茄子の味

2011年7月第4週

今週の野菜セット

左から

大型で、いやみなぐらい歩みの鈍かった台風六号はしかし、関東地方に接近するころにはさすがに息が切れたのか、勢力も落ちて東の海上に抜けてくれました。野菜がもみくちゃになるのも心配でしたが、なにより東北の海岸線、事後処理もおぼつかない原発のあたりが事なきを得たのがさいわいでした。

それどころか、このあたりではそれが恵みの雨となり、暑さに疲れた身体をいたわるような涼しさまでもたらしてくれたのです。台風一過といえば、一点の曇りもない青い空、ぎらぎらと照りつける太陽、目眩がするような高温多湿というのがふつうでしょう。それが一気に秋に突入したような・・・。

朝夕は涼しいのを通り越して肌寒いぐらいで、週末には鍋焼きうどんなど食べてしまいました。我慢大会じゃあるまいし、七月に長袖を着て鍋焼きうどんですからね。台風の被害を免れたゴーヤも、この先どうなることやら。気象庁のいう通り、暑さがぶり返せばいいのですが、気象庁のいうことですからアテにはならない。今年はあの秋山氏の予想ですら???という有様なので、さっぱり先が見えません。

秋山氏の予報が外れるなんて、ここ二十年来なかったことなのでびっくりしています。どうしちゃったの?って感じですが、金星と木星と太陽の運動と位置関係から割り出した予想が狂うということは、金星、木星、太陽、地球のうちのどれかが変化しつつあるということになる。その中でいちばん怪しいのはどれかというと、大方の人がたぶん地球だというでしょう。

わたしもそう思います。だって金星、木星、太陽には寄生生物がいないのですから。全身シラミにたかられて、穴ぼこだらけにされた大男。それが地球みたいなものですから、痛みや痒みに耐えかねて震えることもあれば、マグマを吹き出すこともある。酸性雨など、動植物には脅威でも、大男にとっては心地よい痒み止めみたいなものなのかもしれません。

もっとコワイのはノミやシラミに嫌気がさして、大男が体質改善などすることです。それをやられたら、太陽系の運行がそのままでも、寄生虫の生活環境が激変することになる。秋山氏の予報が当たらないということは、だから気象庁の予報が外れるのとはレベルも次元もちがうわけです。秋山氏個人の不調であってくれればいいんですけどね。

ともあれ、暑さがぶり返したところでこれまでみたいではなく、もう残暑みたいなもんじゃないの?というのが農家の意見で、みんな神妙な面もちで茄子の味を見ています。これはその昔、二宮金次郎が茄子を食べたら、梅雨が明けたばかりなのに秋茄子の味がしたことから米の不作を予感。ただちに農家に稗や粟の種を蒔かせたという逸話があるからで、おかげでこのあたりの農家は天保の大飢饉に直面しても、死者を出さずにすんだのでした。

それで神妙に茄子を味わっているのですが、うん、やっぱり夏の茄子にしては味が濃い、とひとりがいえば、毎年こんなもんじゃないの?好子さんの茄子じゃ参考にならないかも・・・。わかんねえよオラ、毎日茄子ばっかり食わされて口がバカになってっから、とは好子さんの旦那様(好子さんにいわせると下男ですが)で、アラレちゃんとわたしもいいかげん。味が濃いといわれればそんな気もするし、こんなもんだといわれればこんなもんかなあ。

不肖の輩が寄せ集まったようなグループなので、味覚の優れた方がいらっしゃいましたら、今週の茄子をよく吟味してご一報ください。

気象庁の予報通り、日曜日から気温が上がってきましたが、空は薄曇り。灼けつくような暑さはどこかへ行ってしまいました。過ごしやすくていいことはいいのですが、稲がまだ穂もつけないこんな時期から朝夕、こんな涼やかな風が吹いてていいのかなあ、と気をもんでいるしだいです。

今週の野菜とレシピ

先週とおなじメニューですが、トマトをすこし増量しました。

トマトのソースベース

湯むきしたトマトの種を抜いて大雑把なサイコロにし、みじん切りの玉葱とピーマンといっしょに、フレンチドレッシングに醤油少々を加えて和えておきます。

そのままサラダとして食べてもよし、肉料理のソースにしても美味。醤油の量を増やして冷や奴にかけてもおいしいですよ。


輪切りにした茄子をオリーブ油で両面しっかり炒め、そこに上記のソースをかけ、冷蔵庫で冷したものも見た目よし、味よしのサラダになります。作り置きもできるので、うちではこのソースを冷蔵庫に常備しています。

枝豆はサヤの両側を鋏で切り、軽く塩もみしてから湯がくときれいに仕上がります。生のまま中の豆を取り出すのがちょっと面倒ですが、枝豆の炊きこみご飯も美味。1袋分の枝豆に対して米は2合ぐらいが適量。豆ご飯同様、塩を入れて炊きますが、グリーンピースよりきれいな色に仕上がりますよ。