病院出産が子供をおかしくしてたんだって

2008年2月第1週

今週の野菜セット

左上から時計回り

今年の冬将軍は実力派とみえて、厳寒が続いています。これを書いている手もかじかんで、なかなかいうことを聞いてくれません。

わが家では雨水を溜めておいて、それを植木鉢の水やりや洗車に使っていますが、年が明けてからというもの、ほとんどそれが使えなくなっています。なぜかというと凍っているから・・・。薄氷ならひしゃくで割ることもできるのですが、そのひしゃくをしっかりと抱きこんだまま、厚い氷が解けることはありません。

日中、南斜面がぽかぽかしても、北側では凍りついた地面がばりばりと音を立てるぐらいですから、近年にはなかった寒さです。温暖化などどこ吹く風といった感じですが、二十数年前、わたしが益子に来たころは、これぐらいの寒さがあたりまえだったんですよね。それでも昔にくらべたらあたたかいといわれて、げんなりしたのを思い出します。

週末には雪も降りました。みなさんのところでも、雪景色が見られたのではないでしょうか。

こちらでもひさびさにまとまった積雪となり、日曜日、雪かきがてらミニサイズのかまくらをたくさん作り、日が暮れるのを待って、そこに蝋燭を灯してみました。見慣れた庭先が幻想的な別世界に変身。夜が更けるまで、幽玄な世界に遊ぶことができました。

今週は本を紹介させていただきます。タイトルは「病院出産が子供をおかしくする」(洋泉社・780円)出産をひかえている方のみならず、子育て中のお母さんたちにも読んでいただきたいのですが、すでに出産にも子育てにも縁のなくなったわたしにも、この本は多くのことを教えてくれました。

益子GEFの会員のひとり、奥村紀一氏が書かれたものですが、奥村氏は新潟大学を退職後、自然農法と自然療法の学習・実践に努められ、個人的には母の具合がわるくなったときなど、アドバイスをいただいています。会員の方から病気の相談を受けたときにも、かならず問い合わせ、ノウハウをいただいている方です。

ここ数十年の間に、なぜ子供が変わってしまったか。また、なぜこうまでアレルギー体質が急増してしまったか。少子化にもかかわらず、障害児が増加の一途をたどっているのはなぜなのか。そういった、子育てとは関係のなくなった人たちでも、日ごろ漠然と疑問に思っていることが、ここには明確に解説されていますから、広く読まれてほしいと思いました。

子供の虐待も急増しています。いとけない子供たちが人知れず、全身痣だらけにされているなんて、考えただけでぞっとするし、死亡してニュースにでもなれば、なんという母親だ。鬼だ、悪魔だ、そんな人がなんで子供なんか産んだんだろう、ということになるのが自然です。じつはわたしもそれに近い感情を抱いていました。

長じて親に暴力をふるうようになった子供に関しても、親の育てかたがわるすぎんたんだ、ぐらいにしか思えなかったのですが、いずれも乳児期に原因があったんですね。病院による新生児の隔離、退院時に渡される粉ミルクは母乳育児を間接的に妨害しますし、抱き癖がつくなどといって、泣いても放置したほうがいいような指導もされます。ベビーベッドが添い寝を妨害。格好がわるいといって、おんぶも敬遠されるようになりました。

それやこれやが総合されて、ついこの間まで一心同体だった母親と赤ちゃんのスキンシップが不足、それが双方の不幸の原因を作っていたのです。母性愛などというものは、もともと備わっているものではありません。では、やさしさや良識によって生じるものかといえば、それもNO。赤ちゃんとの接触によって、母親の体内から分泌されるオキシトシンというホルモンがそれだったのです。

別名、愛情ホルモン。育児というのは手がかかるうえ、多大の忍耐が必要とされます。それが苦にならず、よろこびにすら感じられるようになるのは、このホルモンに疲れを癒し、ストレスを緩和する働きがあるからです。ほかにも数種のホルモンが分泌され、それが母親を強力にサポートするといいます。母は強し、というのもまた、ホルモンのなせる業だったんですね。

病院出産の弊害はそれだけではありません。乳児突然死症候群、自閉症、注意欠陥・他動性障害、不登校・ひきこもり、さらにはニートですら、さかのぼれば原因が病院出産という、そこで行われている不必要な医療にあったというのですから、少子化以上に深刻な問題だったわけです。

また、予防接種法によって幼児期からさまざまなワクチンを打たれること、殺菌薬、洗浄剤、抗菌グッズなどによって、やたらと生活空間が清潔になってしまったことも、幼児期にはじまる細菌感染の機会を減らし続けてきたため、国民全体の免疫力が低下。ひ弱で神経質で攻撃的な日本人が増えている背景にあるもの、その実体をかいま見ると、今求められているのは景気回復でも、ガソリン税の改革でもなく、医療支援。それも産科医ではなく、助産婦を育てることだと痛感させられます。

昨今話題になっている子供の学力の低下についても、この小さな本の中に答えがあります。ご一読ください。

今週の野菜とレシピ

寒さのため、大根が育ちません。椎茸も、小指大のまま生育が止まっているといいます。そんなわけで、今週は青菜特集みたいな形になりました。

小松菜、京菜、春菊、ほうれん草と冬の青菜たっぷり。かぶの葉も青菜として使えますから、これで寒さに立ち向かいます。

かぶはレモンと相性がいいので、塩でもみ、スライスしたレモンといっしょに・・・。京菜は一夜漬けかサラダで。春菊もサラダにできるやわらかさです。

じゃが芋は今週からメイクイーンになります。横畠さんのじゃが芋には定評がありますが、メイクイーンの甘さは格別です。表面にでこぼこがないので、皮むきが楽になりますが、皮をつけたまま茹でて、塩だけで食べてみてください。ポテトサラダにするのがもったいないようなおいしさです。

来週には馬田さんの椎茸も復活すると思います。