遮光ネットで夏を涼しく

2008年7月第3週

今週の野菜セット

左から時計回り

にぎやかな蝉の羽音は、さすがにまだ聞こえてきませんが、夕刻にはヒグラシのカナカナカナ・・・という羽音が聞かれるようになりました。梅雨も明けないうちから気の早いことだと思いましたが、もしかしたら梅雨など、もうとっくに明けているのかもしれませんね。

畑の草陰にいるカマキリも、先週見たときは一センチにも満たなかったのが、今週にはもう倍ちかい大きさになっています。この一週間ほどで、何度脱皮をしたのやら・・・。うちの畑の近衛兵たちが、日に日に大きく逞しくなってゆくのが頼もしい。でも、気温も日に日に高くなってゆくんでしょうね。

予想通りの空梅雨で、この調子だと、いつ梅雨が明けたのかわからないまま、夏になってしまいそうです。それでも気温は、まだまだ控えめ。今のうちに本格的な夏に向けて、暑さ対策をしておいたほうがよさそうです。

友人のところでは、家のまわりに遮光ネットを張り巡らせています。すこしでも過ごしやすくなるように、というのですが、たったそれだけのことですこしどころか、大幅に家の中が涼しく感じられるようになっていました。わが家でも真似をして、朝日が射しこむ東側の窓という窓にカーテンのように下げたところ、格段に室温が下がったようです。

さいわい、わが家は西側に林があるので、その心配はないのですが、夏至を過ぎ、太陽がだんだん位置を下げてくると、西日が入る範囲も広くなります。残暑のころにもなると、部屋の奥まで入りこんで、これが夕ご飯の準備と重なるものですから、暑さも最高潮。耐えきれず、クーラーのスウィッチを入れることになるんですね。

窓ばかりか壁面にも遮光ネットをめぐらせて、万全の西日対策をすませた友人は、今年からクーラーを使わずに夏を乗り切ることにしたそうです。わが家は元々、客間にしかクーラーがないのですが、この脱クーラー作戦、なかなか優れものみたいですよ。

遮光ネットというのは、元来は農業資材で、観葉植物やシクラメンなどを育てるハウス内で使われていたものです。そんなわけで、一般には流通してなかったのですが、最近ではガレージやテラスの日よけにも使われるようになって、ホームセンターでも手に入るようになりました。遮光率も五十パーセントから九十パーセントまで、いろいろあって、しかも安価です。ただし、ものによっては薬品を塗布しているものもあるようですから、その点だけ注意して、とくに室内で使うものは無害なものをご使用ください。

元々、日本には葦簀(よしず)や簾(すだれ)といった、夏を快適に過ごすためのグッズがありました。しかし今では、どちらも出まわっているのが外国製で、材質も作りも粗悪なのであまり役には立ちません。国産のものもありますが、入手しづらいうえに値が張ります。わが家にも茨城県産の葦簀がありますが、何年も使用に耐える上質なものであるにもかかわらず、その重量がハンパじゃないので、ついつい物置に入ったままになってしまったりするんですね。

軽くて扱いやすいという点でも、遮光ネットは優れものです。大きさを自由に変えられるのも魅力ですしね。室外機から熱風を吐き出すクーラーよりも、遮光ネットと扇風機。こちらのほうが家のまわりも涼しくなるし、身体にもやさしそう。人口密度の高いところでは、一軒だけが努力しても、あまり効果はないのかもしれませんが・・・。

暑いからクーラーを点ける。クーラーを使うから、よけいに暑くなる。こんな悪循環から、そろそろ脱け出したいものですが、今年は猛暑になるそうです。できることなら電気よりも知恵を使って、夏を乗り切る。いや、夏を楽しむぐらいの気持ちでいたいものです。

今週の野菜とレシピ

今週は茄子ズッキーニピーマンインゲンと野菜の種類が豊富です。そのため、トマトは500グラムと控えめになりました。

夏野菜の揚げ浸し。ニンジンは小指ぐらいの大きさに、インゲンはスジを取ってそのまま、ズッキーニと茄子は輪切りにして、それらを順に素揚げにします。麺つゆを用意して、輪切りにした鷹の爪、なければ一味唐辛子を加えてアクセントをつけ、そこに揚げた野菜を熱いうちに浸けてゆきます。ほどよく冷めてきたら食べごろ。冷たくしてもおいしいので、わが家では大量に作りおきして、飽きてきたころ、トマトを加えてサラダ感覚で食べたりしています。

紫蘇の葉が入りましたが、葉っぱのあまりの大きさにびっくりするかもしれません。市販の上品な紫蘇の葉と大ちがいですものね。農家の庭先や畑の隅など、こぼれ種で自然に出てくる紫蘇というのは、なぜか種を蒔いて育てたものより元気がよく、ビッグサイズになるのです。香りも濃厚。麺類の薬味などにご利用ください。

空芯菜は別名、夏のほうれん草ともいわれるほど栄養価が高く、カルシウムなどはほうれん草の4倍もあるそうです。クセがないのでおひたし、味噌汁、炒めものと、利用法はさまざまですが、南方の野菜ですからエスニック風にニンニクといっしょにさっと炒め、塩味で食べてみてはどうでしょう。コツは炒めすぎないこと。強火でささっと火を通してください。

夏野菜の中で、モロヘイアの生育が遅れていましたが、来週にはお目見えできそう・・・。目下、頭頂部をカットして、脇枝を伸ばしているところだそうです。