの国は二院制とはいえ、圧倒的な力を持つのは衆議院。多少の影響力はあっても、お得意の強行採決などやられたら、なにも変わらないことになります。

とくに今、懸念されているのがFTA(自由貿易協定)の問題で、産業界の後押しでこれが可決されてしまったら、日本の農業は壊滅的な打撃を被ることになってしまいます。この協定がこの国に及ぼす影響については、来週くわしくお話しますので、今週いっぱい、慣れないお勉強をしておきたいと思います。