春支度

2013年2月第2週

今週の野菜セット

左から

重たい雪が霙から雨に変わり、翌日、強風が吹き荒れました。春一番かと思いきや、震えあがるような北風でした。比較的あたたかい日が続いていましたが、やっぱりそう簡単には春にはならないみたいですね。

家の北側はあいかわらず雪景色。でも、南側の日だまりでは水仙の芽が土を持ち上げ、フキノトウも頭を出しかけています。それを堀りおこして春の香りを先取りすると、凍えた身体がゆるゆると解けてくるよう・・・。春の兆しに一喜一憂するこの時期が、もしかしたら一年中でいちばん仕合わせなときなのかもしれません。

立春を過ぎると、気温はともかく陽光は日ごとに強くなってきます。窓ガラスも暮れの掃除できれいにしたはずなのに、汚れが目立ちはじめましたね。そろそろ春支度。山歩きばかりしてないで、畑のほうにも足を向けたほうがよさそうです。

とはいっても、畑はヒヨドリに占拠されていますからねえ。残っているのがネギとアサツキだけという状態では、あまりやる気が出ないのですが、芽が出ているエンドウやソラマメを鳥と寒さから守るため、モミガラをたっぷりかけておきます。後は野鳥の餌になりそうなハコベを残して、はびこっている草を今のうちに取っておくのも春支度のひとつ。

草に混じって、ポピーやカモミールが早くも芽を出し、大きくなりかけています。これは大きくなる前に畑から出て行ってもらわなければなりません。かといって捨ててしまうのもかわいそうなので、畑の外側に移植することになります。移植直後に霜にあたると枯れてしまうので、保温のためにモミガラを敷いてやります。

冬はモミガラが大活躍。山ウドの新芽をやわらかくするためにも、山のようにモミガラを使いますしね。そこに米粒のかけらでも残っているのでしょうか。モミガラを敷くと、スズメが来てせっせと啄みはじめます。人が畑にいるとヒヨドリは姿を消してしまいますが、スズメはそれほど気にならないというか、むしろ人がいたほうが大型の野鳥が寄りつかないので、安心していられるみたいです。

頭上ではトンビが舞っています。そろそろ野ネズミやモグラも活動をはじめるころなんでしょうね。

身体のほうも春支度といいたいところですが、まだまだ寒さは続きそう。インフルエンザもしつこく流行っているようです。

夏の入浴は熱いお湯にさっと浸かるものですが、この時期はぬるめのお湯にゆっくり浸かって、出るときに冷水をかぶると湯冷めしません。水をかぶる勇気のない方は、洗面器に水を入れ、そこに足だけ浸けてみてください。湯上がりも素足でいられますし、布団に入っても朝までぽかぽかしています。

急に春めいた陽気になるのも考えもので、セーターの内側が汗ばんで、それで風邪をひいてしまうことがあります。山歩きでも畑仕事でも、汗をかいてそのままにしていると、くしゃみを連発。いくら日中があたたかくても、夕刻には風が冷たくなりますからね。真冬より春先のほうが風邪をひきやすいのも、そういうところから来るんでしょう。

厳寒もストレスですが、時折寒さがゆるむこの時期のほうが、身体にかかるストレスは大きいかもしれません。動物性の食品をひかえ、野菜を中心に消化のいいものを摂るのが身体の春支度なのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

かぶの根元に赤みのさした、色合いのきれいな赤かぶは半分にしてからスライスして、葉っぱや茎といっしょに塩漬けにして、鰹節と醤油をかけるとお漬け物。オリーブ油をたらすとサラダになります。

サラダといえば先週、あり合わせのものでサラダを作る必要があったので、好子さんのほうれん草しめじ、それにうちの畑に残っていた大根を使っておひたしのような、サラダのようなものを作ってみたら、これが大当たりでした。

まず、ほうれん草を軽く湯がいてから包丁を入れ、醤油をからめて皿の上に広げておきます。大根はおろして水気を切っておき、石突きを取ったしめじを小房にわけてバター炒め。それにも醤油をすこし多めにからめて、大根おろしカップ1杯弱を加えてしめじとよくなじませてから、ほうれん草の上に載せるというもの。

これがおいしかったので、翌日事務所のお昼にも作ったら、アラレちゃんがさっそく好子さんにほうれん草をおねだりしていましたから、大量に作ったにちがいありません。あっさりした温サラダ。ぜひお試しください。

エシャロットは薬味用ですが、そのまま味噌をつけて食べても美味。

青首大根は一本ではなく、一本分。なぜかというと、地面から出ている部分が凍傷になって使いものにならないからです。ふつうなら捨てられてしまう大根ですが、野菜不足の折ですし、それよりなによりもったいない。しっかり役立ててください。