子育ての季節

2009年6月第4週

今週の野菜セット

左から

梅雨空のもと、気温は低いのですが、ちょっとでも日が射すと蒸し暑くなってきます。じっとしている分には涼しいけれど、ちょっと動くと汗をかく。そんな日々が続いています。

梅雨明けは平年並みか、やや早めになりそうですが、東海上の高気圧が強く、関東以西では暑くなりそうです。また、南から温暖な空気が流入するため、七月に入ると雷雨が多発。降水量は北陸が多く、台風も上陸する、と佐藤さんの年間予報にはあります。

八月に入るころには、大平洋高気圧もオホーツク海高気圧も強く、関東以西は記録的な猛暑干天となるそうです。この夏、いちばん涼しいのは沖縄だといいますから、避暑にお出かけの際は北のほうではなく、沖縄に飛んだほうがよさそうですね。避暑に出かけられないわたしたちはというと・・・、今年も猛暑の中でふんばるしかなさそうです。

平地では、ツバメが二度目の産卵期に入っているのだとか。今ごろになってようやく、わが家の軒下でもツバメの巣作りがはじまりました。

ドジな人間が住んでいるところには、ツバメも不器用なのが来るんでしょうか。毎年のように途中で巣が落ちて卵が潰れたり、ヒナが死んだりしているのですが、それを見越して軒下に落とし蓋やら、かまぼこの板やら打ちつけてあるのに、プライドだけは高いらしく、そういうものは利用しない。今年もいやみったらしく、落とし蓋のすぐ脇で営巣をはじめたのですが、どうなりますか。

ガレージの中で営巣するカップルのほうは、うちに来るツバメにしては優秀で、さっさと子育てをして去ってゆくのですが、今年は申しわけないことに薪の山が残っていました。そんなものが天井ちかくまで積んであると、猫が登れる、ヘビもやって来かねない。そんなわけで何度か偵察には来ていましたが、諦めて飛び去ってしまったようです。

来冬分まで薪がある、と内心ほくほくしていたのですが、こんなところで迷惑がかかるとは思わなかった。面目ないことです。人間の便宜のために野生の動植物が犠牲になってゆく。それをとやかくいいながら、自分の足元には不注意だったというわけで、今回の一件は小さなトゲのようにチクチクしています。相手が人間なら、ごめん、で済んでいたかもしれませんが・・・。

梅雨どきには麦秋という別名がありますが、その名の通り、麦畑が見渡すかぎり黄金色に染まっています。うちの真正面に見える丘には、一年ごとにタバコと麦が交互に植えられますが、それだけタバコというのは土中の養分を吸い取ってしまうんでしょう。連作できないので、麦でも作って畑を休ませるか、みたいな感じです。

タバコは土壌消毒にはじまり、本体が成長するにつれ、しょっちゅう農薬散布していますから、タバコの害といってもタバコそのものより薬害のほうが大きいのではないかと思われるほど。そういうところに麦が植えられるわけですから、国内産小麦といったところで無害なわけではありません。

ま、それはともかく、一面の麦畑が収穫期を迎える光景というのはうつくしいものでありまして、稲の収穫期とはまたちがった風情があるものです。しかし、それだけ大量の麦が食べごろになっているというのに、パンを啄みに来るスズメの数は減るどころか、ますます食欲旺盛になってくるのです。稲が色づきはじめると、とたんに姿を消してしまうかれらがですよ。

スズメは小麦が好きではないのか。でも、パンは食べてますからねえ。未加工の小麦は好きじゃないってことなんでしょうか。それともタバコ畑だったところで栽培された小麦は食べないってこと?でも、わたしがスズメ用に買ってくるパンなんて、値段から判断して、たいした材料は使っていない。

四十年前にくらべたら十分の一まで数を減らしているというスズメたちに、スズメだからといって安いパンを買ってくるわたしもわたしですが、それに群がるスズメもスズメで、白米の残りは食べるけど、玄米はイヤ、なんてことをいう・・・。正直いって、なにを考えているのかよくわからない。いちばん身近な鳥でありながら、いちばん生態のわかっていない鳥なのかもしれません。このままスズメが数を減らし続け、本格的に保護でもされるようになれば、それも明らかになってくるんでしょうけどね。

でも、そのときにはもう手遅れ。手遅れになる前に、カラスに対する迫害もなんとかならんもんでしょうか。子育て中のカラスが人を襲ったからといって、ヒナもろとも巣を撤去してしまうなんて酷い話です。「カラス、子育て中」の立て看板でも出して、こちらが用心すればいいだけのことなんですから・・・。都市部にお住まいのみなさん、うちのカラスの仲間たちがご迷惑をおかけするかもしれませんが、もうすこしで子供も大きくなります。今しばらくご辛抱くださいますよう、お願いいたします。

今週の野菜とレシピ

メニューの内容がだいぶ夏らしくなってきました。きゅうり、トマト、ズッキーニにオカヒジキ・・・。オカヒジキはさっと湯がいて、醤油とマヨネーズで食べるのがいちばん簡単。しかも美味。焼きそばにこれを入れて、塩味で調味してもおいしいですよ。

ズッキーニはニンニクといっしょにオリーブ油で炒め、パスタにからめたりするのが一般的ですが、味噌汁に入れてもおいしいんですよ。玉葱とワカメとズッキーニ、またはじゃが芋と葱とズッキーニ、組み合わせはなんでもけっこう。夏こそ味噌汁で基礎体力をつけておきましょう。ちなみに味噌汁って、仕上げに塩をひとつまみ入れると、まるで旨み調味料でも入れたように甘みというかコクが出ておいしさが倍増するんです。ぜひお試しください。

ニンジンとひじきの炒めもの:ニンジンは短冊に切り、葉っぱのほうはみじん切りにしておきます。ニンジンを油炒めして、しんなりしてきたらひじきも加えて炒め、最後に葉っぱを入れたらオイスターソース少々と醤油で調味。たくさん食べたいので、薄味にしておきます。お好みで一味唐辛子を加えてもけっこう。仕上げに煎り胡麻をたっぷり入れて・・・。葉つきニンジンが手に入ると、わが家ではかならずこれを作っています。

トマトは来週からもうすこし量が多くなります。トマトのように雨よけのないピーマンは、一部に病気が出ています。贅沢な望みだとは思いますが、そろそろ雨が止んで日が射してほしいもの。そうすれば茄子も花を落とさず、実がつけられるようになると思います。