雨の降りかた・人のありかた
2010年6月第5週

左から
- ズッキーニ
- 絹皮なす
- ナス
- タマネギ
- ニンニク
- オクラ
- キュウリ
梅雨入りしたかと思うと、もう梅雨の中休み?晴天続きで、梅雨入りしてからというもの、雨は半日ぐらいしか降っていないのです。
困ったもんです。でも、九州南部は大雨続きでもっと困っているはずです。とくに宮崎県では連日、大雨の中で牛の大量処分が行われているわけで・・・。地盤がゆるんでいるため、重機が巨大な穴に転落しそうになったり、担当職員は実際に転倒し、消毒用の消石灰にまみれて火傷を負ったりしているそうです。そこに累々と牛の死体が重ねられていくのですから、さながら地獄絵図。
そんなおそろしい光景も、農家の精神的・経済的ショックにくらべたら、たいしたことではないのかもしれません。そんな中を参院選の選挙カーが無神経に走り回る。県民が外出を自粛しているような状況下です。それで被害が拡大するようなことになったら、いったいだれが責任を取るんでしょうね。
集中豪雨も困りものなら、空梅雨も困りもの。このあたりのパターンとしては、この時期に雨が降らないと梅雨明け後、豪雨や雹に見舞われる確率が高くなるのです。梅雨というのはうっとうしいものですが、この時期の長雨が稲作に寄与するものは大きく、モンスーン気候がアジアの農耕を支えてきたといっても過言ではありません。
そのモンスーン気候がもたらす季節の移ろいが、益子GEFが歩んできた四半世紀のうちに大きく変貌してしまいました。まず、雨の降り方が変わってきた。本州全体がすっぽり雨雲に覆われ、じとじとと雨が降り続くなどということがことがなくなって、局地的なスコールに取って代わったのです。「さみだれ」などという叙情的なものは姿を消して、旱魃か、さもなければ豪雨という二極化が進行中。ほどほどというのがなくなってきたみたいです。
それって、日本人の大部分がふつうの人であり、中流階級だったのが、貧と富に二極化してきたのに歩調を合わせているかのようです。趣味の世界も片手間ではなくなってオタク。さもなければそれらしいものがなにもない。料理だって上手下手はあっても、それなりにみんなが食事を手作りしていたのが、今や凝る人は凝りまくる。その一方で、台所にまな板もない家庭が存在したりしています。
子育ても二極化しているようで、溺愛するか、さもなければ虐待で、どちらにしても子供にとってはいい迷惑。怒るときはちゃんと怒る。ちょっとぐらいなら叩いてもいいから、そのかわり後で思い切り抱きしめてやればいい。ところが怒る人は怒りっぱなしで、抱きしめる人はというと、子供が窒息しそうになってもおかまいなし。子供の個性を伸ばすのを、躾をしないのと勘違いしている人もいたりして・・・。
ふつうの人がどんどんいなくなって、グルメでもジャンクでもない、ふつうのご飯が希少なものになってゆく・・・。
雨がしとしとと降るのをやめて、豪雨になるか、まったく降らないか。極端になってしまったのとおなじだと思うのですが、これは気候が人間界を真似ているのか。あるいは気候がそんな風だから、人間が変わってしまうのか。鶏が先か卵が先か、みたいなところがありますが、それぐらい自然界と人間界は互いに大きく影響し合っているのです。
ふつうの人から脱却するために努力していた時代は終わって、努めてふつうの人になり、ふつうの人を育てることがCO2の削減などより急務。重要課題なんじゃないか、などと思っていると、土曜の夜から日曜日にかけて、しとしとと雨が降りました。いわゆる「さみだれ」で、そうそう、これこれ。これが欲しかった。この調子なら、ふつうの人が育つ素地も残っているかも・・・と、すこし気が楽になったのでした。。
今週の野菜とレシピ
今週はピーマンが出てきました。まだ量が安定しないので、代品が入る場合もありますが、その際はご容赦ください。
ピーマンは半割にして種をつけたまま、揚げるか油で炒めてお召しあがりください。種をつけているワタの部分に甘みがあるからです。これを取り除いてしまうと、ピーマンの皮だけ食べているような侘びしい感じがするぐらい。中身は捨てないでくださいね。
ズッキーニは薄く輪切りか半月に切って、ニンニクといっしょにオリーブ油で炒めて塩、胡椒。そのままでも、パスタに和えても可。ズッキーニの味噌汁というのも意外においしいんですよ。玉葱や新じゃがといっしょに具だくさんにしてどうぞ。
きゅうりの即席漬け
きゅうりの即席漬け。きゅうりを斜めに薄切り、ニンニクひとかけもスライスし、皿に入れて醤油をまわしかけるだけ。あんまり簡単なので、即席漬けというのも憚られるぐらいですが、味は抜群。香りもさわやかで、生のニンニクを食べているという感じがしないぐらいです。
評判のいい絹皮ナス。1センチ強の厚さに輪切りして、真ん中に切れ目を入れ、青紫蘇と練り芥子を挟んで両面こんがりと焼き、生姜醤油で・・・。子供や若者向きには、紫蘇と芥子をハンバーグ種に変えてみてください。薄切りにして、きざんだ青紫蘇、おろし生姜少々といっしょに塩もみ。しんなりしたら水気を切って、煎り胡麻をたっぷりかけた即席漬けもおすすめです。
来週は好子さんの茄子が登場。福田さんのトマトも、そろそろ色づいてきたようです。

今週も絹皮ナスの大きさを