暑さが続きます

2013年8月第3週

今週の野菜セット

左から

お盆過ぎだというのに、まだ暑さが居座っています。いったいいつまで続くんでしょう。いいかげんにしてほしいものですよねえ。

先週あたりからツクツクボーシの羽音がにぎやかになってきました。これを聞くと、子供のころは夏休みも残りわずか。残っている宿題のことを考えてイヤーな気分になったものですが、今は今でさあ、これから残暑だぞといわれているようで、これもまた気が重くなる。どちらにしてもあまり歓迎されなさそうで、カナカナの涼やかな羽音とは対照的です。

日暮れどき、いくらか風が出てきて気温が下がると、カナカナが一斉に騒ぎはじめます。それを待って犬の散歩に出るのですが、空気が多少冷たくなっても、地面はまだ昼間の火照りを残しています。羽音のちがいはどうあれ、蝉が元気でいるうちは、暑さも続きそうですね。

ひと昔前まで、いちばん涼しい盛夏の過ごしかたといったら、長袖のシャツにタオルという暑苦しい格好で炎天下、野良仕事をすることだったんですけどね。草むしりをはじめて五分も経たないうちに、シャツもタオルも汗まみれになりますから、そよとでも風が吹けば気化熱が奪われる。見た目は暑苦しくても、当事者はそれほどでもなく、木陰に入って一休みするときなど、ほんとうに涼しかったものです。

でも、今そんなことをやってたら救急車で搬送されかねません。もう暑さのレベルがちがうんですね。木陰にいてもまわりの熱気で倒れそうになるんですから・・・。畑仕事ができるのは夜明けから日が高くなるまでの数時間と、夕刻のみ。それ以外の時間帯は家でごろごろするしかないので、かえって身体は楽になった、と冗談まじりにいう農家もいるぐらいです。

熱帯魚の水槽に専用のクーラーが必要だというのですから、この国は熱帯を通り越してしまったみたい。熱帯夜といっても、ほんとうの熱帯では夜になると涼しくなるそうです。日中は四十度を超えるけど、日が暮れたとたん二十五度以下になってしまうので、寝苦しい夜を熱帯夜と呼ぶのは熱帯に対して失礼ではないか、と日高敏隆さんがなにかに書いていましたっけ。

要するにこの暑さは気候の変動というより、人がみずから創り出しているものなんでしょう。裏山の木が伐採されて、そこに自動車道路でもできれば、わたしが住んでいるところだって、もっと暑くなるはずです。さらに安価な輸入米に押されて田圃という冷却装置がなくなれば、さらに気温は上昇するはず。暮らしやすさを求めてきた結果がこれだとしたら、なんとも皮肉な話です。

思えば扇風機も冷蔵庫もクーラーも、それ自体はみんな発熱体ですものね。暑苦しい発電所から送られてくる電気で作動する暑苦しい機械たち。だからといってそれを排除できるかというと、それもできない。現にわたしが通勤に使っている車だって、十分に暑苦しく、エンジンを止めてもなかなか温度は下がりません。それが何万台も走りまわっているのですからね。でも、車がないと田舎暮らしは成り立たない、というわけで、わたしたちはなにひとつ手放すことができないのです。

尋常でない暑さも、尋常でない雨の降りかたも、自業自得だと思うしかないのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

尋常でない暑さが続きます。おかげで青山さんのきゅうりも、好子さんのプチトマトも木が枯れてしまいました。きゅうりはしかたがないにしても、プチトマトというのはけっこう強靱なものなんですけどね。

今週は好子さんのとうもろこしが入ります。とうもろこしは鮮度が命。収穫して日数が経つにつれ、甘みが消えていってしまうので、なるべくその日のうちにお召しあがりください。

日光とうがらしは辛みのまろやかな唐辛子です。こまかく刻んで、麺類やチャーハンの薬味としてご利用ください。刻んだものを冷凍しておくと、少量ずつ使えて便利です。

茄子と日光とうがらしのピリ辛炒め:茄子は薄くスライスしておきます。刻んだ唐辛子をひとつまみたっぷりの油で炒め、茄子を加え、しんなりしてきたら塩とオイスターソース少々で調味。あれば刻んだ青紫蘇を散らしてください。これはご飯だけでなく、パスタにのせてもおいしいですよ。