金環日食
2012年5月第4週

左から
- 京菜
- 小松菜
- スナップエンドウ
- ソラマメ
- 小カブ
金環日食はいかがでしたか。月曜日は曇りがちといわれていますが、みなさんのところはどうでしょうか。
じつをいうと、これを書いているのは土曜日なので、こちらの空模様だとか日食の様子だとか、お知らせすることはできません。ただ、当日はすこし早起きをして、木漏れ日がさまざまに変化する様子を見てみたいと思っています。つまり日食そのものではなく、木の葉の影に起こる食作用のほう。これだと特殊なフィルターも必要ありませんからね。
フィルターといえば粗悪品が問題になっていますが、それじゃあ小学生時代、理科室で作ったあれ。蝋燭の火に板ガラスにかざして煤をつけたものなど、粗悪品以下だったと思うんですけど、あれで太陽を見て網膜症になったという話は聞かないし、失明した級友もいない。この数十年の間にオゾン層の破壊が進んでいるということなのでしょうか。
それより網膜症で思い出したのは、カナダインデイアンだったか、南米のインデイオだったか、一人前のシャーマンになる修行のひとつに、太陽を凝視し続けるというのがあったという話。今はやってないでしょうが、失明することで五感以外の感覚を鋭敏にするのが目的だったようです。ま、凡人がそんなことをしても、生活しづらくなるだけなので、わたしは地面に映る影でも観察することにしているんですけどね。
当日、犬猫やカラスたちがどんな反応をするのか、それもちょっと楽しみです。
ただ、日食と新月が重なるのがちょっと不安。翌23日には月と金星がもっとも接近するといいますから、天文ファンにはたまらない天体ショーが立て続けに起こるわけです。でも、これってただごとではありませんよね。天変地異の前兆でなければいいのですが・・・。去年の大地震、それに続く度重なる余震で、ただでさえぐらついているところへ、そんな大きな力が加わるのですから、どうしても不安になってしまいます。
18年前の震災で神戸から両親をこちらに引き取って以来、新月と満月時には寝る前にガスの元栓を閉め(ふだんからやってないのが無神経?)たり、食器棚の扉に施錠したりしていたのですが、時が経つうちにいいかげんになってきて、しまいにはそんなことも忘れてしまっていました。そうしたら去年の地震でしょ。災害は忘れたころにやって来る、とはよくいったものです。
今のところ、忘れるどころか記憶も生々しいので、そう簡単に次はないかもしれませんが、地球は大きな変動期に入っているといいます。いつ、なにが起こっても不思議はない、ぐらいの気持ちでいたほうがいいのかもしれません。
こういう時代に生まれ合わせたわたしたちは、きっと好奇心も冒険心も旺盛な魂なんだと思います。物質世界にどっぷり浸かっているせいで、忘れてしまっているんでしょうけど、生まれてくるときのわたしたちはこれから経験することにドキドキ、ワクワクしていたはずです。
生まれる前のわたしたちは、夏休みを目前にした小学生とおなじで、生まれたらあれをしよう、これをしよう、あんなことも経験してみよう、といろいろ計画していたはず。でも、たいていはそれを半分もこなさないうちに夏休みが終わってしまうけど、わたしたちの人生はそうじゃないのかも。いつもやり残してしまう夏休みの宿題を、今回は完璧にこなしてしまうのかもしれない。そう思えばラッキーでしょ。安穏な人生を望んで生まれてくる魂など、あるわけがないのですから・・・。
世界的規模の人口増加を見ても、この変動期に居合わようとする魂がいかに多いか。人生という学びに対して、意欲的な生徒がいかに多いかがわかります。優等生にはなれないまでも、忘れていた初心に帰れるぐらいのアンテナは立てておきたいものですね。
ちなみに金環日食のほうは、せっかく晴天に恵まれたにもかかわらず、見逃してしまいました。ただいま月曜日の午前9時。前日、ゴーヤ畑の準備のため、肥料を撒いて耕して支柱を立てて・・・と一日中動きまわって、夜は早々に布団に入ったのですが、寝坊。目覚ましをかけておかなかったのが敗因でした。
ふつうなら目覚ましなどなくても、たいてい6時すぎには目を覚ますのですが、夜が明けたとたんに日食ですから、身体が夜明けを感知できなかった。そんなところだったのかもしれません。起床時、猫はすでに外出していて不在。犬のほうはわたしが起き出してもまだ寝ていて、結局起きてきたのは8時過ぎ。カラスもトンビもいつもと変わったところはありませんでした。
緊張感のかけらもない、だらけた話になってしまってすみません。
今週の野菜とレシピ
今週は中里友久さんの早生トマトを予定していましたが、中里さんのビニールハウスは竜巻が発生した西田井にあり、ハウスの鉄骨がぐにゃぐにゃになる被害は免れましたが、強風に煽られてトマトときゅうりがかなり弱っているとのこと。収穫量も激減しているそうです。
そんなわけで今週も野口さん頼み。今回はソラマメを送ってもらいました。ソラマメは皮が肉厚なので、食用になる豆はほんのすこし。そのくせ高価なのがいけません。でも、この香りは初夏の風物詩。ひさびさの香りをお楽しみください。

ソラマメのスープ
家族みんなで楽しむためにはスープがおすすめ。ソラマメを茹でて薄皮を剥き、水といっしょにミキサーにかけます。それを裏ごして塩、胡椒、オイスターソースで味をつけ、生クリームを加えて完成。冷たくしてお召しあがりください。ソラマメ1袋分に対して、水は2カップ、クリーム1カップが目安です。
ただし、愛媛のほうでもソラマメの収穫量が例年よりすくないそうで、途中、入荷が途切れるかもしれません。その際はきゅうりで補わせていただきます。申しわけありませんが、ご容赦ください。
スナップえんどうはスジを取って湯がき、醤油とマヨネーズでどうぞ。これも初夏の味と香り。メニューには100グラムとありますが、もうすこし多く入れられるかもしれません。
小かぶと小松菜はお味噌汁。京菜はサラダか一夜漬けがおすすめです。