赤とんぼ

2011年10月第2週

今週の野菜セット

左から

すっかり秋めいて、ついこの間までイナゴやバッタが跋扈していた草むらに、今は赤とんぼが群れています。それにしても赤とんぼって、どうしてこんなに友好的なんでしょう。人差し指を出すと、かならずといっていいぐらい留まってくれるし、頭のてっぺんでも、犬の尻尾でも、ところかまわずという感じ。

人間はすべてのトンボに対して友好的だと思うのですが、ほかのトンボはこうは行きませんものね。赤とんぼが特別だから、人もまた郷愁やら愛着やらを抱くようになるのでしょうか。ともあれ、近年減少気味だったトンボが群れているのを見ると、ひと安心。こちらが慰められているような気分になるものです。とくに今年みたいに番狂わせの多いときには・・・。

先週はあろうことか、好子さんが入院してしまったのです。さいわい軽い脳梗塞で済んだようで、一週間で退院してきましたが、あの風邪もひいたことのないような人がですよ。足下から急に地面が消えたようで、こちらの血圧まで高くなりそうでした。実際、高くなっていたのかもしれません。

その前の週には会員の方の突然死。ものすごく元気な女性で、フルマラソンも走れるような人が旅先からもどったその日に亡くなっていたのです。二十年来の会員で、個人的にもいろいろお世話になった方なのでショックも大きく、なかなか立ち直れないでいたところへ好子さんの騒ぎですからね。諸行無常の秋風の中で、赤とんぼの群舞がひときわ力強く感じられたのかもしれません。

無病息災という言葉がありますが、お医者さまにいわせると、これがいちばんコワイそうです。無病といってもほんとうになにもないケースは稀で、病気に気づいていない場合が多いそうです。体力にも自信があるし、こまめに検査なども受けないから、よけい気づきにくくなるんですね。

それとは対照的なのが一病息災というもので、病気があるから無理をしない。身体をいたわる習慣もついているので、逆にこういう人のほうが長生きするんだそうです。ま、長生きがいいとは一概にはいえませんが、突然あっち側に行ってしまって、まわりがあたふたするというようなことはないわけですね。

身体というのは魂の乗り物です。いくら魂が元気でも、車のほうがポンコツになってしまってはどうしようもないわけで・・・。わたしも健康診断だの検査だのが大嫌いで、ずっと無視しているのですが、二年に一度の車検ぐらいはこれでもちゃんと受けているんですよ。

たまにスーパーなどで出くわす献血車。あれがわたしの健康診断所で、あそこはタダで飲み物やビスケットをくれる上、血液検査の結果も後からちゃんと送られてくるのです。待ち時間も病院みたいに長くないから、ご用とお急ぎの方にはこれがお勧め。血液も定期的に抜いたほうが、新陳代謝が促されていいそうです。

但し、献血には年齢制限というものがありまして、あと何年続けられるか。それを思うと心細くなってきます。年齢を詐称してでも、あと十年は続けたい。目下の目標は、八十歳までバレずに献血、なのですが、輸血される人の身になると迷惑な話なのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

今週は山崎光男さんの原木舞茸が入ります。3月の東電事故を受けて、林の中にあった原木を急遽ハウスに移動。雨除けと遮光ネットで保護してきましたが、念のために放射線の検査に出してあります。結果はもちろん「不検出」でしたが、キノコ類は放射線を蓄積しやすいので生産者のみならず、自治体もかなり神経質になっているようです。

舞茸はほとんど捨てるところがありません。汚れは刷毛で落としてください。適当に裂いててんぷらに・・・。細かく裂いた分は半日ぐらい風に当て、風味をつけてから油揚げといっしょに炊きこみご飯にしてください。

茄子は今がいちばんおいしいとき。生育に時間がかかるため、味が濃厚で甘みも強いからです。スライスした茄子をニンニクといっしょにオリーブ油で炒め、パスタをからめてもおいしいですよ。

男性には不人気ですが、さつま芋の味噌汁。これを食べると、秋だなあ、と思います。小口切りにした葱を散らすとさらに香りがよくなって、食欲をそそります。サイコロに切った芋を残りご飯に加え、塩味で煮た芋がゆも美味ですが、これも男性には不人気なんでしょうね。