夏の到来

2013年5月第5週

今週の野菜セット

左から

ホーホケキョをすっかりマスターしたウグイスに混じって、ホトトギスのさえずりが聞こえるようになりました。ほかの鳥たちが寝静まった夜になっても。トッキョキョカキョクは響きわたります。これが聞こえるようになると夏のはじまり。日中の気温も高くなってきました。

高温になると、箱詰めされた野菜の鮮度が落ちやすいのはもちろん、卵の鮮度も落ちてきます。卵明舎の卵は洗浄処理をしていませんので、常に呼吸しています。気温が高くなるにつれ、呼吸の回数も増えてくるので、白身がゆるく盛り上がりが欠けてくるのですが、だからといって冷蔵庫の卵ケースなどにむきだしで並べられると、急に温度が低くなるため、殻の表面に細かい水滴が付着します。そうすると静かな呼吸もできなくなって、生きものではなく、ただの蛋白質の塊になってしまうため、逆に鮮度が落ちてしまいます。

したがって、夏場の卵の保存はザルに移して風通しのよいところに置くか、冷蔵庫に入れる場合も紙パックのまま、野菜ボックスに入れるようにしてください。葉ものの場合、到着してぐったりしているようなら、さっと水洗いして生き返らせてやってくださいね。

暑くなるとぐったりするのはわたしたちもいっしょで、急に気温が高くなったときなど、身体がだるいわ、重いわ、うっとうしいわで、なにをするにも億劫になりがちです。

でも、畑仕事はしなくちゃならないし、ご飯も作らないわけには行きません。そんなときどうするかというと、焚き火をするんです。刈り取った草をどんどん燃やして煙をだすと、虫もいなくなりますしね。そして焚き火のそばから離れると、うんざりするような炎天下でも涼しく感じられるようになるというわけ。焚き火で一カ所の温度が高くなると、そこに向かって空気が動き出すので、風を作ることにもなるんですね。

一度にどっと汗をかくので、気化熱で体温が奪われるというのもあります。台所でも揚げものなどをしていると、汗をかく上、家の中の通気がよくなるので、食卓は逆に涼しく感じられるようになるものです。暑さ対策には熱さ。真夏にバーベキューをしたり、キャンプファイヤーを焚いたりするのも、きっとそういう効果があるからで、クーラーで室内を冷やすのとは逆の発想です。

家がもっと広ければ、ひと部屋だけストーブを焚いて、地獄のように暑くしておくんですけどね。そうすると対流でまわりの部屋が快適になる。クーラーの効いた部屋を出たとたん、どんよりした熱さと湿気がまつわりつくといった不快感もなくなるし、身体の負担もなくなりそう・・・。

わが家では、熱さに弱い犬のためにクーラーを付けているのに、スウィッチを入れたとたん、犬も猫も出て行ってしまうんです。そんなわけで、ほとんど使われることがない。ひと夏に一度か二度、来客があったときだけ使われるという、無用の長物。金返せ、といいたくなりますよね。

しかし、なんだかんだいっても、まだこの時期、夕刻の風は涼しく、ときとして肌寒く感じられたりするものです。とくにこのあたりは、田圃という人工の池が広がっているものですから、大地が冷まされ、早苗の上を渡ってくる風も冷気を帯びやすいのだと思います。

この田圃という冷却装置をどんどん減らして、一方で原発みたいな暑苦しいものを増やしてきたのですから、もしかしたらこの国の政府は、わたしとおなじ発想で夏場対策をしているのかもしれません。しかし、恐怖感と隣り合わせの政策ですから、涼しさを通り越して背筋が凍りそうなるのが難点。お寒い景気対策やら、憲法改正の動きなどというのも、もしかしたら国民が夏を乗り切るためのサービスなのかもしれませんが、それだったら怪談かホラー映画のほうがよっぽど気がきいていると思うんですけどね。

そんなサービスをするぐらいなら、雨男や雨女をどんどん登用して、旱魃に備えてくれたほうが助かるんですけど・・・。とりあえず、栃木県にひとりかふたり、派遣してほしいものです。

今週の野菜とレシピ

今週は青山さんのキャベツが入ります。うちの春キャベツがヒヨドリの食害で全滅したのを受けて、慌てて種を蒔いてくれたものですから、時期的な関係で結球のしかたが甘いというか、ゆるいというか、しっかりしていないものがあるかもしれません。

きゅうりも出てきました。が、出はじめなのと夜間の気温が低すぎるため、メニューには2~3本とあるところ、2本づつしか調達できそうもありません。また、水不足も影響しているので、雨が降れば収穫量も増えてくるはずです。きゅうりの足りないところは、トマトの量を500グラムから800グラムに変更しますので、ご了承ください。

絹さやスナップエンドウ。絹さやは卵とじ、スナップエンドウはさっと湯がいてサラダでどうぞ。ただ、青山さんの絹さやは自家採取したものですから、中にスナップエンドウも混じっていたようです。そのため両方ともスナップエンドウになる場合もありますが、その際はお許しください。

お知らせ

らっきょう漬けの季節がやって来ました。6月に入ると、お分けできるようになります。

また、青梅もキロあたり:800円にて注文を承っています。ご注文の際、梅酒用もしくは梅干し用と指定していただくと、それにふさわしいものをお送りします。梅シロップ用など、小粒のものはキロあたり・600円になります。