狩猟の季節

2013年2月第1週

今週の野菜セット

左から

寒さがゆるんだかと思うと、また北西の風が吹いて氷点下に逆もどり。節分の朝は凍えるような寒さでしたが、これからは北風と南風が交互に吹きながら春に向かって行くんでしょう。

雨水受けの氷が解けると、休眠していた金魚たちが動きはじめます。試しに餌を撒いてやると、夏のように貪欲ではないけれど、すこしづつ減ってゆきます。でも、またすぐに氷に覆われるんですけどね。夜店の金魚ぐらいの大きさだったのが、小ぶりの錦鯉ぐらいに育っているので、この夏にはもっと大きな雨水受けが必要になるのかも。

夏は気持ちよさそうに見える金魚たちも、この時期は寒修行にいそしむ行者みたいで、見ているだけで身がひきしまるよう・・・。そんな行者たちがカラスや越冬組のサギたちに狙われるので、金網でしっかり守ってやらなくてはなりません。うちの猫も油断がならないので、金網は一年中必要ですが、できればそんなうっとうしいものなしで済ませたいものです。

この冬は池の表面も氷で覆われていることが多いので、渡り鳥たちは河川に集まっているようです。例年なら白鳥が占拠している小貝川でも、すこし離れたところにカモが群れ、その合間を縫うようにサギの幼鳥たちが餌を物色しているといった具合で、大きな池が閑散としているのとは対照的です。

鳥たちは禁猟区をよく知っているようで、安全地帯で冬を越すことができますが、かわいそうなのがイノシシたち。鳥獣保護地区に指定されていたところでも、数年前からイノシシの捕獲が認められるようになったので、いたるところから銃声が響くようになりました。

うちの裏山もかつては保護区でしたが、今はしょっちゅう追いこみ猟が行われていて、週末には猟犬が走り回っているようです。中にははぐれてしまう猟犬もいて、そういう犬が空腹に耐えかねて、農家の庭先で白菜やキャベツを食べていたりする・・・。そんな犬も、首に鈴をつけていると飼い主が迎えに来てくれますが、それがなければ捨てられているのだそうです。

追いこみ猟をするとき、犬の首につけられた鈴の音で猟師たちはイノシシの居場所を知るといいますから、鈴がついていればはぐれ犬。放置するときにはそれを取ってしまうそうです。もっとひどい飼い主になると、犬が後を追わないように後ろ足を撃ちぬいて置き去りにするのだとか。脚を撃たれた猟犬ばかり保護している団体もあるそうですが、多くは山の中で餓死しているといいますから、胸のわるくなるような話でしょ。さいわい、山の中でそういう犬に遭遇したことはありませんが、イノシシの罠にかかって動けなくなっている犬を救出したことがあり、飼い主もすぐに見つかったのでラッキーでした。わたし自身、そういう罠にひっかかったことがありますが、暴れさえしなければ罠は簡単に外せるんですね。でも、危険なことに変わりはない。一応、警告の札が下がってはいるのですが、それは道路側に限定されているので、山の中から出て来る者にはわからない上、動物たちにはもっとわからない。とんでもない代物です。

山の中でそういうものに出くわすと、棒きれを入れて無効にしておくのですが、流れ弾は防ぎようがありませんものね。自然と観光客や登山客の多いところへ足が向いてしまいますが、犬がいっしょなので、あまり人のいるところには出かけたくないというのと、あんまり人が多いと自然の気よりも人が発散するもののほうが強くなってしまい、山の魅力が半減するのです。かといって、時折奇声を発しながら裏山を歩くのも疲れますしね。

はやく春になって、猟の季節も終わってほしいものです。

今週の野菜とレシピ

白菜は好子さんのところも青山さんのも終了しましたが、今週は青山さんの叔母さんの畑から。

青山さんの叔母さんは漬け物名人で、毎年自家用のほか、遠くにいる子供達や近所の人の分まで白菜を漬けているのですが、運のわるいことに暮れに転んで骨折してしまい、白菜の収穫すらできなくなってしまったそうです。それで青山さんがそれを代わりに収穫することになりました。

他人の不運はこちらの幸福、というわけではないのですが、おかげでわたしたちはもう一度鍋をかこむ機会に恵まれました。まだまだ寒さが続きそうなのでありがたい話です。叔母さんは高齢なので、耕耘機を入れるのは青山さんの役目。施肥も青山さんがいっしょにしているので、問題はないと思います。もちろん無農薬。

相変わらず風邪が流行っているようなので、あたたかくしてお過ごしください。