オリンピックだってよ

2013年9月第2週

今週の野菜セット

左から

集中豪雨やら竜巻やら、物騒なニュースが続きましたが、ようやく秋風が立ちはじめました。

秋の訪れというと、ひっそりとしたイメージがあるのですが、どうしてこうも騒々しいんでしょう。これも「異常気象」のなせるワザ?でも、よくよく考えてみたら、昔から秋は台風などをともなった鳴り物入りの登場だったんですね。大荒れのどんちゃん騒ぎを経るものだから、ひっそりした印象を持たれていたのかもしれません。

春の登場が大風をともなうように、厳しい寒さ・暑さを追いやるには、それぐらい大暴れしなくちゃならないのかも。それにしても一極集中ではなく、もうすこし力を分散させてくれるといいんですけどね。

山の中の秋の気配は、フクロウの鳴き声からはじまります。春先に生まれた子供が巣立ち、これまでおっとりとホロスケホーなどといっていられないぐらい忙しかった親鳥に、ようやくゆとりが出てくるころ。

台所や居間の雑音にかこまれているとわからないのですが、トイレや風呂場にいるとそれが聞こえます。去年あたりまで、西側の林の中から声がしていたので、耳を澄まさないと聞こえなかったのですが、今年はすぐ裏の松の木あたりにいるらしく、頭上から聞こえてくる感じ。

しかし、鳴きかたがもどかしいぐらい拙いのです。おそらく巣立ったばかりの幼鳥なのでしょう。びっくりさせないように、そろそろと風呂場の窓を開け、湯船の中で聞いていると、遠くのほうから親鳥らしい声も聞こえます。幼鳥は巣立ったとはいえ、まだしばらくは親鳥といっしょに行動し、自立に向けて学習するといいます。

がんばれよ、と無言で応援しながら湯船の温度を上げます。窓を開けて入浴するには肌寒い季節に、ようやくなったんですね。

しばらくは、ようやく訪れた涼しさを満喫したいもの。この涼しさもすぐに寒さに取って代わるのでしょうから、今のうちに夏の疲れを取り払ってしまわなくちゃね。

なんて思っていたら、日曜日、まさかのオリンピック東京開催決定のニュース。一瞬にして秋の空気が暑苦しくなり、どっと疲れが押し寄せてきました。いつ何時災害に見舞われるかわからない、しかも原発事故の収束もおぼつかないようなところに、そんなものもって来てどうすんの。いいかげんなリスク管理しかできないくせに、よく無責任にそんなものを招致できるなあ、と思っていたのに、それが現実になるとはね。

祝賀ムードに水を差すようでわるいけど、テレビやラジオから聞こえてくる喜びの声・声・声って、ほんとうなんだろうか。報道関係者の本音はどうなんだろう、なんて考えているわたしは非国民?そんな風に思わせるところが、なんとなく不気味です。

じつは大多数の国民が、オリンピックなんてやってる場合じゃないだろう、と思っているのではないか。それがわかっているからこそ、マスコミが浮かれてお祭りムードを盛り上げているのでは・・・。うちの母は、この状況が昭和十年前後の雰囲気にとてもよく似ている、といいます。政府が戦争責任を認めないぐらいだから、マスコミも挙国一致をスローガンにして、好戦ムードを煽った責任には無自覚。だから今また、おなじことをしているというんですね。

そういえば、あのころも東京でオリンピックが開催されることになっていたんだそうです。ベルリンの次だったんでしょうか。太平洋戦争の勃発でおじゃんになりましたが、まあ、戦争よりはオリンピックのほうがましだから、決まった以上はしょうがない。つつがなく終わってくれることを祈るのみ、とのことでした。

今週の野菜とレシピ

小松菜間引き白菜も加わって、野菜セットの内容も秋らしくなってきました。間引き白菜はおひたしにするか、味噌汁にご利用ください。

今週の目玉は里芋です。堀り立ての里芋は皮がやわらかいので、包丁の背でこそぎ取るように剥きます。1時間ほど水に浸けておくと、作業が楽になりますよ。初物には出汁など不要で、ひたひたの水に醤油と味醂だけで煮っ転がしにしてみてください。青柚子の皮を散らすと味と香りがぐっとよくなります。

芋茎は3センチぐらいに切って湯がき、たっぷりの摺り胡麻に砂糖と醤油、酢少々を加えたもので和えると美味。湯がくとびっくりするほど膨らみますが、冷めると元通りの嵩にもどります。味噌汁に入れてもおいしく、ほんのりした甘みとしゃりしゃりした食感が楽しめます。デトックス効果の高いものですから、甘酢漬けにして毎日、すこしずつ食べるという手もあります。

来週は牛蒡が入ります。さつま芋もこのところ雨が多いので、なかなか掘れなかったのですが、今週、晴天が続くようなら大丈夫とのことでした。