花粉症対策

2008年2月第3週

今週の野菜セット

左上から時計回り

寒い日々が続きます。

この寒さにもかかわらず、うちの犬はもう毛が抜けています。ぼそっぼそっと塊になって抜け落ちるのです。寒冷地仕様の犬らしく、近所の犬にくらべて数倍毛深いのですが、この時期、大量に毛を落とし、春になったらなったでさらに毛を落とし、それが初夏のころまで続きます。

そんなわけですから、いくらブラッシングをしても、犬のいる部屋には毛玉が浮遊していて、掃除機の袋はすぐにいっぱいになってしまいます。この寒さの中で、はやくも春の憂鬱がはじまったというわけ。

寒さは続いても、日はずいぶん長くなって、陽光も春めいてきた感じです。うちの犬はそれに反応しているのかもしれませんね。

春の憂鬱といえば、もう杉花粉が飛びはじめているようで、昨年の猛暑を受けて、花粉の量も例年の数倍。戦々恐々としている方も多いのではないかと思います。

製薬会社も商魂たくましく、花粉症対策のCMを流しはじめましたが、杉花粉の量は多くても、今年は春先の風がそれほど強くないはずなので、飛来する量は例年並みになるのではないでしょうか。大量の花粉、と聞いただけでくしゃみが出る人もいるでしょうから、マスコミの流す情報には惑わされないこと。もっとも会員の方は微粉末のビワ種を飲んでいらっしゃるでしょうから、悠然としているはずです。

先週あたりからビワ種の注文が増えてきました。新しく会員になられた方のために説明しますと、ビワ療法の正確な起源はわかりませんが、紀元前千五百年ぐらいのインドの教典には、すでにビワの木が「大薬王樹」として登場。ビワの木は、その枝・葉・根・種のすべてに効能がありますが、とくに種の中に含まれる仁は薬効があることから「天神さま」と呼ばれてきました。

日本には奈良時代に仏教とともに入ってきています。古刹の境内にビワの木が多いのはそのせいかもしれませんが、中でも天神さまは古くから民間薬の王座にあったといいます。それが江戸時代末期に入ってきた西洋医学の隆盛にともない、一時期、忘れ去られてしまいましたが、西洋医学の限界が見えはじめた現代にいたって復活。今わたしの手元にあるものは、酒屋を営んでいた井上氏がクローン病という難病を克服するため、独自の方法で作りあげたものです。

さて、その天神さまのどこに、医者に見放されたような患者を救う力があったのか。主成分は天然のミネラルと、ビタミンB群をはじめとする各種のビタミンですが、ビタミンB1に含まれるサイアミンという物質が筋肉・神経組織・心臓の働きを支援。さらにB2に含まれるリボフラミンが視力の増進、口腔や皮膚の炎症を和らげます。さらにビタミンB6が貧血や手足の神経炎を和らげ、老化の防止。ビタミンK内のフィロキノンが内出血や痔疾を防ぐと同時に、腸炎を予防。これが腸を溶かすクローン病という、不気味な難病に効果があったのではないでしょうか。

花粉症を抑えてくれるのが、ビタミンB17に含まれているアミグダリンです。これは昨今、抗ガン物質として有名になりましたが、アレルギー疾患の予防や治療にも効果があることがわかっています。しかも副作用がない。これがいちばんありがたいのではないでしょうか。クローン病は一生治らない、と医師から宣告された井上氏は、還暦を迎えてますます元気に自然酒と有機野菜のお店を切り盛りされています。

天神さまこと「ビワ健」は、100グラム入り2500円にてお分けしていますので、春が憂鬱という方はご一報ください。

花粉症の蔓延を受けて、農林省では目下、バイオテクノロジーとやらで花粉を飛ばさない杉の開発を手がけているそうです。

でも、その前にやるべきことがあるはずで、60年以上も前に戦後の復興のため、自然林を潰して杉や檜を植えるよう、補助金を出す制度が作られたのですが、杉も檜も外材に押され、採算が合わなくなって林は放置されたままになっているところが多く、それが災害を大きくする要因にもなっています。にもかかわらず、今もって補助金制度は変更されずに残ってますから、ただの木を植えておくぐらいなら、と杉や檜を植え、放ったらかしにする人が益子町にもけっこういるのです。

益子の山を見渡すと、およそ半分ぐらいが杉や檜に占められているのですが、その大半が手入れもされず、荒廃しています。ちょっとの風でも木が倒れ、それが山道の障害物となり、大雨や台風になると鉄砲水や土砂崩れを引き起こしかねません。

この政策を180度転換して、伐採計画のない杉・檜林を照葉樹林に変える方にお金を出せば、災害対策にもなる。杉花粉の飛来も、周辺に照葉樹林が育てば大幅に減少するはずで、しかもこういう自然林は人手をかける必要がないのです。四季を通じて青々と葉を茂らせる照葉樹は、秋には大量のどんぐりを落としますから、イノシシやシカの食害も激減し、クマも人里に出てこなくなる。いいことずくめです。

そんな素人にでもわかるようなことをやらないで、バイオテクノロジーに走ろうとするのが庶民にはわからない。バイオ杉ができたとしても、それが生態系にあたえる影響を考えたら、めったやたらと植えるわけにはゆかないと思うのですが、一度決めた政策はなにがなんでも押し通すがお役所の常。そのくせ憲法の見直しとなると、にわかに色めき立つのですから、ほんと、摩訶不思議な世界です。

今週の野菜とレシピ

先週に続いてちぢみほうれん草が入りますが、霜でやられた外葉を落としているため、予想外に減りがはやく、全セット分はまかなえそうもないということです。その分、ター菜で補わせていただきますので、一部の方はご辛抱ください。

小松菜も霜枯れした外葉を落としているため、今年は減りが早そうです。その点、春菊サニーレタスはビニールトンネルがかけてあるので、霜害を受けることなく育っています。

待望の椎茸ですが、やはり生育が追いつかないようで、いつもより量がすくなくなっています。その分、しめじに応援してもらう形になりました。

里芋は皮を剥くのがめんどうなので、敬遠されがちですが、皮をつけたまま湯がいてしまうと、皮剥きが楽になります。それをつぶして団子にし、鰹節にまぶして揚げると、お手軽和風コロッケ。これは醤油で召しあがってください。

*野菜たっぷりセットの方には、レンコンが入っています。これは益子町に近い茨城県境でEM菌を使って無農薬栽培されたもの。甘くて食感のいいレンコンです。

これもほんとうは全セットに使いたいところなのですが、出荷量が限られているため、一部の方のみとなりました。申しわけありません。