HB101の効用
2008年5月第3週

左から時計回り
- 山東菜
- 新タマネギ
- ルッコラ
- キャベツ
- 京菜
- 甘夏
- オカヒジキ
- 小松菜
真夏のように汗ばむ日があるかと思えば、三月に逆もどりしたような肌寒い日があったり・・・。こんな波乱の多い年は、農家も野菜も苦労が多くなりそうです。
身のまわりでも、春先から小さな異変が続いています。
アラレちゃんのところでは毛虫が大発生。生け垣や庭木が丸裸にされただけでなく、足の踏み場もないほど、小さな毛虫が庭を覆いつくしました。さいわい毒毛虫ではなかったので、人や猫に被害はなく、今はそれもサナギになって、もとの静けさを取りもどしましたが、生まれてはじめての経験だったそうです。そしてわが家ではムカデが登場。山の中や裏庭のじめじめしたところにムカデがいるのはわかっていましたが、家の中に入ってきたことはありませんでした。雨が続いたりしてムカデの居場所がなくなると、人家に侵入するといいますが、長雨なら何度も経験しています。物置かガレージあたりには潜んでいたのかもしれませんが、なぜか台所や居間にまで出没するようになったのです。
まず一匹目。一夜漬けを作ろうと思い立って、しばらく放置してあった陶器の瓶(かめ)を持ち出したところ、落とし蓋が底のほうに張りついていてはがれない・・・。それを手探りでごそごそやって、やっと蓋が取れたと思った瞬間、手指に激痛が走りました。
蓋を取りだしてみたら、長さ五センチ以上、十センチ以下の中ぐらいのムカデが、こともあろうにわたしの手にしがみついていたのです。ギャッと叫んでムカデを振り払い、スリッパで踏みつけましたが、痛みのほうはひどくなるばかり。指のどこかを噛まれたはずなのに、肘のあたりまでビンビンと痛みが這い上がってくるのですからたまりません。
あわてて東條百合子さんの本を取り出して、毒虫に刺されたときの対処法を探し当てたら、ツユクサの汁をつけるといい、とありましたが、懐中電灯を持って採りに行く気力はなし。ツユクサなら畑に行けば、いやというほどあるんですけどね。ニラの汁でもよい、とありますが、ニラは卵とじにして食べてしまったので在庫がありません。毒消しに生小豆の粉・・・。小豆ならあったはず、と探してみたけど、よく考えたら、お彼岸のぼた餅用に使い切っていたのでした。
里芋のパスターで湿布するという手もありましたが、常備している里芋の粉末がこういうときにかぎって出てきません。だいたいわが家というのは、プラスのドライバーが必要なときには、マイナスのものがごろごろしていて、マイナスのドライバーが急に必要になったときは、プラスしか出てこない。そんな家なのです。
それでも根性で、その夜はちゃんと山東菜ときゅうりを一夜漬けにしたんですよ。どうしてそんなことができたのか。あれもだめ、これもない、という状況下、とっさに思いついたのがHB101という農業資材の存在です。これ、ほんとうは植物の活性剤なのですが、わが家では火傷や切り傷用の常備薬がわりにしているんですね。洗濯物の中にアシナガバチが入っていて、知らずに取りこんで、それを身につけたとたん、チクリとやられるなんてことが、田舎の夏にはよく起こります。そういうときにもこれが役立っていたのでした。
HB101は液体なので、ガーゼにたらして指に巻きつけたとたん、嘘のように痛みが軽減されました。だから一夜漬け作りが続行できたのですが、いくら薬効があるといっても、ムカデに足をやられた友人がしばらく歩くことができず、熱まで出して寝こんでいたことを思い出すと、それだけでは不安です。そこでガーゼの上にビワ種の粉末を散らし、包帯でぐるぐる巻きにして寝たのでした。
ダメなら明日、病院に行くしかないな、と思いながら寝たのですが、翌朝見たら腕が腫れあがっている気配はなし。おそるおそる包帯を取ってみると、指にも異常はなく、昨夜のあれはなんだったんだろう、というぐらい痛みのかけらも残っていません。やっぱりHB101はすごい、ということになったのでした。
HB101は杉や檜、松といった針葉樹にオオバコなど、草のエキスが入っただけの液体です。最近は新聞やテレビでも盛んに宣伝していますが、先にあれを見ていたら、ここまで信用していなかったかもしれません。テレビに登場するというだけで、なんとなく胡散臭くなってしまいますものね。
これを紹介してくれたのは、名古屋市にお住まいの会員の方で、犬や猫をたくさん飼っておられます。そのMさんに、うちの犬の目やにがひどい、といったら、HB101というのがホームセンターの園芸コーナーにあるから、飲み水に少量たらしてやれば、というアドバイスをもらったのがきっかけ。ほんとうに一ヶ月を過ぎるころには、犬の涙目がきれいになっていました。
外用薬としても効果があるだろう、ということになって、いろいろ試してみましたが、蜂刺されや火傷の痛みが瞬時に消滅するのが感動的。かなりひどい火傷でも跡が残りませんし、今回のムカデ事件でわかったように解毒作用も強
そうですから、夏、キャンプなどに出かけるときは、携帯したほうがいいですよ。痛みとちがって、虫刺されなどの痒みとなると、残念ながら効果はあまりないのですが、腫れは抑えてくれるようです。
友人にこれを紹介したら、水虫持ちの夫が愛用。数十年のつきあいだった水虫が完治したという話もあるので、HB101の潜在能力には計り知れないものがありそうです。
ムカデの話にもどります。翌日には居間の壁を這い上がってくるところをゲット。こんな調子では、おちおち居間でくつろぐこともできないし、寝室にでも侵入されたらたまりません。そこでムカデの撃退法をいろいろと調べてみました。
木酢液はアリやムカデの侵入を阻止してくれますが、すぐに効力がなくなるので、数日おきに散布しなければなりません。意外なことに、ナフタリンはそれにくらべて効果が長続きする上、ゴキブリの忌避剤にもなるそうです。さっそく衣類の防虫剤、それも臭いのを購入。玄関や裏口、それから靴の中に入られると危ないので、下駄箱の中にもすこしずつ並べておきました。
以来、家の中でムカデに遭遇することがなくなりましたので、ムカデにお悩みの方がいらっしゃいましたらお試しください。
今週の野菜とレシピ
先週に引き続きキャベツが入る予定でしたが、夏日が数日続いたため、キャベツに亀裂が入り、大半が割れてしまい、全セットはまかなえなくなってしまいました。逆に週末の寒さできゅうりが減速。不足分をそのキャベツで補わせていただきますので、よろしくお願いします。
山形の寺島さんにオカヒジキを出してもらいましたが、こちらも低温で数量が十分ではないとのことで、100グラムのパックになりました。オカヒジキはさっと湯がいて芥子醤油で和え、マヨネーズを添えると美味。
ルッコラはかなり大きくなっていますが、胡麻の香りは濃厚ですからサラダやパスタにお使いください。ニンニクとベーコンをカリカリに炒めてパスタを和え、最後にきざんだルッコラをたっぷり加えたお手軽ランチ。先週、これが大好評でした。
京菜で焼きそばというのも、よくお昼に作ります。ニンニクと桜エビを油炒めして、京菜といっしょに焼きそばにするのですが、味つけは塩と一味唐辛子、それにオイスターソースを少々加えるだけ。これも評判がいいですよ。
来週は好子さんのスナップエンドウが出てきそうです。