これからやって来るもの

2013年2月第4週

今週の野菜セット

左から

寒い日々が続いています。この時期はひと雨ごとに春めいて来るはずなのですが、雨あがりの風は依然として北西から吹いてきます。今度こそ春一番、と期待するのですが、なかなか思うようにはならないようです。

この寒風の中でも福寿草は花をつけ、水仙が芽を出しはじめています。梅の蕾もふくらんで、開花も間近。今週の後半には気温が高くなるといいますから、それに期待したいものですね。

春が近づくにつれ、薪小屋の中が広くなってゆきます。残りの薪の量が春までの距離。そう思うと、冬のはじめには節約しながらストーブにくべていた薪の量が、だんだん多くなってきます。次の冬に残しておけばよさそうなものなのに、この時期にはついつい浪費してしまうんですね。

その薪小屋の裏手には椎茸の原木が並んでいます。家のまわりで大きくなりすぎたコナラを切ったとき、菌を植えつけたものですが、それがようやく秋口から出てくるようになりました。それが不思議なことに、この寒さの中でも途切れることがないのです。もちろん生育は遅遅としたものですが、ふつうは春先と秋口しか出ないはずの椎茸が、なぜか次々と芽をだしてふくらみ、一丁前のどんこ椎茸になってゆく・・・。

椎茸を栽培している農家にその話をすると、そんな馬鹿な・・・といわれるのですが、出てくるものはしかたがない。菌類は放射線を吸収しやすいので、念のために測定してもらったら35ベクレル。微妙な数字です。人様には差し上げられませんが、老母とふたりでせっせと食べて、食べきれない分は干しています。おかげでちらし寿司に使うぐらいの干し椎茸は確保できました。

今週末はひな祭り。そんなちらし寿司を孫たちに振る舞うのは、ちょっと気が咎めるのですが、まあ年に一回ぐらいは大目に見てもいいんじゃないか。そんなことで思い悩まなければならないのはくやしいけど、起こってしまったことはしかたがない。受け入れざるを得ないんですね。

ただ、どうしても受け入れる気になれないのが暮れの総選挙の結果で、案じていた通りに世の中が動きはじめていること。経済の立て直しなんていってるけど、小泉政権の二の舞になること必至で、数年後には惨憺たる結末になるのが素人目にもわかります。本気で経済を立て直すつもりなら、電気事業を変革して、新しい産業と雇用を作るしかないと思うんですけど、それができないのは政界が脅しと金に操られているからでしょうか。

これはわたしの想像ですが、新しく首相になった人物が官邸に入ると、そこでは銃口が待ち受けているのかもしれません。そう思ったのは脳天気な鳩山氏が首相になったとたん、前言をひっくり返さねばならなかったからで、そういう地位についた人の顔が見る見る険悪になってゆくのも、ただ単に権力というものが持つ副作用だけではなさそうです。

この国の首相に銃口を向けているのがアメリカなら、大統領がホワイトハウスに入ったとたん銃を向けてくるのはユダヤロビーあたりでしょうか。あんなに爽やかな顔をしていたオバマ氏がたちまち悪相になりましたものね。もっとも今はケネデイーの時代とはちがって、銃弾で倒れるのではなく、表向きは病死ということになるんでしょうが・・・。

いずれにせよ庶民にはうかがい知れない世界ですが、上層部の保身のしわ寄せを引き受けさせられるのはいつも庶民です。その庶民の大半が安倍政権を支持している不思議さにくらべたら、真冬に椎茸が採れたところで驚くには当たらないのかもしれません。今はただ、参院選で自公が過半数を取らないことを祈るのみです。

今週の野菜とレシピ

青山さんのミニ大根。大根のほうはサラダかおつゆの実にする程度の大きさですが、青々とした葉がついています。ひさびさの大根葉のほうが重宝するかもしれません。

春を先取りする菜飯。大根葉を細かくきざんで、口あたりをよくするためにさっと湯がくか、熱湯をかけてから塩をふります。しんなりしたらぎゅっと絞って、ちりめんじゃこ、煎り胡麻といっしょにあたたかいご飯に混ぜてください。お握りにして戸外で食べるとおいしさが倍増します。

あぶら菜も春を告げる青菜ですが、ほのかな苦みが冬の間、身体に溜まった毒素を抜いてくれます。冬は汗をかくことがないので、毒素が排泄されませんから、春先に苦みのあるものを食べて体調を整えておかねばなりません。フキノトウとともにあぶら菜が、昔から食べられてきた所以です。

ほんとうはフキノトウも入れたいところですが、青山さんが頭部から顔面にかけて帯状疱疹という厄介なものになり、片眼がほとんど見えなくなっています。痛みがある上、片眼では落ち葉に隠れるようにひっそりと顔を出しているフキノトウの収穫は無理。そんなわけで全セットには入れられそうもありません。

帯状疱疹はただでさえ治りにくいものだそうですが、それに加えて青山さんは大の医者ぎらい。野菜が無農薬で頑張ってるのに、自分だけ薬物に頼るのは理不尽、というのが彼のいい分ですが、ほんとうのところはわかりません。医療に対する不信感も大きいのでしょうが、かれこれ半月にもなるのに放置したまま、不便な生活をしています。どなたか西洋医療に頼らない治療法をご存じでしたら、教えてください。