夏の微生物利用

2008年8月第1週

今週の野菜セット

左から

畑の中にいると、いろんな鳥の声が聞こえてきます。

ウグイスはこの時期、朝から晩まで啼いていて、春というより夏の鳥といったほうがいいのかもしれません。ピッピッピと規則正しくさえずるのはムギマキ。たまに町中で耳にすると、機械音かと錯覚するぐらいですが、ふつうは麦畑でよく聞かれます。だから「麦蒔き」という名前がついたんでしょうが、麦が刈り取られると田圃の上にやって来ます。したがって今はコメマキ。

ピーチピーチピーチと賑やかなのがヒバリ。どんな鳥なのかわかりませんが、ミステーク、ミステークと大きな声を出すのがいて、畑仕事の最中にこれが聞こえるとつい手を休めてしまいます。なにか、見当ちがいなことをしているのを指摘されてでもいるような気がするんですね。

電線の上ではヤマバトがデーデーポッポー。上空を旋回するトンビのピーヒョロヒョロヒョロ。どの声も縄張り宣言。闘争本能から発せられるものだとわかっていても、人の耳にはのどかに響きます。

唯一の例外はホトトギスで、昼間はともかく、真夜中にトッキョキョカキョクという舌を噛みそうな鳴き声を聞くとはっとします。暗闇のそこだけが血のしずくで彩られているような、そこまで必死にならなくても・・・というような鳴き方で、身を切られるような気になるのです。昔からホトトギスにまつわる話、それも悲しいのが多いのもそのせいでしょうね。

カラスも早朝はあんなに元気な声を出しているのに、昼間はちょっとけだるげです。暑いですからねえ。喘ぐように口を開けて、体温を下げようとしているのを見ると、かわいそうになるぐらい。毎朝、パンを食べに来るスズメたちも、先月あたりから食欲が落ちてきました。

ま、子育ても一段落して、それほどがっつかなくてもよくなった、ということなのかもしれませんが、人も鳥もしっかり食べて、この時期を乗り切りたいものです。

気温が三十度を超え、夜間もなかなか下がらないとなると、人はげんなりするでしょうが、微生物は活発に動き出します。大腸菌や腐敗菌が元気になるのはもちろん、良性菌だって負けてはいません。そんな好機を見逃すという手はないので、発酵液を作ってみませんか?

わが家ではヨーグルトメーカーを使って、一年中作っていますが、今なら常温でも簡単に作れます。材料もイースト菌を除いては家庭にあるものばかり。ドライイーストもスーパーなどで簡単に入手できます。

材料はプレーンヨーグルト200グラム、ドライイースト5グラム、納豆5~6粒、それに酵母の餌となる砂糖が200グラム。砂糖は種類を問いませんが、お風呂に入れたりする場合には白砂糖のほうがよさそうです。それを2リットルの水に混ぜ、35度ぐらいで1週間。香りのいい発酵液ができます。

ペットボトルやビンに移して保管しますが、そのときキャップはゆるめに閉めておくこと。発酵が進行すると膨張して、ヘタをすると破裂しますので・・・。これを毎晩、寝る前に流しのシンクのゴミ受け部分にスプレーすると、ぬるぬるが消え、配水管の内部もきれいになるので、イヤな臭いもなくなります。生ゴミにもスプレーするといいですよ。

父が亡くなる前、溲瓶で尿を取っていた時期がありますが、そこにもこれを使っていたので臭いがつかず、安心してベッドの下に置くことができたそうです。トイレにも毎日すこしずつ流しているので、浄化槽が汚れず、汚物も分解されるのか、もう3年もくみ取りをしていません。

その他、洗濯槽の清掃には500ミリリットル。全自動洗濯機というのは意外と不潔で、水が黒くなるぐらいカビが出てきます。油汚れのひどい換気扇なども、これをスプレーしてすこし置くと汚れが浮き出し、ペーパータオルで引き取るだけできれいになります。

犬・猫の飲み水に少量落としておくだけで、糞尿の臭いが軽減されますし、鉢植えの水やりにもこれを入れると元気になります。20年ちかくわが家に居座っているシダの一種、大きくなるたびに鉢を替えて、もうこれ以上大きい鉢はないよ、といってそのままにしていたら葉がまばらになってきました。さすがにもう寿命かな、と思いましたが、希釈液をスプレーしたみたらまたまた復活。今も元気にしています。

みなさんも作ってみませんか?めんどうな仕事は微生物にまかせておいて、夏はのんべんだらりと過ごすにかぎりますからね。

今週の野菜とレシピ

ゴーヤが入りました。豆腐といっしょにチャンプルーというのが定番ですが、子供にはあまり評判がよくありません。苦みがダメという人向きに、ゴーヤの肉詰めというのはどうでしょう。

ゴーヤは1センチぐらいの厚さに輪切り。中の種を抜いて、挽肉と玉葱をハンバーグの要領で混ぜ合わせたものを詰めます。胡椒のかわりにカレー粉を使うとおいしいですよ。それを小麦粉、溶き卵、パン粉の順にくぐらせて、フライにします。揚げることで苦みが半減。これはケチャップ+醤油+おろし玉葱少々のソースでどうぞ。

残った挽肉は、茄子にはさんだり、ピーマンに詰めたりして使い切ってください。

ひさびさのネギは麺類の薬味用。暑さで葉がすこし傷んでいますが、病気ではありません。このあたり、ほんとうは夏のネギは無理なのですが、夏こそネギが必要だろうと、青山さんが挑戦してくれました。

空芯菜、エスニック料理に興味のない人には歓迎されませんが、この時期は味噌汁に入れる青菜がありません。味にクセがありませんので、すこしずつ吸い物の青みとしてご利用ください。