十月台風

2013年10月第4週

今週の野菜セット

左から

十月も半ばになって、次々と台風がやって来ます。土石流で大きな被害を出した伊豆大島では、週末から追い打ちをかけるように雨が降り出し、27号もおなじようなルートでやって来るといいますから、どうなることやら・・・。

わたしが住む山間部にも、土石流危険区域というのがけっこうあって、早い話、沢沿いの田畑が全部それに当たっていて、中には人の住んでいるところもあります。たまたま栃木県というのが、天災に見舞われにくいところに位置しているため、大きな被害が出たという話は聞きませんが、それとて大雨になれば話は別。傾斜のある地形特有の脆さがあるみたいです。

老母の話では、第二次大戦中に神戸でも大規模な山津波があったそうで、それも十月台風と呼ばれる季節外れの嵐が引き起こしたものでした。戦時中のことなので、山の木が手当たりしだい伐採されていたという事情もありますが、十月台風というのは侮れない。おそろしいものなのだといいます。

今週やって来る台風が、うまい具合に逸れてくれるといいんですけどね。

このあたり、26号の影響をほとんど受けなかったとはいえ、風に揉まれて茄子が全滅。秋茄子のおいしい季節だけに残念ですが、これぐらいで済んでよかったのかもしれません。

これは台風とは関係ないのですが、さつま芋もほぼ全滅状態。これは夏の異常な暑さのせいでしょうか、高橋さんのところだけでなく、まわりの畑もそうなんだとか。このあたりでは、秋になると芋掘り遠足といって、小学校低学年から幼稚園、保育園児たちが畑を訪れることになっているのですが、農家は予約の取り消しに平身低頭。こんなことは五十年ちかくさつま芋を作っていて、はじめてのことだそうです。

だいたいさつま芋なんて、冷害や旱魃対策に持ちこまれた作物だったわけでしょう。青木昆陽でしたっけ。飢饉を回避するはずの作物が不作になるとは、いったいどういうことなのか。いろいろ品種改良が進んでおいしくなった分、生命体としてはひ弱になっているのかもしれませんが、それにしても奇妙な話です。だって米や麦は例年通りに収穫されているんですからね。

アフリカの食糧問題を解決するため、すこし前から甘くないさつま芋の研究が進められているそうです。さつま芋の甘さはおやつには最適ですが、主食としてはそれがネックになるからです。さて、そうやって研究・開発するのはいいけれど、はたして現場でどれだけ成果が上げられるのか。今年のさつま芋が一割ほどの例外を別として、みんな小指ぐらいの大きさで萎縮しているという話を聞いて、なんだか不安になってきました。

アフリカの食糧問題もさることながら、この国の食糧問題ももうちょっと真剣に考えられてもいいんじゃないか。経済対策なんて非現実的なことはどうでもいいからさあ、と思いながら、残りすくないさつま芋を大事に食べているしだいです。

日曜日には雨の中、益子町では防災訓練が行われました。だいたいこういうのって、しょうがないなあという感じでつきあわされるものですが、伊豆大島の災禍があったばかり。しかも次の台風が迫っているという状況ですから、雨天にもかかわらず、参加者も多かったみたいです。

簡単な止血法や副木の当てかた、担架を竹竿と毛布で作る方法など教わって、炊き出しの豚汁を食べて帰ってきましたが、なんかお祭り気分で、いざというときどれだけ役に立つものやら・・・。でも、二本の竿と古毛布で作る担架は秀逸で、寝心地も非常にいいものでした。さっそく物置小屋に、野菜用のコンテナを土台にして設置。非常用ベッドのつもりでしたが、今朝覗いてみると、ちゃっかり野良猫が寝ているではありませんか。猫にも認められたということなのかも。

災害というのは予想外のときに、予想外の状況を作り出すものです。それを想定して対策を講じるというのですから、訓練そのものに無理がある。一種のリクリエーションぐらいに思っていたほうがいいのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

今週はカブが入りました。葱の白い部分をみじん切りにしてバターで炒め、適当な大きさに切ったカブとじゃが芋を入れたら、ひたひたよりすこし多めに水を入れ、やわらかくなるまで煮ます。塩、胡椒とオイスターソースで調味して、最後に生クリームをたらして完成。

これをフードプロセッサーでどろどろにして冷たくするとヴィシソワーズというスープになりますが、こんな時期なのでカブもじゃが芋もごろごろしたまま、あつあつのところにカブの葉を青みに加えてはどうでしょう。

京菜小松菜ほうれん草春菊と青菜が豊富です。いずれもおひたし、味噌汁やスープの具など、日替わりで召しあがってくださいね。

椎茸は先週、気温が高かったため、今週の分まで大きくなってしまったそうです。来週には復活するそうですから、今週は我慢してくださいね。