2008年の気象予想

2008年1月第4週

今週の野菜セット

左上から時計回り

寒い日々が続いています。ひさびさに雪が舞う光景も見られました。たいした積雪はなかったとはいえ、わが家の裏庭にはまだ白いものが残っています。夜、生ゴミを捨てに出たときなど、残雪が照明がわりになってくれます。山の中は生ゴミの収集などありませんから、みんな裏庭に穴を掘ったり、町から支給されたコンポストというプラステイック製の容器を利用。堆肥にしたり、そのまま土にもどしたりするのですが、わたしはケチなくせに根が無精なので、ただ土にもどすのはもったいない。でも堆肥にするのは面倒くさい、というわけでコンポストをあっちこっち果樹の根元に移動させているのです。

そんなわけで、ゴミ捨て場が遠いのがちょっと面倒。とくに夜間は懐中電灯が必要なので、それがなくなるとちょっと得をした気分になるのです。そのかわり裏口からコンポストまで、雪かきをしなければなりませんけどね。

今年は暖冬で春も早い、なんてだれがいったんでしょう。気象庁のいうことを鵜呑みにしたわけではありませんが、年末のあたたかさでは、そんな気がするのも無理はなかったかもしれません。

気象に左右される職業はいろいろあるでしょうが、とくに農業には正確な予報が求められます。さらに農家の中でも、農薬に頼るわけにゆかない人たちは真剣にならざるを得ないわけで、そういうグループが協力しあって、毎年信頼のおける講師を招いています。今年はわたしが代表になって、福島で催された勉強会に行ってきました。

ここでは毎年、太陽と金星と木星の位置関係から割り出された気象予報が出されています。十二年ちかくかけて太陽を一周する木星と、七ヶ月半で一周する金星の近日点と遠日点を過去のデータと照合する方法で、これが不思議とよく当たるのです。そうでなければ、二十年ちかくもこんな会が催されることはなかったでしょうけどね。

で、今年の予想をひと口でいうと、冬は大寒、冷春、猛暑、異常小雨ということで、農家は一同、ため息まじりに顔を見合わせていたようです。そのかわり大寒から夏の猛暑へと、気温の変動は大きいかわり、台風の上陸はきわめて少なく、あっても一個程度だといいます。台風の影響がほとんどなく、秋雨前線の活動も弱いため、西日本を中心に水不足が発生しやすい、という弊害もありますが・・・。

二月の気温も全国的に低く、降水量は西日本と沖縄では少ないけども、今月同様、日本海側では寒気が断続的に流入して大雪となり、太平洋側でも雪の日がありそう。三月に入っても冬型の気圧配置は崩れにくく、北日本・北陸では大雪となり、太平洋側でも雪が降りやすくなるとか。

春になっても寒さが残っているため、桜の開花は十日から二十日ぐらい遅れ、地温の上がりも遅いので、田植えや春・夏野菜の準備にも遅れが出そうです。そのかわり、三陸沖への暖流の上がりが遅く、海上の温度格差が小さくなるため、春の風は弱めで、内モンゴルからの黄砂の飛来は少なくなるとか。風が弱いということは、杉花粉も飛びにくく、花粉症の人には過ごしやすい春になりそうです。

病害虫の被害を受けやすくはありますが、気になる米の収穫量は平年以上となっていますので、まあまあの年なのではないでしょうか。いいことずくめの年なんてありませんものね。

ひさびさに福島の面々と再会できて、楽しい思い出ができましたが、気が重くなるニュースもありました。勉強熱心でいいものを作っている農家は、当然市場でもそれが評価され、高級料亭などにまわす別枠野菜として扱われるそうですが、それがまわりの農家のねたみ、ひがみの対象になるらしく、納屋に火をつけられたり、夜間、ハウスのビニールを切られたり、暖房用の重油を抜かれたりするんだそうです。

この近所の二宮でも、腕のいいイチゴ農家がそういう被害を受けています。だれが見ても、犯人は同業者。でも、犯人が上がったためしはなく、とても大の大人とは思えないような陰湿ないやがらせが続くそうで、そんなことやってるから日本の農業はダメなんじゃないか。農協が足をひっぱり、農家までが足をひっぱり合っていたんじゃ、そのうち日本の食卓には輸入野菜しか上らなくなってしまうかもしれない。そんな危惧を抱きながら帰ってきたしだいです。

今週の野菜とレシピ

この時期の食卓には大根が不可欠ですが、寒さのため、生育状況があまりよくありません。そんなわけで、今週もかぶでご辛抱願います。

芋がらは八頭の茎の薄皮を剥き、乾燥させたもので、秋口に登場したズイキとおなじもの。ぬるま湯でもどして使います。ほんのりした甘みと、しゃりしゃりした歯触りが身上で、このあたりではよく味噌汁の具として使われます。油揚げといっしょに煮たり、炒めたりしてもいただきますが、あまり火を通しすぎるとせっかくの歯触りが台無しになってしまいますので、ほどほどで引き上げてください。味つけは醤油とみりん。火が入ると膨れあがって、鍋からはみ出しそうになりますが、冷めるとまた元にもどりますから、びっくりしないでくださいね。

にんじんは今回で在庫がなくなりそうです。ホウレン草京菜春菊はおひたし、サラダでどうぞ。