夏の飲みもの

2009年7月第2週

今週の野菜セット

左から

梅雨空が続きます。

去年の今ごろは牛蒡の種を蒔いても、ニンジンを蒔いても、地面がからからでほとんど発芽できなかったのですが、今年は長雨のおかげで秋野菜の準備は問題なさそう。でも野菜の種が発芽しやすいということは、草にとっても好条件なわけですから、次から次と芽を出して、それがあっという間に大きくなる。土は草の種でできているんじゃないか、と思うほどです。

一方、夏野菜のほうはそろそろ陽光がほしいところ。長雨の影響で、ピーマンやきゅうりの一部に病気が出ているようです。空梅雨になると虫害、長雨だと病気。いずれにしてもこの時期は、植物にもストレスがかかります。それを緩和してくれるのがカルシウム。農家はこの時期、もっとも多量に牡蠣殻や粉砕した珊瑚など、天然のカルシウム剤を畑に投入することになります。

わが家でも、一年間貯めておいた卵の殻を細かく砕いて、自分の頭にもふりかけたほうがいいんじゃないか、なんて思いながら、そこら中に撒いています。人間もこの時期はカルシウムを多量に消費しているはず。努めて補給したほうがよさそうですね。

暑くなってくると、いやでも水分の摂取量が増えてきます。ビール商戦に、最近はペットボトルのお茶も加わって、あの手この手の売りこみ合戦。味に大差があるとは思えませんが、いろいろ工夫を凝らしているようで、次から次と新商品が出てきます。手軽にお茶が飲めて便利なんでしょうけど、どう考えても不経済。若いお母さんたちが大量にペットボトルを買いこんでいる姿を見ると、なんか複雑な気持ちになってしまいます。

麦茶なんか、やかん一杯作ったところで、原価は数十円。緑茶だって鳥龍茶だって事情はおなじ。たいした手間でもありません。なのにそれを惜しんで何百円も使って、その分食費を切りつめていたんじゃ、健康にもよろしくありません。買い物袋も重たくなるから、連れている子供のことまで気がまわらない。

子供が騒いだり、ぐずったりすると、余裕のないお母さんはそれを叱りとばしたりして、心理的にもよろしくないみたい・・・。

お茶なんか、寝る前にお湯を沸かして葉っぱを入れておけば、翌朝には冷たくなってるんですけどね。子供が小さかったころ、四季を通じて作っていたのがはと麦茶。娘にアトピーがあったので、それにドクダミの葉を陰干ししたのをブレンドしていました。それを「麦茶」と称して飲ませていたので、ほんとうの麦茶に出会ったのはオトナになってから・・・。なんか味がちがうけど、おいしかったのよ、という感想でした。でも、おかげで皮膚のトラブルはほとんどなくなったんです。

生理がはじまってからは、そこにサフランを加えて生理痛対策。日焼けを気にする年ごろになると、柿の葉でビタミンC補給。夏の終わりに胃が疲れてきたらシソの葉と、いろんなブレンド茶で夏を過ごしてきたものです。今ですか?今は自分の低血圧対策に、ウコンをスライスして加えています。入れすぎると苦いのですが、これは心臓や肝臓に持病がある人にもいいそうです。

目先が変わったところでは松葉サイダー。これ、喘息にいいんです。アトピーのある子供って、たいていが喘息持ちですからね。作りかたは簡単で、赤松の新芽を五・六本摘んできて、口まで水の入ったビンに入れ、水の量の一割ぐらい氷砂糖を入れておく。ゆるく栓をして、日の当たるところに一週間ほど放置すると、泡が立ち、甘い香りがしてきます。ほどよいところで冷蔵庫で冷たくしたらできあがり。

松葉には老化を防止する効果もあるというので、今年あたり、また作ってみようかな、と思っています。これを飲みながら畑仕事をすると、汗の臭いが爽快な松葉の香りになるというオマケもあります。

みなさんもいろいろ工夫してみてください。水分補給にはただの水が一番、という意見もあります。その際もミネラルウオーターなど買わず、ただ同然の水道水がおすすめ。日本人の身体には硬い水より、飲み慣れた軟水のほうが合っているみたいですよ。

今週の野菜とレシピ

今週も夏野菜が満載。茄子きゅうりズッキーニトマトピーマンどじょうインゲン・・・。ひさびさの長葱は麺類の薬味のほか、味噌汁にもご利用ください。

トマトとズッキーニのパスタ

蒸し暑い日には、トマトとズッキーニのパスタがおすすめ。スライスしたニンニクとアンチョビをオリーブ油で炒め、薄切りにしたズッキーニを加えて炒めます。湯剥きして種を取ったトマトを加え、塩、胡椒で調味。パスタに和えるとき、バジルを加えると格段に風味がよくなります。トマトの酸味が食欲をそそりますよ。

トマトとズッキーニのパスタ

茄子とズッキーニのグラタン

梅雨寒の日には茄子とズッキーニのグラタン。これもスライスしたニンニクとアンチョビ、すこし厚めに切った茄子とズッキーニを炒め、トマトを加えて塩、胡椒で調味するところまではおなじです。それを耐熱皿に広げて、生クリームと粉チーズをふり、オーブンで焼く手間が加わるだけ。これはご飯にも合いますが、ガーリックトーストといっしょに食べると絶品です。

茄子とズッキーニのグラタン

おいしいガーリックトーストの作り方

深皿かバットにオリーブ油を入れ、摺りおろしたニンニクを加えておきます。塩は必要ありません。バゲットを半分か三分の一にカットして、それをさらに半割にして、やわらかい面をオリーブ油に浸し、表面に油が行き渡るようにします。途中で油が足りなくなれば足してください。ニンニクは底のほうに溜まっているので、加える必要はありません。それを中火のフライパンで焼き、焼き色がついてきたら裏側もあたためる程度に焼いてできあがり。バターを使うより味もよく、オーブンを使うより手早くできます。

ガーリックトースト

ちなみにバターは劣化が早く、作った翌日にはエネルギーが半減。わたしたちの手元に届くころには、風味やカロリーは変わらなくても、大事な栄養素はほとんど失われているといいます。その点、オリーブ油は何年たってもできたてとおなじだといいますから、最近ではふつうのトーストにもこちらを使っているしだい。ただし、オリーブ油も口を開けてしまうと劣化がはじまるので、なるべく早く使いきってくださいね。

来週はとうもろこしが入りそう。天候しだいですが、そろそろモロヘイアも出てくると思います。