2009年の気象

2009年2月第1週

今週の野菜セット

左から

先週末はひさびさの雨。それも大雨で、強風をともなっていましたから、もうすこし気温が低ければ猛吹雪?相当な積雪になったにちがいありません。

さいわい雪にはならなかったので、今週も予定通り野菜が出荷できそうです。毎年のことですが、この時期の低気圧にはハラハラさせられます。賽を振って丁半でも占っているかのよう・・・。しかし、気象というのはそんな場当たり的なものでなく、一定の法則というものがあり、一陣の風といえどもそれから外れることはないんだそうです。

日曜日、福島で気象の説明会があり、今年も近隣の農家が集まりました。太陽を中心に、地球と金星・木星との位置関係から割り出される一年間の気象予報。二十年以上続いている勉強会です。

太陽黒点は十年周期ぐらいで増加と減少を繰り返していますが、昨年が今周期の最少年。今年が増加のはじまる一年目になりますが、昨年に引きつづき、黒点の少ない年となる上、太陽が北回帰線にくる六月十四日に金星が遠日点に入ります。つまり北半球における太陽の照射角度がいちばん大きくなり、地温が上がりやすいときに金星が遠ざかっているため、太陽のエネルギーが弱くなる。そのため中国大陸北部の地温が上がりにくく、東高西低の夏型の気圧配置になりにくい年になりそうです。

しかし、ちょうどその時期、木星が近日点に近づきつつあるので、いくらかは緩和されるだろう、とのことですが、夏の前に梅雨寒があり、梅雨明けも遅れ気味で、梅雨が明けてももどり梅雨があるような、はっきりしない天気が続きそうですが、八月には猛暑、干天となります。このあたり、米作りでもっとも大事な時期にあたります。

干天ではあっても、局地的な大雨は今年も発生しそうで、今年は台風も七月から八月にかけて上陸。九月にもひとつ、大型のがやって来るそうです。去年は予報通り、台風とは無縁でしたが、今年はにぎやかになりそうですね。

気になる春はどうでしょう。

今月二十一日に金星が近日点に入り、太陽からのエネルギーが強くなることから、春は赤道付近の海水温が上がりやすく、暖流の動きも活発になり、これが東シナ海や日本海の海水温を高くします。一方、ベーリング海からの親潮の南下が大きく、南東海上には高気圧が発達しやすいとのことで、春に入ってからは温暖な日が多く、三月から五月にかけての気温は、全国的に平年並みか、やや高めで、異常高温が観測されるところもあるそうです。

注意事項は、三月下旬に寒気団が南下するので、関東甲信越地方に大雪があるというのと、関東以西の太平洋側では三月、極端な日照不足が発生しやすい。また四月には、発達した低気圧が日本海側を通るため、山陰・北陸地方にフエーン現象が発生。火災が起こりやすいので要注意、とのことでした。

今月はあたたかい日が多いそうですが、下旬、一時的に冬型となり、西日本方面に寒気が入りこむ、とのこと。降水量は太平洋側で、平年の二・三倍の多雨になるそうです。というか、もうなっている・・・。今年もどんぴしゃり。農家ほどではないにしても、わたしたちの生活も大部分が天候頼み。気象庁の予報みたいに外れることはありませんので、参考にしてくださいね。

早いもので、もう節分。文字通り季節の分かれ目で、日脚が長くなるにつれ、春の光も増えてきそうです。

梅の蕾はまだかたいのですが、わが家の梅にはいろんな花が咲いています。半割りのりんご、少々難ありの柑橘類に加えてパンの花。これらは野鳥用ですが、今年はなぜかスズメが寄りつかないので、パンの売れ行きがかんばしくありません。去年は朝、枝に挿しておいた四個のバターロールが、お昼にはもう消えていて、また追加しなければならなかったのに、今年はヒヨドリが啄むだけ。例年の半量以下です。

見た目にはヒヨドリのほうが身体も大きく、どん欲そうなのですが、小さなスズメたちの食欲にはかなわないみたい。ま、スズメがパンを食べに来ないということは、食糧に困っていないということですから、スズメにとっても、スーパーのパン売り場をはしごして、値引き商品を買いあさる側にとってもラッキーなんですけどね。

驚いたのはこの時期にサギの成鳥に出くわしたこと。サギはもともと渡り鳥ですが、十年ぐらい前から幼鳥を残してゆくようになっていました。温暖化の影響で、真冬でも幼鳥の餌になるぐらいの雑魚に不自由しなくなったのでしょう。渡りのリスクを考えたら、その年に生まれたものを残してゆくのは得策ですからね。

幼鳥の羽根はまだ保護色で、成鳥のように真っ白ではありません。仲間が南のほうから帰ってくる五月末には、かれらも真っ白になって見分けがつかなくなるのですが、二月に白いサギの姿を見ることはなかったのでした。今回は一羽だけですが、もしかしたら次の冬には数羽になり、幼鳥を残留させる戦略同様、すこしずつ様子を見ながら増やしていって、あと十年もしたらサギたちは渡りをしなくても生きてゆけるようになるかもしれない・・・。

渡りといっても、ツバメのように東南アジアまで行くわけじゃない。せいぜい九州か四国、遠くて沖縄ぐらいですから、パスポート不要の国内旅行。でも、北関東の山の中から四国や九州まで自力で飛んでゆくのですから、それがなくなればサギの生活は格段に楽になるはずです。しかし、サギの暮らしが楽になる分、どこかで生息地をなくす動物たちが出てくるはず。

これまで便利で快適な生活のため、何万種という動植物を絶滅に追いやってきた人類のわたしがこんなことをいうのもなんですが、サギの成鳥が葦原から飛び立ったとき、その白い羽根が経帷子のようにも思えたのでした。いくらなんでも、これはちょっとまずいんじゃないか。宇宙の諸力に動かされてきた気象をそこまで変えてしまうのは、神をも恐れぬ行為としか思えませんものね。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんの大根と小かぶが入ります。

小かぶは食べやすいように半分にして、同量の味噌とマヨネーズを混ぜたソースで丸かじりがおすすめ。この「味噌マヨ」はふろふき大根にも合います。玉葱を皮つきのまま半分に切り、蒸してからこのソースをのせ、あつあつをスプーンでいただきます。これ、絶品。身体があたたまるので、風邪気味の方にもおすすめです。

らっきょうの間引き。これを軟白したものがエシャロットです。これも「味噌マヨ」をつけて生食できます。細かくきざんで納豆に入れると、青葱より食感と香りがよく、これはクセになります。また、かき揚げにするとびっくりするぐらい甘くなりますよ。これはお塩でどうぞ。

ルッコラと椎茸のパスタ:ルッコラはよく水を切って、3センチぐらいに包丁を入れておきます。フライパンにオリーブ油を入れ、ニンニクひとかけを弱火でじっくり炒めて取り出します。次いでスライスした椎茸を入れ、これも弱めの火でじっくり炒めます。塩、胡椒して湯がいたパスタを入れ、火を止めてからルッコラを加えてからめます。

椎茸にかぎらず、ハムやベーコンでも、はたまたニンニクと唐辛子でも、最後にルッコラを加えると味も香りもぐーんとよくなります。短冊に切った大根に鰹節と三杯酢をかけ、ルッコラを散らしたサラダもイケますよ。