キジの放鳥
2011年2月第2週

左から
- 京菜
- ターサイ
- 椎茸
- ほうれん草
- じゃが芋
- 小松菜
- レモン
先週までの凍りつくような寒さがウソのよう・・・。いきなり三月のあたたかさに包まれましたが、いつまでこれが続くんでしょう。
この陽気につられて開花する慌て者も出て来そうですが、うちのレンギョウみたいに一週間後には花びらが凍りつき、ガラス細工のように砕け散ることになるのかも。しばらくは寒気と暖気が交互にやって来そうです。
極端な気温の変化には困ったもので、わたしも先週みたいに着こんで散歩に出かけたら、汗まみれになってくしゃみを連発。こういうので風邪をひいてしまうことも多く、寒くてもあたたかくてもこんな時期には風邪をひくようにできてるみたいです。
風邪というのも考えようによっては必要で、こういうストレスの多い時期には、身体をゆっくりと休めながら崩れたバランスを回復する役割を負っているのかもしれません。ただし悪性のものには要注意。そのためにはやっぱり、ふだんから睡眠をたっぷり取っておいたほうがよさそうです。風邪をひいても、それを悪化させない体力ぐらいは必要ですからね。
このところ、山の中でよくキジに遭遇します。犬が草むらに飛びこむと、同時にものすごい勢いでキジが羽ばたく。オスのほうが犬に向かってケーン、ケーンと鋭い声で啼きたてる・・・。急にあたたかくなったので、ひと足早く抱卵でもはじめたんでしょうか。
そこでキジの生態を調べていたら、なぜこの時期にキジが多くなるのかわかりました。狩猟シーズンになると、かなりの数の養殖キジが山林に放されていたんです。禁猟区と可猟区あわせて毎年十万羽ぐらいというのですが、林野庁あたりの仕事なんでしょうか。こういうわけのわからないことをやるのは、お役所でしょうからね。
その中のわずかな個体が生き残って野生化するんだそうですが、外来種の養殖キジが入ってくることで混血が進み、日本古来の種の減少に拍車をかけているとか。これって、環境省が一生懸命阻止しようとしてるんじゃなかったっけ。ま、一部が狩猟の対象となり、残りの大部分はキツネやタヌキ、猛禽類など餌食になってしまうそうですが、キジにとっても迷惑な話だと思いました。
ぬくぬくと飼育されていたキジが、いきなり野に放たれるわけですから、サバイバルのノウハウなんか知らないわけです。だから、こんな時期に藪の中に身を潜めていたりする。野生種が人里近くに降りてくるのは、本格的な春の到来を待ってから。今ごろ人目につくことはないはずなんです。
数年前、近所の庭先にキジの卵とおぼしきものが放置されていたことがありましたけど、それもいきなりホームレスになった養殖キジのものと思えば納得できます。その卵、見つけた人があたためていたそうですが、結局孵らなかったので、ほんとうにキジのものだったかどうかはわかりませんけどね。
猛禽類の登場を待つまでもなく、カラスにやられるケースも多いんじゃないでしょうか。カラスよりひとまわり以上大きいとはいえ、キジは集団を作らないし、飛ぶのもさほどうまくない。走ったほうが早いくらいなんです。去年あたり巣立ちしたカラスの若者集団には、恰好の獲物なんじゃないでしょうか。
昔、うちの猫がメスのキジを捕ってきたことがありますが、あれも今思えば養殖キジだったのかもしれません。猫にはささみを刺身で与え、残りはキジ鍋にして食べちゃったんですけどね。猫の上前をはねる、あくどい飼い主だったわけです。でも、キジの肉って噂ほどおいしくはなく、食べられるところも意外と少なかったと記憶しています。
それにしても、キジといったら国鳥でしょう?食べたわたしがいうのもなんですが、それがこんないいかげんな扱いでいいんだろうか。養殖しているキジがいるんなら、それを食用にして、野山のキジの狩猟は禁止。そうして固有種を保護してゆかないと、この国のシンボルはこの国みたいに方向性のない、頼りない生きものになってしまうんじゃないでしょうか。
今週の野菜とレシピ
ようやく気温がぬるみはじめ、かじかんでいた椎茸とほうれん草が復活しました。これにじゃが芋を加えて、春の到来を予感するようなグラタンを作ってみましょうか。
椎茸とほうれん草とじゃが芋のグラタン
じゃが芋は丸ごと湯がいて皮をむき、5ミリ厚さの輪切りにして、耐熱皿に敷いておきます。ほうれん草と椎茸はバターで炒め、塩、胡椒で濃いめに味をつけ、じゃが芋の上に広げ、ひたひたぐらいまで生クリームをまわしかけ、チーズをふってオーブンに・・・。あっさりとした口あたりのグラタンです。
ちりめんじゃこと京菜の炒め
ちりめんじゃこをかりかりになるまで油炒めし、弱火にしたところへ細かく切った京菜を加え、醤油と一味唐辛子少々で味をつけます。サラダのような炒めもののような・・・。これに納豆を加えてもおいしいですよ。
ター菜と椎茸の中華風炒めものも美味。こちらのほうは片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。
子供たちの間でインフルエンザが流行っています。わたしたちも巻き込まれないように、青ものをたっぷり食べておきましょうね。