入学シーズン

2009年4月第2週

今週の野菜セット

左から

寒のもどりでお花見が延期されました。今週あたり、あちらこちら桜の名所が賑わいそうですが、ひさびさに小学校の入学式も、絵に描いたような満開の桜に彩られそうです。

ピッカピカの一年生。どうでもいいことかもしれませんが、毎年この時期、テレビからこれが流れるてくると、よくできたコピーだなあ、って感心するんです。この「ピッカピカ」が新入生の服装からランドセル、気分まで、たった五文字でみごとに表現しきってる。このコピーを作った人はすごいなあ、って・・・。野菜にもこういう形容詞があれば、と思いを巡らせるのですが、悲しいかな、ありきたりの文句しか出てこない。コピーライターのセンスは皆無みたいです。だからよけい「ピッカピカ」が光って見えるんでしょうけどね。

そのピッカピカの一年生が二年もするとくすみはじめ、高学年にはすっかり輝きを失ってしまうのが、毎朝、スクールバスに並ぶ列を通りすがりに見ているとわかります。上級になるにつれ、表情から生彩が消えてゆくのです。よそのオバサンに「おはよう」といわれても、むすっとしているのは照れなのかもしれませんけどね。

年を経るにつれ、子供の表情が読みにくくなるのは、なにも今にはじまったことではありません。当然の成り行きなのでしょうが、問題は年を経てもピッカピカしている子供がいて、そういう子供が学校からはみ出してしまうことです。ほんとうはくすんでいる子供が問題視されなくてはいけないはずなのに、いつまでもピッカピカしている子供が問題児になる、というのはちょっと変。

知り合いの子供たちが続けて小学校をやめてしまったので、この春はピッカピカの一年生が以前ほどピッカピカには見えなってしまいました。数年後にはスッカスカの小学生になってしまうんじゃないかと思うと、おめでとう、なんてうかつにいえなくなってしまいます。

日の丸や君が代の押しつけよりも、こちらのほうが事は深刻かもしれません。

上からの押しつけが強くなれば、それに比例して反発する力も大きくなってくるでしょうが、学校全体の空気というのは、一度それが淀んでしまったら、なかなか透明にはなりませんからね。広い校庭があるにもかかわらず、学校というのは密室です。教室の中で行われていることは、授業参観ぐらいではわからないという怖さがあります。

子供同士のイジメにしたって、当事者の親でさえ、それを知る方法がない。担任の教員ですら知らなかったりするのですから、闇は深そうで

す。でも、子供の間に陰湿なイジメが広がったのは、今の子供が昔とちがってきたからではありません。子供というのは、いつの時代もオトナや社会を映す鏡なのですから、かっこいいスポーツ選手がテレビに出てきて「イジメ、かっこわるい」なんていったって、あまり意味がなさそうです。

オトナがイジメを公然とやっている。ちょっとだれかがヘマをしたり、どこかの企業の不正が見つかったりすると、マスコミがこぞって叩くでしょう。子供たちはあれを見ているのです。組織が巨大化すれば、不正や欺瞞もそれに応じて大きくなるのに、そういうのは見て見ぬふり。スポンサー料がかかってますからね。そういうところも、子供たちは敏感に感じとっているにちがいありません。

子供たちが無表情になってゆくのは、子供の分際で社会に対してノーとはいえないから・・・。子供がオトナの鏡だとすれば、学校は国家の反映意外のなにものでもないのかもしれません。

日曜日、この国の上空を北朝鮮の気象衛星なるものが通過。それで大騒ぎしているのを見ていると、アホらしくなってきました。だったらパレスチナ、とりわけガザなどはどうなるのか。ほんもののミサイルが学校や病院めがけて飛んでくるという状況なのに、どこのメデイアもこんな大騒ぎはしないのです。

北朝鮮は世界中から非難され、制裁措置までとられるけれど、イスラエルに関しては非難はあっても黙認される。この差はなんだ?どちらも小国。面積でいえばイスラエルのほうがずっと小さい。でも、ユダヤ人は世界中にいて、金融やマスコミを支配していますからね。北朝鮮はちいさなやくざの一家みたいなもので、世界に対する脅威にはなりえないのです。フセイン時代のイラクがそうであったように、世界中から叩かれることになる・・・。

でも、イスラエルみたいな大物やくざになると、手がつけられない。アメリカ大統領がバラク・オバラになったところで、イスラエルに対してノーということはできないでしょう。そんなことをすればケネデイーの二の舞になるのがわかってますからね。

世界がこれなんですから、日本の子供にだけイジメはいかん。清く明るく強くあれ、といったところで無理なんです。だからといって、そのままにはしておけない。未来は子供にかかっているんですから・・・。ほんと、どうしたらいいんでしょうね。

今週の野菜とレシピ

今週は愛媛の春キャベツが入ります。このあたりのキャベツはまだまだ小さく、来月も後半にならないと出荷できないため、野口さんに救援をお願いしたしだいです。

新玉葱も愛媛から・・・。これは丸ごと、皮もつけたまま200度のオーブンに入れて、およそ1時間。座りのいいように、上下をすこし切り落としたほうがよさそうです。あつあつの玉葱を半割りにして、そのままぱらぱらと塩をふっていただきます。これは宇都宮郊外にあるヴェジタブルキッチン「サンテ」の飯島シェフから頂戴したレシピ。わたしはお店でいただきましたが、玉葱のとろけるような甘さが絶品でした。おなじ玉葱を使っているところがうれしいですね。

ちなみにサンテでは、野口さんの春キャベツをパスタに使っているそうです。これは食べたことはありませんが、以前、好子さんの小松菜のパスタをいただいたことがあります。どうしたらこんなにやさしい味になるんだろう、という感じのパスタ。残念ながら、こちらのレシピはありません。レシピをもらっても、おなじようにできるかどうかわかりませんものね。でも、上記の玉葱だったらだれでもOK。前菜やつけ合わせにお使いください。

ニンジンも丸ごと食べてしまいましょう。ニンジン2~3本はスライスして細く切ります。葉っぱのほうは全部きざみます。フライパンに油を熱して、ちりめんじゃこを炒め、ニンジンも加えます。ニンジンに火が通ったら、葉っぱを入れて醤油で調味。煎り胡麻をたっぷり加えて、ご飯に混ぜます。野菜ぎらいの子供もこれならよく食べてくれます。かぶの味噌汁といっしょにどうぞ。

春菊の葉先を湯がいてから、包丁で叩いて細かくし、耳たぶぐらいのやわらかさにしたに白玉粉に混ぜると、ヨモギ団子みたいになります。それを小さく丸め、真ん中をへこませて湯がいてから、黄粉で食べてみてください。市販のヨモギ団子や餅は、夏になって大きく繁茂したヨモギを使っているので、春先のヨモギのようにおいしくありません。春菊を使ったほうが、この時期のヨモギに近い味になりますよ。

今週いっぱいあたたかい陽気が続くようなら、来週はタケノコが出てきそう。タケノコはどうしてもダメという方がいらっしゃいましたら、電話でお知らせくださいね。