寒のもどり?

2010年6月第1週

今週の野菜セット

左から

先月、五月晴れの日はいったい何日あったでしょうか。月末は梅雨入りしたかのような曇天続きで、気温も上がりませんでした。

そんなわけで、きゅうりが次から次と花をつけても、みんなぽろぽろ落ちてしまうそうです。遅霜の心配はなくなったとはいえ、こんなことで夏野菜が育つのか、ちょっと不安になってきます。

こんな調子で、ほんとに夏になるのかしら。いぶかっているところへ、気象庁が早々と冷夏予想。ほんまかいな、と秋山さんの年間予報を調べてみました。

梅雨入り、明けともに例年より遅れがちで、東日本は低温と日照不足の傾向がある、とありました。西日本では断続的に局地的な大雨になりやすく、来月下旬になるとオホーツク海高気圧が強まって北日本を覆うようになる。そのため関東以北では低温とヤマセによる日照不足が続くそうです。やっぱり冷夏?しかしその後、太平洋高気圧が急激に強まって、全国各地でいっせいに梅雨明け。全国的に平年並みか、例年より高めの気温になる、とありますから、大丈夫、暑い夏がやって来そうです。

ただ、それまでの低温で夏野菜が疲弊していなければいいのですが・・・。また、八月上旬には台風、あるいは台風くずれの低気圧が影響して、関東と東北の太平洋側で大雨があり、被害が出るのではないか。そんな心配もあるようで、農家にとって苦労の多い年であることに変わりはなさそうです。

冷夏などといわれて、そんなことがあっては・・・と秋山氏の予報に頼り、冷夏どころか例年より暑くなるとわかってほっとしたものの、現時点のこの寒さ。こればっかりは秋山氏が去年から言及していたことなので、覆しようがありません。たまには外してくれてもいいのにね。

ここ数日の冷えこみようでは、きゅうりどころか、今週のメインになる豆類だって生育が止まりかねない。これは由々しき問題です。ついこの間冷や奴を食べたばかりなのに、今日あたり、湯豆腐が恋しくなったりするのですから、たまったものではありませんよね。

おてんとうさまの顔が見たい。夏になったらイヤというほど見るんでしょうけど、今見たいんですよね。贅沢でしょうか?あたりまえみたいなことがあたりまえじゃなくなって、贅沢になる。これからそういうことが増えてきそうで、気が滅入ります。

それにしても寒いなあ。セーターはみんな洗ってしまったし、コートはクリーニングに出したまま。またぞろ炬燵にでも潜りこみたい気分ですが、ここにはそんなものありませんしねえ。困ったものです。

山の中の生きものたちも、きっと寒い思いをしているんでしょうね。キツネやタヌキも冬毛は抜け落ちているでしょうし、イノシシたちも身を寄せ合っているかもしれない。もっとかわいそうなのは、低温で身動きがとれなくなったヘビやトカゲで、そろそろ脱皮の時期だというのに、大丈夫なんだろうかと気にかかります。

うちのまわりのヘビたちも、今年はまだマムシもヤマカガシも青大将も、ちらとも姿を見せません。あ、マムシは春先、ちょっと気温が上がったときに草むらで尻尾を踏んづけそうになったのでした。おたがいに、今年もよろしくお願いしますと挨拶し合って、それっきり音沙汰なし。わたしたちが炬燵に潜りこむように、冬眠中使っていた穴に潜りこんでいるんでしょうか。

そうなったらそうなったで、やっと迷惑な客がいなくなったと喜んで住居を改装。子育てをはじめていたモグラはびっくり仰天。あたふたすることになります。時ならぬ寒さはそんなところまで影響を及ぼしているのかもしれず、ほんとうに困ったものです。

今週の野菜とレシピ

前述したように、低温のためきゅうりが実をつけることができません。それで今回は豆が三種、入ることになりました。スナップエンドウモロッコいんげんソラマメです

豆類三種

空豆、スナップエンドウ、モロッコインゲン

スナップエンドウはさっと湯がいてサラダにするか、油炒め。お奨めは卵とじです。スジを取ったエンドウを小ぶりの鍋に入れ、麺つゆで煮て卵でとじるのですが、エンドウから水分が出るので、煮汁はできるだけすくなめに・・・。落とし蓋をするとすぐに煮えますから、素早く卵でとじてください。これを食べるとなぜか子供のころを思い出す。なつかしい味のするお総菜です。

モロッコいんげんはスジを取って半分にして、肉類といっしょに炒め煮にすると美味。牛肉か鶏の手羽先を炒め、砂糖と醤油で濃いめに味をつけたところへいんげんを加えます。水と酒少々を入れ、落とし蓋をしていんげんがやわらかくなったところで、唐辛子少々をふってください。

いんげんを斜めに細く切って炒め、ひじきといっしょに煮たのもおいしいですよ。

ソラマメは塩茹ですると、ほんのすこしになってしまいます。家族の多いご家庭ではソラマメご飯にすると、たっぷりソラマメの味と香りが堪能できます。生のまま皮を剥くのがちょっとめんどうですが、すぐに慣れてきれいに剥けますので、それをふたつに割っておきます。ふつうの豆ご飯の要領で炊くと、豆がやわらかくなりすぎるので、ご飯が炊きあがる直前に入れるのがコツ。ご飯にはあらかじめ塩味をつけておいてくださいね。

野菜不足を補うために、フキに再登場してもらいました。葉っぱのほうはかたくなっているので、今回は落としてあります。湯がいてから皮を剥き、3センチ前後に切りそろえてきんぴらにしてどうぞ。唐辛子を利かせてピリ辛にするとご飯がよく進み、お弁当のおかずにもなります。

春菊はさっと湯がいて、酢を少々加えた胡麻和えがおすすめ。小松菜はおひたしやスープにご利用ください。