夏の予想と虫対策

2008年5月第5週

今週の野菜セット

左から時計回り

ようやく初夏らしい陽気になってきました。先々週、台風並みに吹き荒れた風と豪雨が、季節のスウィッチを切り替えていったかのようです。気候がこれだけ不安定だと、スウィッチもだんだん錆びついてきて、これまでみたいな春の嵐程度では、作動しなくなっているのかもしれません。

時ならぬ嵐に、わが家ではソラマメがみんな倒れてしまいました。豆が大きくなりはじめていましたから、その重みに耐えかねたのでしょう。好子さんのところでも、ソラマメの被害がいちばん大きかったようです。わたしたちは野菜を過保護にはしないので、自力で体勢を立て直すのを待っているのですが、折れてしまった枝はともかくとして、かなりの部分が復活しはじめています。

夏野菜も、頭でっかちのズッキーニが風に弱く、風車状に広がった葉が一回転してしまうと根元が折れてしまうのですが、さいわい、葉がまだ大きくなりきっていなかったので、事なきを得たようです。

今年はいったいどんな夏になるのか、農家でなくても気になるところです。ここらで福島の秋山氏による長期予報を載せておきます。冬から春にかけての予報は、地域によって多少は差はあったでしょうが、ほぼ的中していましたから、これも今後の参考になると思います。

六月下旬になって梅雨前線の活動は本格化しますが、降水量は太平洋側を中心に多く、南西諸島や北海道ではやや少なめ。気温は全国的に見ると、一・二度高くなるそうですが、関東から東北にかけての太平洋側では、ヤマセや親潮の影響で低温傾向あり、とのことです。

夏至ちかくの七月十二日に金星が近日点に入るため、この夏は北半球の地温が上がりやすくなるそうです。日本では太平洋高気圧が上がりやすく、梅雨に入ってもすぐに中休みとなり、いつの間にか梅雨が明けていた、という感じになるところも・・・。東京ではその時期、熱帯夜が続きますが、その後は全国的に不安定な天候が続き、東日本では雷雨や雹による被害が出そうです。

八月。日本付近は優勢な亜熱帯高気圧に覆われ、猛暑が続きそうで、高温の上、梅雨明け後は少雨の状態が続くので、日本海側や東日本、北海道で農作物に旱魃の影響が出てくるかもしれません。

しかし、秋になると台風もなく、穏やかな天候が続くそうです。秋雨前線が不活発なので、西日本では水不足の心配があるそうですが・・・。ま、農家でなくても、あらかじめこういうことがわかっていれば、それなりに対策も立てられます。この夏はあちらこちらで最高気温が更新されることになりそうですが、夏は暑いのがあたりまえ。その前にしっかり体力をつけておいたほうがよさそうですね。

夏対策といえばもうひとつ、忘れてはならないことがありました。

朝夕、庭先をうろついていると、蚊の羽音が聞こえてくるようになりました。素足で草むしりなどしていたら、いつの間にか刺されています。このあたりは蚊だけでなく、もっと小型のブユもいて、それは目の前をくるくる旋回し、隙を見ては瞼のやわらかいところに食いつこうとするので、うっとうしいことこの上ないのです。

今年はとくにそれがわずらわしい、と思ったら、りんご酢を飲んでいなかったんですね。毎年、夏には蚊の巣窟みたいなミョウガ畑に分け入らねばならないので、五月の声を聞くと飲みはじめているのですが、ついこの間まで肌寒い日があったりして、すっかり忘れていたのでした。

殺虫剤を使用しない良心的な、あるいは薬品代を浮そうとする酪農家は、りんご酢と海藻エキスをブレンドしたものを飲み水に混ぜるそうです。これは半世紀ぐらい前にヨーロッパではじまり、今では日本でもかなり広がっているようですが、防虫効果だけでなく、牛の健康に寄与するところも大きいことがわかっています。実際、効果は抜群で、かつて山羊に飲ませたところ、蚊、ブユはもちろん、マダニが付着することもなくなったのでした。

ただ、わたしたちが飲むには、農業用の海藻エキスはちょっときつい。というわけでりんご酢だけ飲んでみることにしたのですが、これだけでも十分効果があることがわかりました。なぜりんご酢なのか。米酢やヴィネガーでも血液が酸性から中性に移行。それで蚊に刺される確率は減ると思うのですが、酪農家がりんご酢にこだわっているようなので、わたしもそれを真似ているしだいです。ま、これがいちばん飲みやすいというのもありますけどね。

一日一回、食後に盃一杯ぐらい。わたしは蜂蜜といっしょに水で割って飲んでいます。これで蚊に食われる確率がかなり低くなるのですが、ヤブ蚊の巣窟みたいなところに紛れこむと、まったく刺されないというわけではありません。が、刺されたところが赤くならない。腫れもしない。水で洗い流せば痒みも消えてしまうほど、軽症ですむのです。

この夏、キャンプに出かける予定のある方は、一ヶ月ぐらい前からりんご酢を飲んでおくといいかもしれません。野山に出かける用事がなくても、都会には暗渠が多いので、田舎よりも蚊は多いぐらいです。家の中で殺虫剤など使いたくない、と思ったら、この方法をおためしください。

今週の野菜とレシピ

今週はソラマメが入る予定でしたが、先週いっぱい、風で倒れた本体を立て直すのにエネルギーを取られていたようで、豆が大きくなっていません。来週には食べごろになっているはずですから、もう少しお待ちください。

そのかわり大雨が効いたのか、カブが予定よりも早く大きくなりました。さっと塩もみして、一夜漬けならぬ一時間漬け。カブの甘みがさわやかです。

カブは厚めに皮をむいて使いますが、その皮の量がばかになりません。カブの皮には繊維がありますが、小さなサイコロにしてしまうとわからないので、おなじく小ぶりのサイコロに切った玉葱やじゃが芋といっしょに、ミネストローネというのはどうでしょう。トマトソースがあれば理想的ですが、なければないで大丈夫。スープストックも必要がないぐらい、野菜からいい出しが取れます。仕上がりに、カブの葉や茎を細かくきざんで散らしてください。

サニーレタスはサラダにするより、なにかを包んで食べるほうが向いているような気がします。包むものはなんでもけっこう。焼き肉でもいいし、魚介類でも、残り者で作ったチャーハンでも、うちではなんでも包んでいます。海苔の代わりに、これで手巻き寿司というのも、暑いときにはいいかもしれません。

オカヒジキはさっと湯がいて、醤油やマヨネーズで食べられますが、炒めものにしてもシャリシャリした歯ごたえが損なわれることはありません。

薄切りの豚バラ肉を細切りにしてよく炒めます。そこに塩と一味唐辛子をふり、オイスターソースをまわしかけて濃いめに調味。そこに食べやすい長さにしたオカヒジキを加え、最後にもどしておいた春雨を加えて炒めます。味を見て、足りないところは醤油で補ってできあがり。これもサニーレタスで包んで食べるといいかもしれませんね。

来週は豆特集。ソラマメといっしょに枝豆も出てきそうです。