領土問題ってなに?

2012年10月第1週

今週の野菜セット

左から

中秋の名月が雨に祟られることはこれまでにも何度かありましたが、台風というのはあまりないのではないでしょうか。満月時に台風が来ると、大潮とぶつかるわけですから物騒なことこのうえありません。

現時点では晴天。嵐の前のしずけさ、といいたいところですが、近所の小学校の運動会のアナウンスやら音楽やらで、いつになく賑やかです。当事者は駆け込みで間に合ったと思っているでしょうね。青山さんの稲刈りもこんな調子で間に合ってくれるといいのですが・・・。

ようやく長かった夏が終わり、衣類も半袖から長袖になり、食欲の秋が到来というときに、台風17号の影響で暑さがぶり返しました。涼しさに慣れてきた身体にはこたえる蒸し暑さ。嵐に遭遇する難を逃れたとはいえ、こんな日に運動会というのも楽じゃないだろうな、と思います。

しかし、これだけ夏が暑くなり、長引いているというのに、十月に行われていた遠足や運動会を前倒しにするというのがよくわからない。子供たちの楽しみが苦行になってしまうのにね。センセー、こういうのはイジメとはいわないんでしょうか?

オトナの都合だけで物事が決められるのは今にかぎったことではありませんが、今ほどそれが痛感されるのは、かつてなかったことかもしれません。とくに原発の継続の是非などは、経済界のオジンどもが口をはさむことではなく、高校生とか大学生から意見を聞くべきだと思うのですが、連中にいわせるとかれらは未熟。しかしかれらがひとたび犯罪に手を染めると、一人前の判断力を持ったオトナとして扱われることになるのです。

今、南の島々が騒々しくなっていますが、これってもしかしたら深刻になるばかりの国内問題から人の目をそらせるため?うつくしい島、うつくしい海を守るなどと歯の浮くようなことをいう人が自民党の総裁になりましたが、かれらがまず守るべきは沖縄の島と海であり、うつくしま・福島なのではないか。国内から領土がこぼれ落ちようとしているときに、人の住まない孤島の領有権など争っている場合ではないのです。

だからこそ、逆に無人島のほうに国民の目を向けさせたい思惑があるのだとしたら、それは政府の無策を意味することになりますよね。オトナのひとりとして、子供たちに合わせる顔がない。お恥ずかしいかぎりです。

しかし、民主主義っていうのは便利なシステムだなあ、と最近しみじみ思います。政治家がどれだけ国民の意に反したことをしても、あんたたちが選んだんでしょ、と開き直りができるようになっているからです。ものすごくいいかげんな体制ですね。どれくらいいいかげんかというと、プロレタリア独裁と民主主義。意味するところはおなじでしょ。でも、だれもプロレタリア独裁など、実現可能だとは思わない。民主主義はそれをオブラートに包んで、わかりにくくしているだけなんじゃないでしょうか。

そんないいかげんな体制のために中東がめちゃくちゃになっているのが、気の毒でしようがありません。隣人がシリアに滞在していたことがあり、湾岸戦争の勃発とともに帰国しているのですが、当時面倒を見ていた子供達が今、戦闘に巻き込まれる年齢になっているそうです。

はじめのうちはかれらも、ニュースなどは信用しないほうがいい。街頭に転がっていた死体が、撮影が終わると同時に立ち上がって歩き出したりするんだから、といい、それは欧米が介入するために作られている映像なんだといっていたそうですが、今やそれが現実のものとなり、かれらの生存も危ぶまれるようになっています。

民主化という口あたりのいい言葉に踊らされたのは、ごく一部の若者たち。アサド政権下で貧乏くじを引いた階層だったといいます。中国の半日デモもそうですが、日ごろの欲求不満がなんでもいい、大義名分になるものを見つけると火がついてしまうようです。そして、一度火がつくと制御不能になってしまうのですからおそろしい。

怒りの持って行き場をまちがうと、とんでもないことになる。それを承知でこの国の為政者たちが原発や、基地問題からわたしたちの目をそらそうとしているのなら、それこそほんとうに怖いことだと思います。

今週の野菜とレシピ

小松菜に続いて春菊が出てきました。出はじめの春菊はやわらかいのでサラダがおすすめ。りんごや梨といっしょにドレッシングで和えてみてください。

牛蒡の栄養分は皮の部分に集中しているので、傷つけないように手洗いしてくださいね。太め牛蒡を選んでまな板の上に寝かせ、ピーラーでひらひらしたリボン状のものを何本も作ります。それにてんぷらの衣をつけて揚げると、かりかりと歯触りのいいお菓子になります。揚げたてに塩をぱらぱらとふってどうぞ。

これを作ると、どうしても芯の部分が細長く残ってしまいます。それは斜めに薄くスライスして、醤油をまぶしておくと、てんぷらができあがるころにはしんなりして食べごろになっています。1本の牛蒡からお酒のつまみが二種できることになります。

紫蘇の実は丸一日ぐらい、たっぷりの水でアクを抜きます。それをザルに上げ、添付の日光唐辛子は小口切り。生姜も大きめのところをひとかけ、みじん切りにして混ぜ合わせ、水気をよく切ってください。手頃なビンにそれを詰め、全体に行き渡るように醤油をかけたら冷蔵庫へ・・・。三日もすれば田舎のキャビアのできあがり。

これをご飯にのせると、食欲の秋に拍車がかかること請け合いです。できれば新米でいただきたいものですね。