日常的な非常事態

2011年4月第1週

今週の野菜セット

左から

桜前線が北上しています。このあたりはすこし先になりそうですが、庭先ではサンシュユが満開になり、炒り卵のような黄色い花がこぼれんばかりです。コブシの蕾もふくらんできました。いつも通りの春がそこにあります。

こんなときにもウグイスはさえずりの練習に余念がなく、カラスは営巣をはじめている。それを見ていると涙が出そうになる、とアラレちゃんはいいます。それと同時に、人間もしっかりしなくちゃ、と勇気づけられるんだそうです。

なにがあっても淡々と営みを続ける自然界。どんなに自然から離れても、わたしたちもその一部分であることに変わりはないのです。落ちこんでいる場合ではないのかもしれませんね。

マヤ暦は二千十二年で終わっていますが、先人の予見の正否はともかく、これから二千十三年にかけて、環境面でも経済面でもたいへん厳しい時代になるそうです。今はまだ始まりにすぎない、ともいわれています。

この国はがれきの中から再出発して、ずっと上り坂を歩んできました。しかし今世紀を目前にしたところで失速。以来、低迷が続いていましたが、ここへ来て大地震と津波でその根幹が失われつつあります。わたしたちがいかに多くを東北地方に依存していたか。あらためて知る機会にもなりました。まさに「縁の下の力持ち」だったわけですね。

電気をはじめ、大量生産・大量消費の時代が終わろうとしています。が、それはこの国にかぎった話ではありません。資本主義という経済体制そのものが揺らいでいるのではないでしょうか。常に業績が右肩上がりでないと持続できない経済なんて、成熟期を迎えると同時に破綻するしかないのですから・・・。ネズミ講とおなじだったわけです。国内のネズミがいなくなったからといって、経済をグローバル化したところで、貧しい国はさらに貧しくなるだけで、やがてそんな貧しいネズミもいなくなる。飛ぶ鳥を落とす勢いの中国だって、やがておなじジレンマに陥るはずです。

もしかしたら二千十二年というのは、物質文明が消滅することを意味していたのかもしれません。年端のいかない子供たちですら、人類は百年もたないと感じているのですから・・・。このアンケート結果を知ったときには愕然としました。わたしたちはそこまで希望の持てない世界を子供たちに押しつけていたのです。

もしかしたら地球そのものが生まれ変わろうとしているのかもしれない。今回の東日本大地震が陣痛のはじまりなのだとしたら、わたしたちは等しくその苦しみを分かち合わなければなりません。原発だけでなく、東北地方のすべての方がすこしでも楽になれるように「ごめんない」「許してください」「ありがとうございます」この三つの言葉を贈り続けたい。もちろん子供たちの将来に向けても・・・です。。

毎日、新聞に掲載される地区ごとの放射線量をチェックしていましたが、先週あたりから、朝日新聞ではその欄が一日置きになりました。それが危急の事態が回避されたというのならいいのですが、収束までにはまだまだ時間がかかりそう・・・。なんか、非常事態が日常になってしまったような気がします。

放射線の飛来にはムラがあるので、原発から四十キロ離れていても高い数値が出るかと思えば、半径三十キロ以内でも比較的軽微なところもある。このあたりが宇都宮より低くなるのはわかるけど、東京や埼玉より低い数値が続いていると、どうして?と思うけど、気流とかいろんな要因があるんでしょうね。

わたしも一度はマスクを購入。ウインドブレーカーも着用してみましたが、いっしょに歩いている犬のほうはまったく無防備。それを見たら申しわけないというか、なんか空しくなってしまいました。アラレちゃんも同様。雨には要注意、というので気をつけていたけれど、夜中、ずぶ濡れになった猫が布団にもぐりこんで来て、ゴロゴロいいながらすり寄って来る。「なんかバカバカしくなっちゃった」といって、洗濯物も外に干すようになっています。

とはいえ、小さなお子さんのいるご家庭では、そんな暢気なこともいってられないのかもしれません。この程度の量のヨー素が即、甲状腺癌を引き起こすことは考えられませんが、事前の対策として昆布出しをおすすめします。常時天然のヨー素を摂取して、体内のヨー素が飽和状態にしておくと、放射性ヨー素が入ってきても体外に排出されるからです。ただし大量に摂る必要はありません。

マスコミではこれを根拠不明のデマ情報扱いしていますが、日本人が外国人にくらべて放射線に対して抵抗力が強いのは、こうした伝統的な食文化に負っているところが大きいそうです。

味噌もそのひとつで、味噌に含まれるジコピリン酸に放射性物質を体外に排出する効果があるといわれています。チェルノブイリ事故のときにロシアやヨーロッパの人々が買いあさったため、味噌の輸出量が十四倍にもなったという記録があるぐらい。味噌は色が薄くてやわらかいものより、熟成されて黒ずんだ固めのもののほうがいいそうです。八丁味噌がおすすめです。

また、水の対策には麦飯石と竹炭を併用されることをおすすめします。ふだんから水道水をおいしく飲むために使っている方も多いようです。

飲料水用の滅菌済み麦飯石は通常、ケース入り500グラム:1500円ですが、今回は製造元のご厚意もあって1キロあたり1500円(ケース無し)でお分けしています。

麦飯石は通常、水道水のカルキ抜きに使用されていますが、セシウムやストロンチウムといった半減期の長い放射線を吸着する働きがあります。ヨー素に関しては半減期が短いため、データを取ってなかったので目下実験中ですが、まだ結果が届きません。そのため、炭の中でももっとも浄化能力に優れた真竹を併用してください。真竹炭は100グラム:500円でお分けしています。

現代科学の最先端をゆく(といわれていた)原発も、水の処理には炭と麦飯石という前時代的なものに頼らざるを得ないようです。このことも古いものを見直すきっかけになるといいですね。炭は日本の伝統文化だし、麦飯石を産出するのも三重県の一部を除いたら、世界広しといえどロシアと中国の一地方のみ。しかも中国のものは品質がかなり落ちるそうです。この国は地球に負荷をかける資源には乏しいけれど、浄化の資源には恵まれている。立派な資源国だと思いました。

麦飯石は台所用の水切りネットに入れると扱いやすくなります。10リットルの水に対して500グラムぐらいが目安。うちではお茶をおいしく飲むために、竹炭といっしょにやかんに直接、バラのまま入れていますが、金魚や熱帯魚の水槽に入れる場合には注意が必要です。麦飯石は酸素を多量に発生するので、一度に大量に入れると酸素過多になって金魚が水中に潜れないという障害が出ます。すこしずつ、様子を見ながら入れるようにしてください。

今週の野菜とレシピ

虎杖浜の出し昆布

北海道、虎杖浜の出し昆布も入荷しています。ここ数年、海水温の上昇で昆布が採れなくなっていましたが、去年はひさびさに浜辺が賑わったそうで、こちらにも分けてもらうことができました。

出し昆布は500グラム:2300円です。


今週の野菜セットの中に、メニューにはないラデイッシュが入っていますが、日中の気温が上がってきたため、ハウス内のラデイッシュがすぐに大きくなりすぎてしまいます。大きくなるとスが入ってしまうので商品にはならないのですが、捨ててしまうのはもったいないので、ぬか漬けか一夜漬けにでもしてもらえないだろうか、とのこと。好子さんの気持ちを酌んで、なにかにお役立てください。