お正月準備

2012年12月第4週

今週の野菜セット

左から

なんだかんだいってるうちに、今年も終わりになりました。ほんとに早いものですね。自覚のないまま、どんどん年をとってしまうのがこわいぐらいです。高齢化という言葉がメデイアから聞こえてこない日はありませんが、中でもそれが深刻なのが第一次産業です。第一次産業というぐらいだから、製造業や販売・サービス業より重要なはずなのに、なぜかこの国では軽視され続けてきました。だから若者が寄りつかない。

今年は横畠さんが脳梗塞で倒れ、じゃが芋が入荷できなくなってしまいましたが、横畠さんが倒れたこともさることながら、それをカバーできる身内がいなかったということのほうが深刻で、唖然としてしまいました。あらためてわたしたちのまわりを見まわしたら、福田さんだって、好子さんや青山さんにしたって、子供たちは農業とは無縁の世界にいるのですから、かれらが築いてきたノウハウを引き継ぐものがいないのです。

食という、わたしたちの生命維持にもっとも重要なものが切り捨てられてきた結果が、こういう事態を招いているのだと思います。このまま食糧を輸入に頼っていたら、いつか枯渇の時が来る。それは次の地震に揺すぶられるのとおなじくらい確実だと思うんですけどね。

いきなり暗い話題で申しわけありません。最後は明るく締めくくりたかったのですが、あたりが暗いのと、今降っている雨が雪になりそうなのが影響しているのかもしれません。天候に左右されやすいという点では、わたしも野菜とおなじみたいです。

冬至を経て、これからまたすこしずつ日が長くなる。陽光が増えてくると、人間も植物も活気が出てきますものね。葉を落とした樹木だって、一見したところ休眠中のようですが、活動を止めたわけではありません。春に向かって花芽を育てているところ。年明けに桃の枝を切って室内に入れておくと、ひな祭りのころ満開になります。

十月ごろ、紅梅と白梅の枝を取っておくと、お正月飾りにできるんですけど、毎年その時期はばたばたしていて、今ごろになって後悔することになります。南天の実も、先月ぐらいに取っておかないと野鳥にやられてしまうのですが、これも毎年気がまわらなくて、赤南天も白南天もまばらなお飾りになってしまうんです。ま、分相応というところなのかもしれませんが・・・。

正月用意も年々簡素化されて、今ではお節料理も作らなくなった家庭が多いようですが、元旦からスーパーが開いているからとか、子供たちが食べないからとか、理由はいろいろあるようですが、要はめんどうくさいから。でもね、正月飾りとかお節というのは気持ちだと思うんです。新しい年の神さまを迎える気持ち。あれやこれや食材を集めて料理ができることへの感謝も、そこには含まれていると思います。

生かしてもらっているという感謝。日常が平穏であることへの感謝。ひとたびこの均衡が崩れたら、作りたくたってお節どころか、日ごろの食事の支度さえできなくなってしまうんですから・・・。毎日のことですから、夕食のメニューを考えるのがいやになることもありますが、よく考えたらそれはぜいたくな悩み。正月の準備に忙殺されるのも、仕合わせなことなんでしょうね。

いろいろありましたけど、この一年に感謝。謹んで新年を迎えたいものです。

今週の野菜とレシピ

これまで好子さんの大きな白菜が入っていましたが、今回は青山さんのミニ白菜。一回の鍋もので使いきってしまえるサイズです。

京菜も鍋ものに使えますが、付け根の白い部分を使って簡単なオードブルにしてみてください。ネギとろ用のマグロとアボカドを用意。アボカドは指で軽く押してみて、弾力のあるものを選んでください。京菜の白い部分を細かく切って皿に盛り、横にミンチ状のマグロにサイコロに切ったアボカドを加えたものを載せ、全体にオリーブ油をたらします。塩をふって、混ぜ合わせながらお召しあがりください。

大根は千六本に切り、納豆で和えてみてください。納豆のぬめりで、山芋のような食感になります。もみ海苔とワサビを添えて・・・。大根と納豆の比率しだいでサラダにもご飯のおかずにもなります。

インフルエンザ、ノロウィルスと厄介なものが流行っています。お身体に気をつけて、よいお年をお迎えください。


この一年もありがとうございました。

年明けは1月7日の週からの発送になります。

新年もどうかよろしくお願いします。