冷え性対策

2007年11月第4週

今週の野菜セット

左上から時計回り

このあたりでもようやく山の木々が色づいて、晩秋らしい景観になってきました。朝はつらく、だんだん布団から離れがたくなってきましたが、やっぱりこの時期はこうでなくっちゃね。

しかしまだ霜は降りません。霜が降りてくれないことには、冬野菜が本来の味にはなりません。とくに小松菜やほうれん草といった青ものは、霜にあたればあたるほど見かけはわるくなりますが、甘みを増しておいしく、やわらかくなるのです。今週あたり、初霜になってくれるといいんですけどね。

寒くなってくると、布団に入っても足が冷えてなかなか寝つけない、という人がいます。わたしも昔はそうでしたが、最近はどういうわけか夜更かしして足先が冷えていても、布団に入ると自然に足がぽかぽかしてきます。年をとるとそうなるのかと思っていましたが、どうもそうではないみたい。高齢でも冷えに悩んでいる人が意外と多いみたいです。

では、この変化はなんなのか。若いころ、わたしは汗をほとんどかかなかったので夏の暑さに弱かったのですが、毎日昼食後に数十分、炎天下の車に入ってじっと我慢。ひと夏それをやって、天然サウナで汗腺を開いて汗をかく体質に変化させたあたりから、冬にも強くなったような気がしますが、冷え性までは治りませんでした。

それを劇的に改善してくれたのが野菜スープです。十数年前にブームになりましたが、そのすこし前から益子GEFでも野菜スープセットなるものを誕生させていて、中身はというと大根、にんじん、ごぼうに干し椎茸。それらを丸ごと、大根などは葉っぱもいっしょに鍋に放りこんで、ただ水で煮るだけなのですが、一年間そのスープを飲み続けていたら、風邪をひかなくなり、いつの間にか冷え性も消えていました。

最近風邪をひきやすくなっているので、またこのスープを作ってみようと思っていた矢先、会員の方から冷え性の悩みをうかがったので、これを書いているしだいです。

今、若い人たちに冷え性が増えているのは、まちがいなく野菜不足が原因だと思われます。真冬でも平気でトマトやきゅうりを食べる一方、青菜や根菜類はほとんど口にしないという人が多いのではないでしょうか。ハンバーガーにはさまっているかけらみたいなレタス。それを青菜と勘ちがいされてもねえ。

夏はエアコンで汗をかくことがなく、冬もまたエアコンでは体表しかあたためられませんから、身体の芯は冷めたいままです。電気ごたつも同様です。こたつの中にいるときはあたたかいけど、出るとすぐに冷えてしまう・・・。ですからお風呂でよくあたたまった後は、こたつなどに入るよりも、出がけに洗面器一杯の水を足にかけておいたほうが効果的です。こうしておくと湯冷めせず、布団に入るまで時間があっても、足はいつまでもぽかぽかしているのです。

ほんとうに身体をあたためようと思ったら、お風呂よりも足湯のほうがいいのですが、やかんの湯をすこしずつ加えながらじっくり足をあたためたら、かならず最後に冷水に足を浸して、熱を封じこめておくことです。このときお湯の中に、大根の葉を干したものを入れてやるとさらに効果的。これは風邪をひいたときにおすすめです。ちょっとオナラ臭いのがいけませんけど・・・。

柿の落ち葉を袋につめてお風呂に入れても、市販の入浴剤より身体がよくあたたまります。これは臭いもありません。柿といえば身体を冷やすものの代名詞みたいになっていて、妊産婦は柿の木の下に立ってもいけないことになっていますが、紅葉するとそれが逆転。身体をあたためるようになるんですね。自然の妙といいますか、その巧妙なシステムに頭が下がります。

ま、夏は涼しく、冬はあたたかく暮らすに越したことはないのですが、いずれにしても上っ面だけではダメ。内側から改善しなくてはなりませんが、そのために自然はじつにさまざまなものを用意してくれています。が、わたしたちの側にそれを感受する能力が欠落してしまった、というのが現代人の肉体的諸問題の根本にあるような気がします。

身のまわりにあるタダのものを利用せず、ゴミ扱いしていたらバチがあたるよ、ということなのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

今週はキャベツが入りました。前回のキャベツは夏蒔きでしたから、虫にやられて大きくなることができませんでしたが、今回のは秋蒔き。年が明けてから出荷する予定でしたが、先週までのあたたかさで生長が早まったものと思われます。

サニーレタスはサラダ用ですが、炒めものやスープに加えてもけっこうイケます。とくにわが家で評判がいいのは、豚バラ肉を細かく切ってカリカリになるまでよく炒め、醤油とオイスターソース少々で調味。そこへお湯でもどしてから包丁を入れておいた春雨も加えて炒め、また醤油をまわしかけ、最後にサニーレタスをちぎって加えた簡単料理。サニーレタスは半生ぐらいにしておくのがコツで、火を止めてからもう一度醤油で塩味を調整します。お好みで一味唐辛子を加えてもおいしいですよ。

ほうれん草も登場しました。通信にもあるように、霜にあたっていないのでまだほんとうの味にはなっていませんが、おひたしや胡麻和えで香りをお楽しみください。

椎茸は冷蔵庫の野菜ボックスでも保存はできますが、すぐにお使いにならないときは、スライスして冷凍したほうが味も香りもよくなります。それをすこしずつ取り出して、たとえば茶碗蒸しなどに凍ったまま加えると、松茸に負けないぐらいいい香り。青菜のお吸いものにもこれを入れたときは、塩だけで調味して椎茸の香りを楽しみます。みなさんもお試しください。