今年の気象

2010年2月第1週

今週の野菜セット

左から

寒い日々が続いています。

気象庁によると、先週は三月下旬から四月上旬の陽気があったり、ひさびさに雨が降ったりすることになっていたのですが、ぜーんぶウソ。このあたりだけが特殊なのかもしれませんが、雨も降らず、桜が咲くような陽気というのにも遭遇することはありませんでした。

あいかわらず畑の地温は低く、ただでさえ乾燥気味なのに、残りすくない地中の水分が霜となって押し上げられ、奪われるという状況が続いています。それでも雪がないだけ農作業は楽なのですが、いっそ雪でも降ってくれたほうが・・・という声が聞かれるようになりましたから、水不足は深刻になっているようです。

ただでさえ野菜が乏しくなってくる二月、三月。それをどう乗り切るか、例年以上に苦労するかもしれません。

今年も福島の仲間から長期的な気象予報が届きました。アテにならない気象庁とはちがい、これは的確。今後の作付けの指針になりますが、みなさんも参考にしていただければさいわいです。

今年は太陽の黒点活動が最少年を過ぎた二年目で、最近では平成十年が類似年になります。それに金星と木犀の活動を動きが加わりますから、このふたつの星の近遠日点が一致するのは昭和六十二年になるとのこと。もっとも、そんな昔の天候など、だれも憶えていないので、秋山さんが割り出してくれるデータに頼るしかありません。

この冬は期間を通して断続的に強い寒波が襲来し、全国的に寒い冬になる。これはもう、わたしたちが経験していることですね。春は平年並みに訪れるそうですが、五月にはブロッキング高気圧の影響で寒気が入り、全国的に低温になりやすいといいます。また海水温が上がり、暖流の流れが強くなるので、黒潮の蛇行現象や親潮の南下が起こりやすく、梅雨期にはオホーツク海高気圧が強く、北日本ではヤマセ現象が発生しやすくなり、低温と日照不足が心配されるそうです。梅雨前線は本州付近に停滞することが多く、西日本では断続的に局地的な大雨に見舞われるとのこと。

いちばん気になる今月はというと、二月に入っても冬型の気圧配置が続き、全国的に寒い日が続きそうです。中旬には日本列島の南岸を低気圧がしばしば通過。関東や甲信地方では大雪になるそうですから、農家の「いっそ雪でも降ってくれたほうが」という言葉通りになるわけですが、そうなればなったでひと苦労ありそうですね。

西日本もうかうかしてはいられません。大雪こそないものの、今月下旬には寒気が南下して真冬並みの寒さになるといいますから、要注意。そして北日本では彼岸前後にも、また大雪が降るといいますから、寒かった今年の冬は最後まで波乱含みになりそうです。

ここ数年、雪とはすっかり無縁になってしまいましたが、このグループができたころには毎年、春には雪が積もったものです。このあたりは昔から真冬より、春先に雪が集中していたみたいですね。彼岸前後の雪というのも、けっして珍しいものではありませんでした。

農作業を考えれば雪は厄介なものですが、野菜にとってはそうではありません。霜が植物の根を傷めるのに対し、雪はやわらかい掛け布団のように作用するからです。冬の間、畑が雪に埋もれてしまう北国では、経済効率はわるいけれども、畑が分厚い布団の下でゆっくり休眠できるのです。寒風にさらされない分、土の中はあたたかく、人間には不都合でも、土中の生物にとっては好条件となるようです。

雪国のように長期間ではありませんが、このあたりでも雪が降れば、畑の雪はけっこう長く残ります。冬眠とまで行かなくても、仮眠は取れそうで、畑は活気を取り戻しそう・・・。雪のパックで霜疲れしたお肌が蘇る。そんな感じみたいです。

物置で埃にまみれた雪かき道具も、今年は出番があるかもしれない。いざというとき使えるかどうか、チェックしておいたほうがよさそうです。慣れない雪かきは足腰に負担がかかるのですが、それでもなんだかわくわくしてきます。

毎年、冬になるとタイヤをスタッドレスに替えるのが習慣になっていますが、無意味にすり減らすだけだったのが役に立つかもしれない、という期待もあったりして・・・。ひさびさの雪が今から楽しみです。

今週の野菜とレシピ

好子さんの青首大根が再登場しましたが、寒さと乾燥のため、暮れの大根ほど大きくはありません。かぶもなかなか大きくなれないようで、どちらも味噌汁向きのサイズです。

菜飯

大根の葉っぱのほうは青々として元気そう。春を先取りして、菜飯というのはいかがでしょう。大根の葉と茎を細かく切り、熱湯をかけて口あたりをよくしてから塩をからめます。よく絞って水気を切り、ちりめんじゃこ、煎り胡麻といっしょにご飯に混ぜるだけ。これは茶碗に盛るよりもお握りにしたほうが、不思議とおいしく感じられ、子供たちにも人気があります。

ニラの鍋

寒さはまだまだ続きそう。身体が芯からあたたまるニラの鍋というのはどうでしょう。そのために今週はニラがたっぷり三束ずつ入っています。豚バラ肉の薄切りを400~500グラム、たっぷりと用意してください。あとは豆腐を1~2丁。土鍋に半分ぐらい水を張って、朝から昆布と煮干し、または鰹節を入れておきます。夕刻、それを火にかけて、沸騰する直前に取り出し、豚バラ肉を入れ、アクを掬いながら塩と味醂、香りつけの醤油で調味。味醂の代わりに酒とザラメ糖でもOKです。豆腐を入れたらテーブルに移し、3センチぐらいに切りそろえたニラを鍋に入れながらいただきます。唐辛子は七味よりも一味のほうが合うので、お好みで振ってください。

食べ終わるころには汗ばんでくるぐらい。肉がダメという方は、濃いめに出しを取り、細切りにした油揚げを使えばどうでしょう。残った汁でうどんを煮るとこれが絶品。わたしたちはニラうどんと称して、お昼によく食べています。


京菜もほうれん草も、今週は小さすぎて使えませんでしたが、水不足が解消されれば来週あたりなんとかなるんじゃないか、とのこと。椎茸ももう一週待てばなんとかなりそう、とのことでした。