春の雪

2010年3月第5週

今週の野菜セット

左から

お彼岸を過ぎても寒い日が続いています。雨も多く、それが途中から雪になることもしばしば・・・。「暖冬」というのもウソでしたが、春が早いというのも真っ赤なウソ。気象庁のいうことはアテにならないと思っていても、こういつまでも寒さが続くと、ちょっとイヤになってきますよね。

はい、それでは信頼のおけるほうの気象予報。秋山氏の年間予報はどうなっているでしょうか。

彼岸前後に大雪が降り、五月中旬には晩霜がある、とありますが、三月・四月・五月の平均は気温、降水量ともほぼ平年並みになるようです。四月前半は移動性高気圧に覆われ、晴天が多くなりそう。でも、中旬になるとオホーツク海高気圧が発生し、太平洋側には前線が停滞して下旬までぐずついた天候が続くそうです。

五月前半は、大陸に発生する低気圧と高気圧が代わる代わるやって来て、周期的に変化しますが、中旬以降はカムチャッカ付近にブロッキング高気圧が発生し、この影響で全国的に低温になるそうです。下旬にも大陸で発生する低気圧の影響で、天気は周期的に変化し、寒暖の差の大きい気候はそのころまで続くんですね。家庭菜園やお出かけの参考にしていただければさいわいです。

こんな天候でも、あちこちで桜が開花。このあたりでも、蕾がふくらみはじめたのが遠目にもわかるようになってきました。ひと足早く辛夷(こぶし)が白い花をつけ、レンギョウも黄色い蕾をふくらませています。

足元では水仙に続いてクロッカスが満開になり、ムスカリも花盛り。その真ん中でクリスマス・ローズがたわわに花をつけています。どれもこれも放ったらかしなのに、春ごとにみごとな花をつけて人の目を楽しませてくれる。中には存在すら忘れているのに、季節の移り変わりを教えてくれるものもあって、その健気さと強靱さには胸を打たれます。

畑でも、ニンニクの芽がいつの間にか背丈を伸ばしています。これは知らない人が見たら、水仙と見まちがいそう・・・。白や黄色の花をつけても違和感のない姿形をしています。ソラマメの芽もかなり大きくなってきました。でも、大きくなるのは花や野菜だけではありません。オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、ハコベ、タンポポ、ホトケノザ・・・。そう、雑草と総称されている植物たちも、ここへ来て勢いを増してきたようです。

栽培種と野生種とのせめぎ合い。どこにどう線引きをして、折り合いをつけたらいいか、今年も頭の痛い季節がやって来ました。早くあたたかくなってほしい。でも、草はちょっと待ってくれ、というわけには行かないのがつらいところです。

まあ、そんな虫のいい話はありませんけどね。そろそろ虫も動き出しているようですから、有機農家にとってはこれからが正念場。忙しくなりそうです。

と、ここまで先週末に書いてきましたが、明けて月曜日。朝、寒いなあと思いながら窓の外に目をやると、あろうことか雪景色。秋山氏の予報もここまで当たるとかわいげがない、などと八つ当たりしながら、雪の中を犬といっしょに歩いてきました。

日曜日の真冬なみの寒さといい、この雪といい、ようやく顔を出しはじめたツクシがびっくりして引っ込んでしまいそう・・・。日が高くなるころには雪も止み、すぐに解けてしまうでしょうが、来週の通信には春本番、桜満開といった話題が載せられるといいですね。

山の中の食糧もいよいよ枯渇してきたと見え、庭先を荒らされる家が増えてきました。わが家の裏庭も、なにを食べたのか、ごっそり土がえぐり取られています。イノシシのためにも、春よ来い、早く来い。鳥のためにも、人のためにも、あたたかい日射しがほしいものです。

今週の野菜とレシピ

野口さんの春キャベツが入る予定でしたが、先週、あちらでは雨が続いていたらしく、収穫が見送られてしまいました。キャベツは収穫できる大きさに育っていますが、多雨の中で収穫すると輸送中に傷みが出る可能性があるからです。申しわけありませんが、もう一週、お待ちください。

(野菜たっぷりセットにはキャベツが入っていますが、これは青山さんの畑の生き残り。例年にない寒さで大半がやられてしまいましたが、いくらかは無事だったようです)

ラデイッシュは「さくらんぼ」という真っ赤な品種から「キスミー」という淡い品種に変わりましたが、食べかたはおなじです。このタイプは細長い形状で、丸かじりしやすいので人気があるそうです。青山さんのニンジンも、塩かマヨネーズで丸かじりがおすすめ。

ルッコラは魚介類といっしょにサラダで・・・。刺身用の白身魚かホタテの貝柱を用意。ルッコラの上に薄くそぎ切りにした刺身をのせ、軽く塩、胡椒をふってからオリーブ油をたっぷり、醤油を少々まわしかけます。これ、ガーリックトーストにのせて食べるとおいしいですよ。

ニラ玉

ニラは卵と相性がいいので、ニラ玉を二種。溶き卵に1~2センチに切ったニラを混ぜ、塩だけで調味。それをフライパンに薄くのばして焼くタイプと、もうひとつはいわゆるニラ玉汁。これは味噌仕立てのほうがおいしいので、まず味噌汁を用意。煮立つ寸前に溶き卵を入れ、最後にニラを入れて火を止めてください。先にニラを入れてしまうと、ニラの甘みと香りが損なわれるからです。蓋をして、ひと呼吸おいてからお椀によそってくださいね。


じゃが芋の発芽がはじまりました。会員のみなさんはもうご存じでしょうが、じゃが芋はこの時期、いちばんおいしくなります。発芽がはじまるとデンプンがアミノ酸に変えられるからで、甘みと滋味がぐーんと増すんですね。ただ、残念なことに在庫が残り少なくなっているので、通常より量は少なくなっています。

横畠さんのじゃが芋はこれが最後。好子さんの新じゃがが出てくる六月まで、しばらく姿を消すことになります。