冬眠のすすめ

2012年11月第4週

今週の野菜セット

左から

先週、初霜が降りました。

雨水受けにも薄氷が張り、日が高くなるころには解けてしまいましたが、中の金魚は食欲が落ちてきました。ひと夏で倍ちかく大きくなった金魚たち、わたしの足音を聞きつけると餌をねだって口をパクパクさせていましたが、今は甕の底のほうにかたまっているみたいです。厚い氷が張るころには、本格的な冬眠に入るんでしょうね。

カエルも冬眠に入りました。といってもまだ、地表ちかくでうつらうつらしている状態で、畑の土を寄せたり、畝上げをしていると、丸くなったカエルがごろりと転がり出てきます。慌てて掛け布団のように、土をかぶせてやるんですけどね。これも何度か霜を経験するうちに、土中深く潜って行くのだと思います。

カエルが寝てしまったら、ヘビもどこか、モグラの穴を利用しているにちがいありません。モグラには迷惑な話ですが、穴を掘る能力のないヘビはモグラのトンネルに入りこみ、いくつかある居室に集合。身を寄せ合って団子になるそうです。このときはマムシもシマヘビもヤマカガシもいっしょ。模様も色もさまざまなヒモをからめたようなヘビ団子。一度、実物を見てみたいものです。

クマのような大きな動物が冬眠するのは、森の生態系を守るため。あんな大食漢に一年中食べ物を漁られてはたまりませんものね。森が消えてしまったら、クマも生きてゆけなくなります。

そこで思ったのですが、人間にもそんな習性があったらどうだろう?ちょうど今ごろ、親類縁者が集まって飲めや歌えのお別れ会。半年後の再会を約束したら、それぞれが自宅にこもって心拍数を下げ、ベッドに入ります。もちろんペットの犬や猫もいっしょです。すべての哺乳類も鳥類もこの際、いっしょに寝てしまうのです。

そうなれば冬の間、大量に消費されるエネルギーはすべて不要になるし、工場も閉鎖されるから空気も汚れない。半年しか使われることのない大地もまた、冬の間に自浄能力を発揮するはずです。地球を半分ずつ使うわけですね。北半球が休んでいるときは、南半球が活動する。そうすれば環境問題は難なく解決するし、地球の寿命も延びるというわけです。

人間のほうだって、半年も寝ていたらたいていの不調は解消されて、ダイエットの必要などもなくなるはずです。いやでも禁酒・禁煙するわけですから、もう絶好調。いいことずくめです。が、ちょっと待てよ。冬眠中はみんな無防備。それを考えたら、ちょっと怖くなりました。春が来て、寝床から出てみたら、見も知らぬ赤の他人に家を占拠されている。それどころか国そのものが乗っ取られて、消滅してしまっているかもしれない。今の世知辛い世の中じゃ、十分に考えられることでしょう?

そこではたと思いあたったのです。かつて生きとし生けるものは、冬眠するのがあたりまえだったのではないか。人類だけでなく、すべての生命が平等に繁栄するには、それがいちばんいい方法だったからです。ところが、突然変異かなにか知らないけど、それを必要としない者が出てきてしまった。かれらはみんなが寝ている間に、領地を奪い、眠っている家畜を眠っている間に食ってしまい、住民も眠っている間に殺してしまったのかもしれません。

そうして冬眠しなくなった人類だけが生き残っている・・・。そう考えたら、昨今の世界情勢も国内のドタバタも、すんなり納得できると思いませんか?

不眠症などというのは、現生人類に与えられた罰だったのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

まず、お詫びです。先週もシメジが入りましたが、生産者のファックスが故障していたため、月曜日発送分の野菜セットには代品が入ることになってしまいました。申しわけありませんでした。今週はまちがいないと思います。

大根が立派になってきました。もうおでんでも、ふろふき大根でもなんでもOK。火の通りが早いので、とろけるようにやわらかくなります。

下仁田ネギでお手軽焼き鳥

下仁田ネギを使って、お手軽焼き鳥。鶏もも肉はひと口大、ネギは2~3センチに切っておきます。テフロン加工のフライパンで、油を使わずに鶏肉を炒め、塩とオイスターソース少々で調味。ネギを加えたら火を最強にして転がすように炒め、仕上がりに唐辛子をふってください。竹串を使っても、どうせ食べるときには外しますものね、手間いらずのねぎまというわけですが、なんといってもネギがおいしい。だから鶏肉はすこしでいいですから、ネギをたっぷり炒めてください。


北海道産の玉葱とじゃが芋の入荷が遅れています。あんまり遅いので問い合わせてみたら、一ヶ月以上雨が続いていてじゃが芋が収穫できないのだとか。玉葱の収穫は終わっているので、そちらのほうだけでも先に送ってもらえないか、交渉しています。横畠さんが体調不良で入院中というのも影響しているようで、気になるところです。