梅雨対策

2009年6月第3週

今週の野菜セット

左から

あちこちで栗の花が匂うようになりました。花の香りというよりも、栗の雄花というのは漂白剤や消毒剤みたいな臭いを発散するのですが、高温多湿のこの時期には、それが妙にさわやかに感じられたりするものです。

十文字の可憐な花を咲かせるドクダミもまた、悪臭と紙一重のところで梅雨の憂さを払ってくれます。生け花にすると、凛とした姿形がうつくしい。束にして冷蔵庫に入れておくと、防臭剤代わり。防腐剤代わりにもなりそうな気がしますけど、臭いがうつると困るので、清涼感を楽しむにとどめておいたほうが無難かもしれませんね。

うちでは生ゴミを裏庭に埋めていますが、そこでも大量にドクダミが使われます。そうするとウジが湧かないからで、昔は厠でも利用されていたそうです。栗とドクダミ。この異臭コンビが梅雨どき、同時に花をつけるということは、やっぱりなにか意味があるのかもしれません。ところかまわずカビが生え、食べものは腐りやすく、下水口からは悪臭が・・・。そういう現象に対して、必然的にこれらの花が出てきたというのは考えすぎでしょうか。

それはともかく、ドクダミも栗の花も慣れ親しむにつれ、それが異臭から芳香に変化してゆくのが面白いと思いました。

毎年、この時期になると冷蔵庫やストッカーの中をアルコール消毒するのですが、今年はそのアルコールがどこにもありません。

えっ、どうして?春先の豚インフルエンザの影響で、日本中の薬局から消毒用アルコールが消えてしまったというのです。マスクが消えたというのは知ってましたが、アルコールまで・・・。

まあ、いいけどさあ、あの程度のインフルエンザで消毒用アルコールの需要が追いつかなくなるんじゃ、ほんとうのパンデミックスになってしまったときにはどうすんだろう。ワクチンが足りない、などという以前の問題でしょ。そんなことで医療が立ち行くんだろうか。

そんなことをぼやいていたら、うちの母がいいました。アルコールなんか買うてこんでも、あんた、木搾いっぱい持ってるでしょ。あれ使こたらええやないの・・・。そうでした。忘れてました。わたしが木搾酢を使うたびに、母が「昔の病院の臭いがする」といっていたのを・・・。

というわけで、冷蔵庫の大掃除の仕上げは木搾になりましたが、これも上記のドクダミや栗の花に通じるものがありまして、慣れない人にとっては悪臭。

そんなわけで廊下の壁面などは、食用酢を混ぜて拭きあげたしだいです。

この話、よく憶えておいてくださいね。カビ取りではありません。アルコールの代用品として木搾酢が使えるという話です。豚インフルエンザは今のところ小康状態にありますが、このまま立ち消えになるとは思えない。おそらく秋以降、毒性を強めてもどって来たりするんじゃないか・・・。

でも、そのときにはマスクもアルコールも、わたしたちの手に入らなくなっていると思うのです。どちらも増産してはいるんでしょうが、医療関係機関でしっかり備蓄してしまうだろうからです。木搾酢の臭いに閉口する人もいるでしょうが、ドクダミや栗の花同様、それもすぐに慣れて、爽快感に取って代わるかもしれませんよ。

おまけの話。

消毒用アルコールの棚はからっぽでしたが、燃料用アルコールのほうはいつも通り、ちゃんと在庫があったので、そっちを購入。ついでに換気扇もきれいに磨いておきました。

ああいう油汚れのひどいものは、洗剤を使うより、ボロ布にアルコールやベンジンをたっぷり含ませて拭き取ったほうがきれいになります。作業もこっちのほうが楽。ただし、ガス漏れ警報機が作動して、けたたましい音を立てることがありますので、事前にコンセントを抜いておいたほうがよさそうです。いつもそれを忘れて、びっくりするんですけどね。ま、これも参考になればと思い、付け加えておきました。

今週の野菜とレシピ

お待たせしていたオカヒジキが入荷しました。しゃりしゃりした食感が身上の夏野菜。さっと湯がいて、芥子醤油やワサビ醤油で和えてどうぞ。子供向きにはマヨネーズを加えるとよく売れます。

今週のキャベツは葉がやわらかく、生食向き。ちりめんじゃこをよく炒め、そこへ千切りキャベツを加えて、きれいに混ざったところで火から下ろして一味唐辛子と醤油で調味。サラダと炒めものの中間みたいになりますが、これがご飯によく合うんです。ぜひお試しください。

トマトも出てきました。初物なので500グラムと少量ですが、もう味はのっています。スライスしたトマトの上に、さらし玉葱をのせ、酢:1、醤油;1、油:5に塩、胡椒で調味したドレッシングをかけるとおいしいですよ。

来週はズッキーニやピーマンといった夏野菜も参入。一気に夏の気配になりそうですね。