またまた暖冬
2008年1月第2週

左上から時計回り
- 京菜
- シイタケ
- ホウレンソウ
- ジャガイモ
- 小松菜
- カブ
- コスレタス
年が明けて、日がずいぶん長くなりました。夕刻の明るさに惑わされてもたもたしていると、事務局を出るのが年末の忙しい時期より遅くなるぐらいです。先週いっぱい野菜セットを送り出して、新しい作業場でもスムーズに仕事ができるようになりました。コンパクトになった分、動きが楽になったうえ、土間特有の冷えこみがなく、足元があたたかいのが魅力です。そんなわけで、今年も好調にスタートを切ることができました。どんな年になるかわかりませんが、去年よりいい年にしたいものです。みなさんにとっても、いい年でありますように・・・。
先週末は雪の予報が出ていましたが、雨になり、それもすぐに止んでしまいました。夕刻、いくらか白いものがぱらつきましたが、積雪にはおよびませんでした。
今年は暖冬で、春も例年より早くなりそうです。益子では年が明けてから雪が降ることが多く、山の中に家があると雪かきがたいへんだったのですが、去年も一昨年もそんな苦労はありませんでした。雪かきで足腰を痛めることもなく、楽ではあるのですが、北極では何頭のシロクマが命を落とすことになるんだろう、と思うと喜んでばかりはいられません。
シロクマだけでなく、カリブーの移動にも支障が出ているようです。それは雪しか降らなかった極北に雨が降りはじめたからで、雨は地面に落ちると凍りますから、それがガラスの破片のように脚を傷つけるんだそうです。だからカリブーの通ったところには血の道ができ、オオカミもまた、点々と血をたらしながらその後を追っているのだとか。足首に傷がつき、その傷がまたガラスのような氷でこすられる苦痛を思うとぞっとしますが、失血による体力の消耗も大きいのでしょう。脱落して衰弱死するものが年々増えているといいます。
そんな話を聞くと、すこしぐらい腰が痛いのは我慢するから、雪ぐらいちゃんと降ってくれよ、といいたくなります。でも温暖化という、一度動きはじめた潮流はそう簡単には止まらない。その極北で油田開発の動きが活発化。カリブーの移動ルートも断絶されそうになっているといいますから、なにをかいわんや、です。
生態系を支えているという点で、サバンナの主役がライオンではなくヌーたちであるように、極北ではシロクマよりカリブーが重要です。大量のヌーが消えてしまえば、草食・肉食にかかわらず、すべての生きものがアフリカ大陸から姿を消す運命にあるのですから、カリブーのいなくなった極北がどうなるかは自明の理。もちろん、そのすべての生きものには、わたしたち人類も含まれているはずです。
金・金・金の世の中ですが、人類がみずから作り出した貨幣という幻想のために躍起になって、なにもかも壊しまくって、あげくに自分も滅んでゆくなんて、滑稽といえば滑稽ですが、あまりにも愚かで悲しい。そう考えたら、すべての欲望を解放し、発展に重きをおいてきた先進諸国の文明よりも、タブーでみずからをがんじがらめにして進歩を捨て、千年前とあまり変わらない暮らしを持続してきた原始的と呼ばれる人々のほうが、よほど理知的だったのではないでしょうか。
世界遺産が巨大なモニュメントや華麗な建造物から、太古の姿を残したままの自然のほうに移りつつあるのも、そういうことに多くの人が気づきはじめたからかもしれません。だとしたら、救いはまだ残されていることになります。それが温暖化という潮流に注ぎこむ一大寒流になるまでには、もうすこし時間がかかるかもしれませんが、希望は大きく持ちたいものです。
今週の野菜とレシピ
今週はコスレタスという新顔が登場しました。葉が大きく、結球しないタイプなのですが、ふつうのレタスより味が濃く、甘みが強いのが特徴です。もちろんサラダでもイケますが、スープや炒めものにしたほうが持ち味が生きるみたい・・・。しっかりした歯ごたえと、濃厚なうまみから斬新な料理が生まれそうです。
かぶとじゃが芋があると、わが家ではかならずといっていいぐらい、これをスープにします。どちらも5ミリぐらいにスライスして、水から煮るだけ。スープストックを使ったこともあるのですが、出しの風味が邪魔になるぐらい、かぶとじゃが芋からいい味が出ます。やわらかくなったら塩と胡椒で調味して、かぶの葉を散らし、器に分けてから生クリームを少量たらしていただきます。
かぶは表皮の下の部分がかたいので、厚めに皮を剥きますが、皮だけでけっこうな量になるので、捨てるのがはばかられます。それを小さなサイコロに切ると繊維が気になりませんから、おなじくサイコロにした玉葱、じゃが芋、ニンジンなどといっしょにスープにするという手もあります。かぶの茎も細かく切って、トマトの水煮を加えると彩りがきれいですよ。
小松菜、京菜、ほうれん草はおひたしや炒めもので・・・。椎茸は半日ぐらいザルに広げておくと、日持ちがよく、香りがさらによくなります。