カマキリの雪予想

2008年12月第2週

今週の野菜セット

左から

落ち葉が舞うのは北風と相場が決まっているものですが、先週、季節外れの生あたたかい強風が南から吹き、夕立もどきの豪雨になりました。気持ちのわるい天気でしたが、おかげで木々にしがみついていた枯れ葉がすべて一掃。きれいに落ちてしまいました。

それを待って、雨樋に溜まった落ち葉の掃除。傾斜のきつい屋根に上るというのはけっこう勇気がいることなので、この機会にストーブの煙突掃除もしておきます。毎年、これをはじめるときは腰が引けているのですが、そのうちに慣れてきて、だんだん気分がよくなってくる・・・。鳥になった気分であたりを見回しながら、正月あたり、ここでのんびりするのもいいな、と思うのですが実現したことはなく、また一年後、こわごわ梯子を上ることになるんですね。

ともあれ、これで冬支度のひとつが完了。ほっとした気分になります。

冬支度その二。家のまわりに積もった落ち葉を掻き集めながら、焚き火をしてまわります。こちらのほうは屋根の上のようなスリルはありませんが、底にさつま芋をしのばせておくという楽しみがあって、焼き芋は落ち葉焚きで作るのが最高。石焼き芋の比ではありません。

山の中では、この落ち葉が自然に堆肥となって雑木林の養分になりますが、どういうわけか、庭先の落ち葉をそのままにしておくと、落ち葉についている虫の卵が春先に孵化。あたり一面毛虫だらけになってしまうことがあるのです。山の中にも毛虫はいますが、それほど大量でないところを見ると、虫の卵を食べる天敵でもいるのでしょうか。人の手の入ったところはバランスが崩れているので、虫が大量発生するのかもしれませんが、一度手を入れてしまうと、とことん手がかかるようになっているのでしょう。

せっかくの栄養分を灰にしてしまうわけですが、ご心配なく。灰も堆肥同様、ちゃんと養分になるのです。スペースがあるところでは、樹木のまわりを取り囲むように落ち葉を焚きます。温灸効果もあるんじゃないかと思われるほど、そういう木は大きくなって、樹形もきれい。煙で燻されているせいか、虫もつきにくいようです。

落ち葉掻きをしていると、草の根元に産みつけられたカマキリの卵まで掻き出してしまうことがあります。それは燃やさずに保育所行き。べつのところに移してやりますが、今年も枯れ草を敷いた棚に卵がずらりと並びました。来年の夏、畑の戦士となる子供たちの揺りかごです。

さて、このカマキリの卵。産みつけられる場所によって降雪量を知ることができる、と長い間考えられていて、わたしもそれを参考にしながら、タイヤをスタッドレスに替えたり替えなかったりしていたのですが、どうもおかしい。地面すれすれに卵があるから、と安心していたら雪が降ったりするのです。

カマキリは卵を雪から守るため、その冬の積雪量より高いところに産みつけるという通説が、つい最近くつがえされました。カマキリの卵はご存じのように泡状のカプセルに包まれています。そのカプセルは保温にすぐれているだけでなく、防水加工もしっかり施されていて、水中に何日も放置されても卵にはまったく影響がない、というのが最近の研究でわかったそうです。

そうなると、逆に雪の中に埋まっていたほうが、北風にさらされているよりも卵は安穏としていられるわけで、むしろ雪が保護膜になる。百八十度の転換でした。だからといって、カマキリの卵から霊験あらたかな雪占いの効果が消えたかというとさにあらず。逆に、このあたりまでの積雪はあるんだな、という判断ができるわけですから・・・。

ちなみにカマキリ夫人によるこの冬の積雪予想は、地面から二センチ足らず。予想が「それ以下」から「それ以上」に変わったわけですから、暮れにはスタッドレスに替えておいたほうがよさそうですね。

今週の野菜とレシピ

好子さんのかぶが入ります。まだ小ぶりですが、小粒のものは皮もやわらかいので、ラデイッシュのようにそのまま囓って・・・。ラデイッシュには塩ですが、これは味噌をつけてどうぞ。びっくりするほど甘いですよ。

すこし大きめのかぶならスライスして塩でもみ、やはりスライスしたレモンを加えます。かぶとレモンは相性抜群。かぶは厚めに皮を剥きますが、この皮は小さめのサイコロに切ってスープに入れます。ニンジン、玉葱も同様にし、ベーコンか生ハムも加えると出しが要りません。塩、胡椒だけで味をつけ、野菜の甘みを生かします。かぶの葉には亜鉛が含まれ、目にもいいので、これも最後に散らしてくださいね。

今回のレタスはサラダ菜タイプ。先週のコスレタスのような歯ごたえはなく、やわらかさが身上。サラダや肉料理のつけ合わせにお使いください。来週はもっとも一般的な結球タイプのレタスが入ります。

椎茸は生育が思わしくないので、今週は100グラムずつ入ります。来週はいつもの量になると思います。

ニンジンゴボウといったらきんぴらですが、ゴボウのささがきというのは素人にはむずかしく、時間もかかります。そこでピーラーを利用してリボン状のものを大量生産し、食べやすい大きさに包丁を入れるという手もあります。リボン状のものをひらひらのまま、衣をつけててんぷらにするとかりっと揚がっておいしいですよ。

来週はひさびさに大根が入ります。好子さんの大根が大きくなりすぎて箱詰めできなくなってしまったので、次の大根が大きくなるのを待っているところで、来週は青山さんの練馬大根を使わせてもらいます。