冷夏の予感

2012年6月第4週

今週の野菜セット

左から

台風4号が列島を縦断してゆきました。

さほど大きな被害はなかったとはいえ、強風でズッキーニがやられてしまいました。ズッキーニは根元から太い茎が何本も放射状に広がり、その先に大きな葉をつけています。その葉っぱが風車の羽根のようなはたらきをするので、強い風を受けると回転してしまうのです。それで根元がねじ切れてしまうんですね。半数以上がやられたようです。

茄子もトマトも風にもまれたようですが、それよりなにより、夜間の低温が夏野菜の生育に響いています。日中の気温が高くても、夕刻には風が急に冷たくなる。人間は上着をはおれば済みますし、おかげで犬猫の食欲が落ちることもないのですが、野菜たちは戸惑い気味。どうなっているんでしょうね。

昼間と夜間の温度差が大きいほどプラスになるのは、スイカやメロンといったウリ科の果物。野菜ではきゅうりといったところでしょうか。

ちぢこまっているのはモロヘイア、オクラ、ゴーヤといった熱帯系の野菜たち。わたしが担当しているゴーヤなど、苗のままほとんど背丈を伸ばしてくれません。毎日、はらはらしながら見ているのですが、こちらの心配が伝わってはいけないので、なるべく近づかないようにしていたら、まわりの草ばかり繁茂しているありさまでした。

日曜日、日がな一日草むしりをしながら思いました。もしこの苗が大きくなって、ネットに蔓が這うようになっていたら、今回の台風で根こそぎやられていたかもしれない。また、ネットを覆いつくすほど大きくなっていたら、去年の台風のように支柱をねじ曲げていたかもしれないのです。

季節外れの台風が上陸するような年には、気温も遠慮して、夏野菜の生育を遅らせているのかもしれませんね。暑いの寒いの、わたしたちは文句ばかりいってるけど、気候はそれなりに考えてくれてるんじゃないか。ありがたいことだと思ったら、草むしりが急に楽になりました。

そういえば節電が叫ばれていた去年の夏も、気候が遠慮してくれたので、猛暑にならずに済みました。今年も夏もひょっとしたら、原発の再稼働に躍起になっている連中の鼻を明かしてやろうというつもりなのかもしれません。そういう事情があるのなら、夏野菜がどうのこうのいってる場合ではありません。人智のおよばぬ天に感謝。文句なんかいってたら罰が当たりますものね。

でも、畑仕事に汗をかいていたのもつかの間、午後になると急に冷たい風が吹きはじめてくしゃみを連発。慌てて着替えをしましたが、それからも気温がどんどん下がって夕刻には寒くなりました。梅雨寒という言葉があるにはありますが、そんな生やさしい寒さじゃない。炬燵が恋しくなるような寒さです。

天に感謝はするものの、これはちょっとやりすぎじゃない?鼻水をすすりながら曇り空を見上げていたら、顔面に水しぶきのような雨があたり、そんなに都合よく物事が運ぶわけじゃないんだよ。こっちにもいろいろ事情があってねえ、といわれているかのよう・・・。

天にも地にも、それぞれ事情があるようです。その天と地の間の薄い膜のようなところで暮らしているのがわたしたち。天と地の都合が合致するかしないかは、わたしたちの暮らしかたにかかっているのかもしれない。そんなことを思いながら引き上げたしだいです。

今週の野菜とレシピ

今週から福田さんのトマトが入りますが、台風の直後ということもあって、今回は500グラムずつ。きゅうりも風にもまれた上、こんな低温です。足りないところは出はじめのピーマンで補うことになりました。

青山さんのカリフラワーブロッコリー。どちらが入るかわかりませんが、どちらも茹ですぎにご用心。お湯が沸騰したら塩を入れ、食べやすい大きさにカットしたブロッコリーを入れ、ふたたび沸騰したら火を止めてください。ゆっくり10数えたらザルに移します。

カリフラワーの場合は塩といっしょに酢を少々たらして湯がきます。ふっとうしたら火を止めるところまではいっしょですが、1分ぐらいそのままに・・・。暑い日はサラダか甘酢漬け。肌寒い日にはクリーム煮でお召しあがりください。

来週はもう七月。そろそろ気温が安定してほしいものです。


野菜たっぷりセットの方には、グリーンピースが入ります。

1袋分の豆に対して、米は3合弱の目安です。豆ご飯は保温するとまずくなります。かといってそのままにしておくと傷みやすいので、残った分はお握りにして冷蔵庫に保存。翌日、それをテフロン加工のフライパンで焼きお握りにすると香ばしくておいしいですよ。